ポップアップストアからコスチューム展まで。パリで今、見るべきもの

19年秋冬のプレゼンテーションシーズンも終盤。今週はいよいよ、パリでファッションウイークが始まりました。ここでは、今パリで見るべき場所や展覧会をご紹介しましょう。

2月19日朝にカール・ラガーフェルドの訃報が告げられて以来、早や数日。世界中が彼の偉業を振り返る中、展覧会という形でいち早くこの比類なきデザイナーへのオマージュを捧げたのが、パリの装飾美術館です。しかも家具や食器、室内装飾、オブジェなどの名品を集めたパーマネント・コレクションにモードを絡めるという面白い見せ方で。4体と数は少ないものの、シャネルとクロエでの彼のクリエーションが据えられたのは、各ルックのインスピレーションに関連した部屋。カール・ラガーフェルドが、いかに装飾美術のテーマを服で解釈したかが感じ取れます。

カールと若い頃の親友といえば、サンローラン。イヴ・サンローラン美術館のオープンに関しては17年10月6日の投稿でご紹介しましたが、この2月にはまた展示が一新されました。膨大なアーカイブズから見られるのは、イヴ・サンローラン氏の歴史上で最も有名な作品の一つ、モンドリアンの一連。かの有名なピエト・モンドリアンの幾何学的な絵画にインスパイアされたボックス・シルエットのドレスです。

さて、ちょうど一年前には自身のブランドとエルメスでの仕事、と二つの展覧会が開催され、今年は映画公開、と話題の尽きないマルタン・マルジェラ。3/6〜3/11には、アールキュリアル(Artcurial)のオンラインストアで、オークションMartin Margielaが開かれます。これに先駆けて同オークションハウスでは、彼のコレクターズ・ピースの数々を展示。展覧会で吟味、またはネット上のカタログでチェックして、e-オークションにて憧れの一点を競り落としてみては?

その他、オプティカル・アートの父と言われるヴァザレリ(Victor Vasarely)の回顧展、老舗ジュエラーショーメの企画展、マルチアーチストマリー・ベルトラミ(Marie Beltrami)の個展、そして昨年11月18日の投稿でご紹介したアライア蒐集のコスチューム展とジオ・ポンティ展も見逃しなく!

一方ショッピングでの話題No.1は、元コレットのサラ・アンデルマンをアドバイザーに迎えての、サカイのポップアップストア。サカイのメインコレクションや残反バッグに加え、A.P.C.、プチバトー、エルベ・シャプリエ、シャルロット・シェネなどとのコラボレーションや、エクスクルージブも満載のスペースです。またBeats by DreによるワイヤレスイヤホンBeatsX、スニーカーNIKE LDWAFFLE / SACAIはここで先行。そしてすぐ隣のHonorCaféではサカイ・ブレンドのコーヒーもサーブ。このストアと連動したe-shopもこの時期のみのオープン。つまり日々進化する、ライブ感に溢れた場所なのです。

また、通りをあげて若手デザイナーをサポートするのが、北マレ地区に位置するRue du Vertbois。その一環として、ジュエリーデザイナーのアヌリーズ・ミケルソン(Annelise Michelson)がポップアップストアをオープンしました。ちょうどローンチされたばかりのヘアアクセサリーも、ここで。彼女については次回特集するので、お楽しみに。

text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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