草間彌生に会いに、松本弾丸トリップ!

以前ここでも書いた福岡弾丸一人旅のように、突然思い立ってその情熱のままに出発!という旅が結構好きです。先日は、平日の夜にこのSPUR.JP上で紹介されていた松本市美術館で開催中の『草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて』展の記事を読んでいたら、見たくてたまらなくなり「今週末いけるのでは!?」と急に思い立ってしまい、その数日後の土曜日の夕方には特急あずさに飛び乗って松本を目指していました。20時過ぎに松本駅に到着して、美味しい洋食を食べたのち、松本で一度は泊まってみたかった松本ホテル花月へ。松本民芸家具やステンドグラスを使ったインテリアが素敵なホテルは期待以上のかわいさと快適さで、うっとり満足しつつバタンキュー。翌日の美術館に備えます(即寝のため写真なし……)。

翌日は、開館時間の9時に合わせて美術館へ。結論から言いますと、みなさん行ったほうがいい! 展覧会は空いている、とはもちろん言えない盛況ぶりですが、同じ規模の展覧会が東京で開催されたらものすごい行列と人込みにへとへとになりそうなところ、空間が広いこともあり、松本では作品ひとつひとつに向き合えるゆとりがあります。そして、草間彌生さんの子供のころ描いた貴重な作品や、ミラールーム作品、最新作の「わが永遠の魂」シリーズ、もちろんかぼちゃも、と彼女自身の創作人生がまるごとそこにあるような展示は、まさに「ALL ABOUT MY LOVE」というタイトルの通り愛にあふれていて、胸打たれます。

また、ここで必ずおさえておきたいのが、音声ガイド。ただのガイドと侮るなかれ。草間さんご本人による詩の朗読や歌が流れるこのガイドは、作品を鑑賞しながら聴いていると彼女の切実にして魂を削り出すような創作への衝動がダイレクトに響いてきます。じっくり見つめれば見つめるほど、彼女の描く「永遠」へと意識が吸い込まれていくような不思議な感覚に包まれ、とても贅沢な時間でした。

そして2時間ほど美術館で作品を堪能した後は、鰻の名店まつかでランチ。開店前に売り切れることもあるほど人気、というネット情報を読んで「一体どういうこと!?」と焦って開店前にお店に行きましたが、本当に滑り込みセーフ。開店時間より前にどんどんお店にお客さんを入れていって、その日用意できる鰻の数に達したらそこで終了、というシステムなのでした(もしかしたら日曜日で混んでいたからかもしれませんが)。食べたらその人気の理由は納得です。外はかりかり中はふわっふわの鰻は人生で三本の指に入るほどうまい! このためだけに松本に来る価値あります。というわけでお腹もたっぷり満たしたら、夕方には東京で用事があったので、お昼過ぎにまた特急あずさに飛び乗って、いつもの東京の日曜日の午後に何食わぬ顔で合流したのでした。もう少し時間があったら民芸巡りなどもしたかったのですが、今回の目的は草間彌生展なので、その感動だけで十分満足。

地方の美術展は訪れるのがなかなか難しいことが多いのですが、今回えいやっと行ってみて、気が付いたのは自分の気持ちひとつなんだということ。行くか行かないかは自分の行きたい気持ち次第。それだけで幸せな出会いの可能性がちょっと広がります。3月から始まったこの展覧会も7月22日まで(特別展示は終わってしまいましたが)。少しでも気になっていた方やこの記事で興味を持ってくださった方は、軽い気持ちで松本トリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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エディターTOTOKI

ファッションと占い担当。おしゃれは我慢、ができないので、着心地重視。休みの日は、大体インテリアのことを考えています。

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