『キャロル』（’15）で品格あふれるマダムを演じたケイト・ブランシェット。1952年のNYを舞台とした、クラシカルな装いに着目したい。ボリュームのあるファーコート、ブルーグレーのドレス、レザーグローブなどとことんシックなアイテムでまとめたスタイル。そこにスカーフやシャツ、時にはハットで赤を差していたのが印象的。憂いを帯びた女性像に、ひとさじのミステリアスなムードを加えていた。年齢を重ねた女性が持つ知性と経験。それらを揺るぎない土台とした、極上のエレガンスに憧れずにはいられない。
ケイト・ブランシェット
1969年、メルボルン生まれ。舞台女優としてキャリアを始め、『Police Rescue』（’94）で映画デビュー。映画『ブルージャスミン』（’13）でゴールデングローブ賞主演女優賞（ドラマ部門）とアカデミー主演女優賞を獲得した。
1 セリーヌのジャケット
コンパクトなシルエットと金ボタンによる、B.C.B.G.なムードが気分。
2 サンローランのバッグ
ミニマルなパテントレザーをメタルのクロージャーが彩る。ソリッドな佇まいが、装いの辛口なアクセントに。
3 ダウェイのドレス
優しい肌ざわりのウールドレス。ウエスト部分の切り替えの仕様が、デザインとして機能しながら美しいシルエットを作り上げている。
4 ジャミレイのブローチ
コンテンポラリーアートを想起させる抽象的なシェイプが印象的。
5 マックスマーラのコート
アルパカ混の毛足の長いマテリアルで、ヴィンテージ調のＡラインコートに仕立てた。
6 ジョルジオ アルマーニのグローブ
しなやかなラムレザーのロンググローブ。ライニングにはシルクを採用し、心地よい着用感を実現。
7 マニプリのスカーフ
艶やかなシルク素材に、日本の職人が手捺染した。コスモス、ダリア、クリスマスローズなど、秋と冬の花が緻密な筆致で描かれている。
8 ロジェ ヴィヴィエのパンプス
アイコニックな「ベル ヴィヴィエ」の新作。ラッカードバックルやスクエアトゥがレトロな趣。
