2019.03.15

パリのエディターに大人気のジュエリー、アネリーズ・ミケルソンって知ってる?

最近パリのエディターたちの間でやたら話題なのが、アネリーズ・ミケルソン(Annelise Michelson)のジュエリー。“さりげなくシック”な典型的パリジェンヌ・スタイルではなく、ちょっとだけ毒がある大胆なフォルムは、身につけるアートとでも言いましょうか。彼女がリアーナやレディ・ガガらをもファンに数えるのは、オブジェと見まごうジュエリーが、強い女性像を引き出すから?

生粋のパリジェンヌで、アート・コレクターの両親のおかげで小さな頃から彫刻家のアトリエに出入りしていたと言うアネリーズは、エコール・ドゥ・ルーヴルでデッサンの技術を身につけ、パリのオートクチュール協会の学校でファッションを学びました。とはいえ形を愛するあまり彼女が選んだのは、ジュエリー作り。「花やハート、蝶などのファンシーなモチーフ以外でも魅力的なジュエリーが作れることを証明したかったの」と、アネリーズは語ります。最初の作品は、当時ヴォーグ・パリの編集長だったカリーヌ・ロワトフェルドのリクエストでジグザグを立体的に表現した「カーニヴォール」コレクション。その後も家具や建築を着想源に、彼女のコレクションはメタル、ミニマル、インダストリアル、ガラス、グラフィックなどのキーワードと共に発展して行きます。

そんなアネリーズの最新ニュースは、ヘアアクセサリーのローンチグ。「ある時期、新しいヘアカットが気に入らなくて、ヘアバンドでずっとヘアをまとめていたの。だったら自分のコレクションのベストセラーで、ヘアアクササリーを作ろうと」。そして定番ジュエリーにこの新ラインを加え、彼女がこの3月に踏み切ったのは、ポップアップストアのオープンでした。内装の演出は、エルメスのシューズ・インスタレーションなどでファッションとの関連も深いアーティスト、マチアス・キッス(Mathias Kiss)。場所は北マレ、不動産会社が若いアーティストを支援する、ヴェールボワ通りです。また彼女は最近では、長年の夢だったスカルプチャーの制作にも乗り出しました。素材は南イタリア・プーリア産の貝やら鮫の歯などの化石を含んだ石。来たる4月にはミラノのサローネでウォールペーパー誌のプロジェクト「ハンドメイド」に参加して、ローテーブルを作る予定だとか。サローネに関しては、4月にダイジェスト版をお届けする予定です。お楽しみに。

text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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