メティエダール賞とイエール市民賞をダブルで獲得したRóisín Pierce。右:ショールームにて、ロイシーン。Photo : Minako Norimatsu 左:ランウェイショーから彼女の代表作、クロシェ・トップ。Photo © Etienne Tordoir
グランプリは、Christoph Rumphのメンズに。右:サメの歯やシャンデリアのパーツなどを使ったジュエリーも、全て手作り。左:ショーを控え、ジャーナリストたちの前でのプレゼンテーション。右が25歳のクリストフ。共にPhoto : Minako Norimatsu
右:授賞式にて、審査員特別賞に輝いた日本人トリオ。手前が穴澤洋太、後ろが土居哲也、その右に顔だけ見えるのが戸田麻奈美。Photo : Minako Norimatsu. 左:ランウェイショーで披露された、トリオによる作品から“ボロ”ルック。Photo © Etienne Tordoir
クロエ賞は、スイスのTina Schwizgebel-Wangに。右・バックステージにて、感極まったティナ。モデルのLuz Sanchezと。Photo : Minako Norimatsu 左・ランウェイで紹介された、ティナのルック。Photo © Etienne Tordoir
フィンランドのニット・デザイナーMilla Lintiläは惜しくも賞は逃したものの、パリの百貨店、ギャラリー・ラファイエットで来年カプセル・コレクションを発表できるチャンスを掴んだ。右:ショールームのブースにて、ミリア。Photo : Minako Norimatsu 左:ランウェイで紹介された、ミリアのルック。Photo © Etienne Tordoir
ショーは金、土、日と連日、イエールの街はずれ、塩田地帯の倉庫にて。毎年最終日のショーの後には受賞者の発表と授賞式が開かれ、フェスティバルは幕を閉じる。Photo : Minako Norimatsu
南アフリカ共和国出身の若手Alice Manは、バトントワラーたちをカメラに収めた作品の一連で、写真部門グランプリを獲得。彼女には、今後Wallpaper誌でファッションストーリーを撮る機会が与えられる。photo: Minako Norimatsu 展示作品 © Alice Man
会場のヴィラノアイユでは、ポップアップストアも必見。右:昨年のアクセサリー部門ファイナリストの一人、Ines Bressandによる籠バッグ。左:ボターxプチバトーのTシャツとキャップ。Photo : 共にMinako Norimatsu
ヴィラノアイユでは、フェスティバル中に幾つかの展覧会が幕を開ける。それぞれのパンフレットも優れもの。左:クレイグ・マクディーン展からケイト・モスのポートレイト、上:Elise Djo-Bourgeois展、下:ボター展、右:シャルロット・シェネ展。Photo : Minako Norimatsu
ヴィラノアイユの元々のオーナー、20世紀前半にシックなアートメセナとして知られたノアイユ夫妻にファブリックを提供したテキスタイルデザイナー、Elise Djo-Bourgeois の展覧会より。〜6月19日。Photo : Minako Norimatsu
イエールの街と対岸にあるポルクロル島は、実は1965年にジャンリュック・ゴダールがヌーヴェルヴァーグを代表する映画「気狂いピエロ」を撮った場所。ヴィラノアイユのホールでは、Alain Noguèsによるロケのスチール写真を展示。Photo @Luc Bertrand
〜5月26日。
ナターシャ・ラムゼイ・レヴィによるクロエ展は、すだれ状に薄いファブリックにプリントされた過去のキャンペーン・ビジュアルと、ナターシャによる代表作で構成。ヴィラノアイユにて、5月26日まで。Photo : Minako Norimatsu
今回写真部門の審査委員長を務めた大御所ファッション・フォトグラファー、クレイグ・マクディーンは、代表作をヴィラノアイユにて展示。〜5月26日。Photo : Minako Norimatsu
前年のグランプリ受賞者であるBotterの二人、Lisi HerrebrughとRushemy Botterも、ヴィラノアイユにて最新作をインスタレーション。〜5月26日。Photo : Minako Norimatsu
右:各会場では至る所に、フェスティバル公認のフロリスト、Debeaulieu(ドゥボーリュー)による花が。左:場外イベントとして、旧市街の名所Lavoirでは、5月26日までセルフサービス誌25周年記念展が。会場すぐ上、過去の表紙が展示されている広場でドゥボーリューのPierre Banchereau に遭遇。共にPhoto : Minako Norimatsu
右:今回アクセサリー部門の審査委員長を務めたシャルロット・シェネの展覧会は、彼女のジュエリーを拡大したかのようなスカルプチャー数点。ヴィラノアイユにて、5月26日まで。左:フェスティヴァルの合間に行ったポルクロル島の美術館、カルミニャック財団にて、シャルロットをキャッチ。共にPhoto : Minako Norimatsu
メティエダール賞とイエール市民賞をダブルで獲得したRóisín Pierce。右:ショールームにて、ロイシーン。Photo : Minako Norimatsu 左:ランウェイショーから彼女の代表作、クロシェ・トップ。Photo © Etienne Tordoir
グランプリは、Christoph Rumphのメンズに。右:サメの歯やシャンデリアのパーツなどを使ったジュエリーも、全て手作り。左:ショーを控え、ジャーナリストたちの前でのプレゼンテーション。右が25歳のクリストフ。共にPhoto : Minako Norimatsu
右:授賞式にて、審査員特別賞に輝いた日本人トリオ。手前が穴澤洋太、後ろが土居哲也、その右に顔だけ見えるのが戸田麻奈美。Photo : Minako Norimatsu. 左:ランウェイショーで披露された、トリオによる作品から“ボロ”ルック。Photo © Etienne Tordoir
クロエ賞は、スイスのTina Schwizgebel-Wangに。右・バックステージにて、感極まったティナ。モデルのLuz Sanchezと。Photo : Minako Norimatsu 左・ランウェイで紹介された、ティナのルック。Photo © Etienne Tordoir
フィンランドのニット・デザイナーMilla Lintiläは惜しくも賞は逃したものの、パリの百貨店、ギャラリー・ラファイエットで来年カプセル・コレクションを発表できるチャンスを掴んだ。右:ショールームのブースにて、ミリア。Photo : Minako Norimatsu 左:ランウェイで紹介された、ミリアのルック。Photo © Etienne Tordoir
ショーは金、土、日と連日、イエールの街はずれ、塩田地帯の倉庫にて。毎年最終日のショーの後には受賞者の発表と授賞式が開かれ、フェスティバルは幕を閉じる。Photo : Minako Norimatsu
南アフリカ共和国出身の若手Alice Manは、バトントワラーたちをカメラに収めた作品の一連で、写真部門グランプリを獲得。彼女には、今後Wallpaper誌でファッションストーリーを撮る機会が与えられる。photo: Minako Norimatsu 展示作品 © Alice Man
会場のヴィラノアイユでは、ポップアップストアも必見。右:昨年のアクセサリー部門ファイナリストの一人、Ines Bressandによる籠バッグ。左:ボターxプチバトーのTシャツとキャップ。Photo : 共にMinako Norimatsu
ヴィラノアイユでは、フェスティバル中に幾つかの展覧会が幕を開ける。それぞれのパンフレットも優れもの。左:クレイグ・マクディーン展からケイト・モスのポートレイト、上:Elise Djo-Bourgeois展、下:ボター展、右:シャルロット・シェネ展。Photo : Minako Norimatsu
ヴィラノアイユの元々のオーナー、20世紀前半にシックなアートメセナとして知られたノアイユ夫妻にファブリックを提供したテキスタイルデザイナー、Elise Djo-Bourgeois の展覧会より。〜6月19日。Photo : Minako Norimatsu
イエールの街と対岸にあるポルクロル島は、実は1965年にジャンリュック・ゴダールがヌーヴェルヴァーグを代表する映画「気狂いピエロ」を撮った場所。ヴィラノアイユのホールでは、Alain Noguèsによるロケのスチール写真を展示。Photo @Luc Bertrand
〜5月26日。
ナターシャ・ラムゼイ・レヴィによるクロエ展は、すだれ状に薄いファブリックにプリントされた過去のキャンペーン・ビジュアルと、ナターシャによる代表作で構成。ヴィラノアイユにて、5月26日まで。Photo : Minako Norimatsu
今回写真部門の審査委員長を務めた大御所ファッション・フォトグラファー、クレイグ・マクディーンは、代表作をヴィラノアイユにて展示。〜5月26日。Photo : Minako Norimatsu
前年のグランプリ受賞者であるBotterの二人、Lisi HerrebrughとRushemy Botterも、ヴィラノアイユにて最新作をインスタレーション。〜5月26日。Photo : Minako Norimatsu
右:各会場では至る所に、フェスティバル公認のフロリスト、Debeaulieu(ドゥボーリュー)による花が。左:場外イベントとして、旧市街の名所Lavoirでは、5月26日までセルフサービス誌25周年記念展が。会場すぐ上、過去の表紙が展示されている広場でドゥボーリューのPierre Banchereau に遭遇。共にPhoto : Minako Norimatsu
右:今回アクセサリー部門の審査委員長を務めたシャルロット・シェネの展覧会は、彼女のジュエリーを拡大したかのようなスカルプチャー数点。ヴィラノアイユにて、5月26日まで。左:フェスティヴァルの合間に行ったポルクロル島の美術館、カルミニャック財団にて、シャルロットをキャッチ。共にPhoto : Minako Norimatsu
今年も4月末、4日間に渡って「モードと写真のイエール国際フェスティバル (International Festival of Fashion, Photography and Fashion Accessories)」が開かれました。2018年5月4日の投稿 でもお伝えしたように、メイン会場はロベール・マレ=ステヴァンス(Robert Mallet-Stevens )がデザインしたモダニスト建築の珠玉、ヴィラ・ノアイユ。モード、アクセサリー、写真の3部門に渡り、各10人のファイナリスト達がコンクールの最終選考にのぞみ、会場では幾つかの展覧会も幕をあけました。 まず、モード部門のプルミエール・ヴィジョン・グランプリは、オーストリアのクリストフ・ルンフ に(プルミエール・ヴィジョンはフェスティヴァルのスポンサーの一つである、生地の見本市)。土台になったのは、“ジャングルで育ち、大人になってから実は自分がプリンスだったと悟る”という自作のおとぎ話だとか。ウイーンのフリーマーケットで見つけたペルシャ絨毯やカーテンをアップサイクリングして仕立てた構築的なメンズウエアが、審査員達に高く評価されました。一方イエール市民賞に輝いたのは、ダブリンでテキスタイル・デザインを学んだロイシーン・パース 。Women in Bloom と題してクロシェ、ギャザー、スモッキングなど19世紀のランジェリーに使われた手仕事を駆使したコレクションは、すべて白のコットンで。彼女がメゾン ミッシェル の支援で作った“アイスクリーム・ハット”は、今年から始まったシャネルの支援によるメティエダール賞も受賞しました。
そして審査員特別賞の栄誉を得たのは、日本人!デザイナーの土居哲也、パタンナーの戸田麻奈美と穴澤洋太の3人組です。彼らは東京モード学園で出会い、卒業後にリコール(Re:quaL )なる実験的なブランドをスタート。1年半前より、若手デザイナーを扱う渋谷のセレクトショップR for Dでも一点ものを中心に、作品を販売しています。ユーモアたっぷりのプレゼンテーションで紹介されたコレクションのインスピレーションは、パチものマーケット、トランスフォーム、そして多様性。カスタマイズしたブランドの偽造品バッグは帽子に、ケープはジャケットとしても着用可、そして超オーバーサイズのアウターは“二人羽織”と、ひねったアイテムを重ねたシルエットは想像力の豊かさを示唆します。特に、「ここのがっこう」で学んだ土居氏は、「他者に向き合うのは自分に向き合うこととも言える、ファッション・デザインの本質。それをこれからもずっとやっていきたい。そして自分らしさをもっと服に投影したい」と、意欲的です。 また連日のショーでの話題は、この春にはニナ・リッチのアーティスティック・ディレクターとしてデビューを果たした昨年のグランプリ受賞者、ボター の最新作。スポーティとテーラードをいい塩梅でクロスオーバーさせたメンズルックの数々は、刺繍や羽細工、プリーツ加工、ジュエリーなどシャネル傘下のメティエダール各メゾンの支援により実現しました。ちなみに彼らは6月のメンズファッション・ウイークにパリでソロのショールーム(おそらくプレゼンテーションも)を発表後、来年1月には初めてのショーを開く予定だとか。イエールでは、受賞者のその先も目が話せません。
Villa Noaille Montée Noailles 83400 Hyères 〜6月は開13 時〜18時(金曜15時〜20時)休 月、火、祝日 7〜9月は開14 時〜19時(金曜15時〜21時)休 火、祝日
text: Minako Norimatsu