「人類にとって『推し』とは何なのか」を横川良明さんの本で考える

個人的な印象ですが、雑誌編集という仕事に就く人はミーハーというか、割とすぐ「わー!好き!推すー!」となりがちな人が多い気がしています。それはファッションしかり、映画や本しかり、俳優やアイドルしかり。編集部でも、仕事を抜きにしてさまざまな趣味にいそしんでいる人が多く、話を聞くのがおもしろいです。

かく言う私も昔よりさまざまな沼にドボンドボンと落ちてきました。アーティスト、劇団、俳優、特撮、最近ではまさかのアイドルグループにもハマり、おしゃれなメンカラ(メンバーカラー)グッズやら、お揃いのピアスってどこで買えるのかしら……などと検索する日々。

昨年、私たちの生活は思わぬ方向に急カーブを切りました。終わりの見えない状況の中で、自分を支えてくれたのは「推し(好きで、応援したい人)」であったなあと今では大きな声で言えます。そんなことについて、ライターの横川良明さんがこのたび発売された著書「人類にとって『推し』とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気を出して考えてみた」を読んで改めて実感しているところです。ちょっとだけでも「私これが好き」と思うことがある方にはぜひ読んでいただきたい!

 

ご本人曰く「イケメン俳優オタク」である横川さん(編集部でもハマる人続出だったドラマチェリまほに関してとても素敵なインタビューを書かれていました)、帯にも書いている「推しがいる人生のすばらしさ」に関してはもちろんしみじみ共感しているのですが、「なぜオタクは現場に行くのか」とか、「顔が好みじゃない推しの脅威」とか「クリアファイルの数でわかるオタク度指数」とか、見出しがとにかく「えっ私?私が書いてた?」ってぐらい「わかりみが深い。というかもうわかりみが深くて見えん……」。爆笑しながらもほっこりして、「うん私これからも推してくね」と謎の決意を固めました。人だけではなく、服や映画やゲームやご飯とか。「これが好き!!」っていうときめきや情熱って、確実に2021年を生き抜く力になるんじゃないかなって個人的には思っています。

保存

ちなみに著書の中で横川さんも書いているのですが、大人になってから「推し」繋がりでできた友人は本当にいいなあと思っています。昔、保護者会の自己紹介で「好きなもの」というテーマで、元気よくある人の名前を挙げたらシーン……となりああ大失敗、ドンずべりだわ!と思っていたら後日あるお母さんにこっそりと「私も好きです」と言われて連絡を取り合うようになり、今でも歌番組の感想や「新しい髪型超いい〜!」などとやりとりしています。現在ズブズブに浸かっておりますあるグループの沼に私を誘った友人たちは、放映予定のリマインドなどをほぼ毎日送ってくれますし、撮り逃した番組のDVDはすぐ焼いてくれる。先日の誕生日には私の推しのメンカラ(メンバーカラー)のとっても素敵なフラワーアレンジメントを贈ってくれました。「ぜったい紫、濃い紫しか入れないでください」とオーダーしてくれたそうです(笑)。いつもありがとう、いろんな友人たち!

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エディターOKUDA

ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。