公共交通機関を中心とした1か月以上に渡るストがやっとおさまり、久々に平穏を取り戻しつつあるパリ。移動手段を心配することなく、新アドレスのチェックに、いざ!
まずはアルチューロ・アリタでカラフルで大胆なアレンジメントの花束を買って、パリ滞在に彩りを。フロリストではなく“フラワー・ギャラリー”と呼ばれる店内には珍しい花や大ぶりの葉が並び、まるで植物園と言った雰囲気。ルネッサンスやアール・デコを愛するアルチューロが選ぶ花器もユニークです。
そしてオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのマレ店へ。クラシックなパッケージ、ナチュラルなビューティ・プロダクツのビュリーはもう日本でもお馴染みですが、マレ店だけで体験できるのは、併設のコントワール・デ・セルヴィス。ショップ奥のドアの向こう、別館で提案されるラッピング・サービスです(10€〜)。包装紙やリボンを豊富な品揃えから選べるほか、紙にイニシャルのエンボス加工、カリグラファーによるイニシャルやメッセージの手書きも可能(5€〜)。またビュリーからもう一つのニュースは、日本人施術師を迎えてのマッサージ・キャビンのオープンです。青さんによる整体と指圧をミックスした魔法の施術は、長旅の疲れに効果てきめん!天井を覆うポプリが放つ野原の香り、スティーヴ・ライヒの現代音楽というBGMのチョイスも、ビュリーならでは。
食ではゴージャスに、新装オープンした老舗ガストロノミック・レストラン、ドゥルアンへ。ここは1914年以降ゴンクール賞(日本で言う芥川賞)の本拠地で、文人たちが出入りするだけでなく、授賞式の会場としてパリジャンにはお馴染みの名前です。改装にあたったのは、ライフスタイル誌「ホリデイ」のファウンダーで、モードのブランドの広告も多く手がけるアートディレクターのフランク・デュランと、最近注目株の建築家、ファブリツィオ・カシラギ。モザイクの床、シーフードのレリーフ模様がある天井、ピエール・フレイの黄色のファブリックを使った椅子が、元来のアールデコ・スタイルとモダンなタッチの見事なバランスを象徴しています。上階には4室の個室があり、歴史ものの本を飾った書架や、アーティストによる壁画など、それぞれ内装が異なります。肝心のテーブルでは、元110 ドゥ・タイユヴァンのシェフ、エミール・コットによる正統派フランス料理を楽しんで。ストやデモはあれど、やっぱりパリは良いところ!
Text: Minako Norimatsu