ファッション、アート、音楽…と分野クロスオーバーで自己表現するユニット、Ensæmbleによるパフォーマンスは、ファッション・イン・ヘルシンキの一環として開かれた。Photo: Mikko Raskinen / Aalto University
ゲストとしてトークショーで語っているのは、今回アールト大学ファッション部門卒業制作の審査員長も務めたマルニのアーティスティック・ディレクター、フランチェスコ・リッソ(右)。会場のアモス・レックス美術館は、コンフェレンスルームもレトロなデザイン。Photo : Mikko Raskinen / Aalto University
アールト大学ファッション部門の卒業審査で際立った、受賞者たちのルック。右・Ines Kallailaによるメンズ作品は、再優秀に値するナウトス19賞の栄誉を。左・Elina Heilanenを始め4人から成るグループに贈られたのは、マリメッコ賞。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーでのトップバッターは、このAmina Saada。建築的なシルエットとフェミニンなディテールが、微妙なバランス感で仕上がった。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーより。Amanda Ripattiの作品はトレンチコートとワークウエアを解体、融合させた、複雑ながら完成されたシルエット。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーでは、すぐにでも市場で勝負できそうな作品も。右:パステルトーンでスイートな中にもちょっと奇妙なアクセントを効かせたのは、Iiris-Kamari。左:Reea Winterはアシメトリーなジャージィ・ドレスの一連を。
右・アールト大学ファッション部門の卒業ショー、バックステージより。右・Anna Isoniemiはカラフル&グリッター。左・Heidi-Karjalainenはヴィヴィッドな単色で、流れるようなラインのモダンなドレスを提案。
アールト大学ファッション部門の顔、講師のトゥオマス・ライティネン(右から2番目)。右端はコムデギャルソンのコレクターだという彼の母、左端は姉。彼の左は現地のスタイリスト、Minttu Vesala。Photo: Minako Norimatsu
ファッション、アート、音楽…と分野クロスオーバーで自己表現するユニット、Ensæmbleによるパフォーマンスは、ファッション・イン・ヘルシンキの一環として開かれた。Photo: Mikko Raskinen / Aalto University
ゲストとしてトークショーで語っているのは、今回アールト大学ファッション部門卒業制作の審査員長も務めたマルニのアーティスティック・ディレクター、フランチェスコ・リッソ(右)。会場のアモス・レックス美術館は、コンフェレンスルームもレトロなデザイン。Photo : Mikko Raskinen / Aalto University
アールト大学ファッション部門の卒業審査で際立った、受賞者たちのルック。右・Ines Kallailaによるメンズ作品は、再優秀に値するナウトス19賞の栄誉を。左・Elina Heilanenを始め4人から成るグループに贈られたのは、マリメッコ賞。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーでのトップバッターは、このAmina Saada。建築的なシルエットとフェミニンなディテールが、微妙なバランス感で仕上がった。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーより。Amanda Ripattiの作品はトレンチコートとワークウエアを解体、融合させた、複雑ながら完成されたシルエット。
アールト大学ファッション部門の卒業ショーでは、すぐにでも市場で勝負できそうな作品も。右:パステルトーンでスイートな中にもちょっと奇妙なアクセントを効かせたのは、Iiris-Kamari。左:Reea Winterはアシメトリーなジャージィ・ドレスの一連を。
右・アールト大学ファッション部門の卒業ショー、バックステージより。右・Anna Isoniemiはカラフル&グリッター。左・Heidi-Karjalainenはヴィヴィッドな単色で、流れるようなラインのモダンなドレスを提案。
アールト大学ファッション部門の顔、講師のトゥオマス・ライティネン(右から2番目)。右端はコムデギャルソンのコレクターだという彼の母、左端は姉。彼の左は現地のスタイリスト、Minttu Vesala。Photo: Minako Norimatsu
最近若い才能の発信地として注目される、ヘルシンキ。フィンランドのファッションと言うとまず思い浮かぶのはマリメッコですが、この国のクリエイティブ・パワーは、実はもっとエッジーです。その筆頭が、トゥオマス・メリコスキ。ちなみに彼が自身のブランドをアールト と名付けたのは、フィンランド語で“波”を意味するからだとか。
ところで通にとっては、アールトと言えばアールト大学(Aalto University )美術・デザイン・建築学部のこと。フェスティバル・ディエールでも毎年この学校の卒業生が、ファイナリストのリストに名を連ねます。例えば、今では自身のメンズのブランドを始めている、16年ノミネートのロルフ・エクロス (Rolf Ekroth)。同じ年に日本から参加の黒沢秋乃も、実はアールトに学んだとか。そして5月10日の記事 で公開したように、今年はミリア・リンティラが賞を獲得。ビジネス・オブ・ファッションで世界のベスト・ファッション・スクールにも選ばれているこの学校の底力は、講師トゥオマス・ライティネン(Tuomas Laitinen )のヴィジョンにあると言えるでしょう。SSAW 誌のファウンダーでもあり、ラフ・シモンズやバレンシアガを着こなし、自らスタイリングを手がける彼は、先生と言うより、若手を牽引するアートディレクター的な存在なのです。
さて5月末にはこの街で、トークショーやプレゼンテーションなどのイベントから成るファッション・イン・ヘルシンキ(Fashion in Helsinki )が開かれました。最終日の夜を飾ったのは、アールト大学ファッション部門の卒業ショー。グランジからアーティ、ポップまでスタイルは様々ですが、いずれもシルエットの構築力と素材の探求力はかなりのハイレベル。客席にはパリからのヘッドハンターたちも顔を見せ、この学校の注目度を物語っていました。“アントワープの6人”のように、ヘルシンキからアップカミング・デザイナーの“波”が押し寄せる日も、遠くないかもしれません。
Text: Minako Norimatsu