「はじめまして」の顔になる、私の相棒名刺入れ

「名刺入れは、仕事をする上であなたの顔になるんだよ」。

新社会人になるにあたり、名刺ケースを探していた時に母にかけられた言葉です。新人である私が名刺入れを手に入れるにあたり自分に課した命題はふたつ。「主張しすぎないシンプルなデザインのもの」、「それでもほんのちょっぴり個性をアピールできるもの」。これが、意外と無くて大変でした。インターネットの海を夜な夜な航海してもどうもグッとくるものがなく(というか、グッとくるものはやはりお高かった)、こんな時はとお決まりの新宿伊勢丹本店へ。百貨店内を数時間ぐるりぐるりと回遊し、遂に出合ったのがラルコバレーノの名刺入れでした。

洗練された造形と質感が美しい。税込18,700円
洗練された造形と質感が美しい。税込18,700円

この名刺入れを購入した決め手は、そのさり気なさ。ケース表面にはロゴや装飾が全く施されておらず、内側を開けるとうっすらとブランド名が捺印されているだけです。先日とある展示会に出席したときに、とても上質なコートを着させていただく機会がありました。そのコートについてプレスの方がおっしゃっていた言葉が、忘れられません。「このコートは、ロゴがなくても素材でブランドを語るんですーー」。ブランド名無くしてブランドの品位を語る佇まいに心惹かれたのは、この名刺入れも同じ。MADE IN ITALYを信条に制作された一品は、イタリアの選び抜かれた革素材を職人技で丁寧に仕上げているそうです。肌理の細かいゴートレザーは、薄くて軽い使い心地ながら傷や汚れがつきにくいのもうれしいポイント。オフホワイトで外側と変化をつけた中面も、薄汚れた印象にならないから不思議です。そして、この表面と中面の配色の妙こそ、先に挙げた命題でいうの部分。ミニマムだけれど大人な遊び心も忘れない色遣いが秀逸。

上品な2色遣いにちらりと個性を忍ばせて。
上品な2色遣いにちらりと個性を忍ばせて。
左右に二つずつカードホルダーがついています。
左右に二つずつカードホルダーがついています。

見た目の魅力もさることながら、使用して感動するのは機能面での素晴らしさ。ポケットが左右別形態で2つずつしつらえてあり、いただいた名刺を自分なりに整理することができます。何よりラウンドカットされた右側のポケットが有能で、複数人と同時にご挨拶する場面では、いただいた名刺をここにさっとキープしています。「デザイン」とは、容姿の美しさだけでなく、機能的にも美しくなければならない、そんな作り手の思いすら感じる意匠です。

コロナ禍でオンラインが増えたからこそ、ご挨拶をするのは貴重な機会(お名前をお聞きし、「あ!あのメールでやり取りしていた○○さん!」なんてことも多々)。そんな大切な「はじめまして」の場面で、わたしの第二の顔となって活躍してくれる、相棒アイテムです!

エディターSASAYAMAプロフィール画像
エディターSASAYAMA

周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。

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