年末駆け込みベストバイは【エフェリス】の皿!

2022年のベストバイ企画がSNSを賑わせている昨今、自分にとってはなんだろう?と考えてみました。とはいえ、購入したものはほぼ全て、こちらのコラムでご紹介済み。洋服でいえば、やっぱりノワール ケイ ニノミヤのジャケットでしょうか。どうしよう、今年最後の担当スモール・グッド・シングスのネタがないな~とぼんやり歩いていたクリスマス・イブ。松陰神社にある大好きな雑貨店「This」で、エフェリスの個展が最終日を迎えていました。

ephelisのパッケージ
シーリングスタンプ付きの布で包むパッケージ。少し不恰好なフォルムの美学はこんなところにも表れています。

ロンドンでファッションを学び、ラフ・シモンズ時代のディオールでクチュールを担当していたという香港ベースの陶芸家、クウィーニー・チャンが手がける「ephelis(エフェリス)」。数年前にフリーランスPRの方から教えてもらい、その作風に心惹かれたのを覚えています。女性の肉体に着想を得たような曲線が美しい花器や、アルファベットの取手が特徴的なマグなど、柔らかさと研ぎ澄まされたセンスが同居した世界観に独自の美学を感じました。作家のキャリアとセンスがしっかりと形になっているのが分かり、唯一無二の魅力があるなあと心に留めていましたが、なかなか手にいれるチャンスがないまま時が過ぎ……。という状況だったのです。

ephelisの皿

これはもう、神のお導き!と思いまして、自分へのクリスマスプレゼントに、「Elipse(楕円)」と名付けられたプレートを購入。白い釉薬も楕円の形も一つとして同じものはなく、微妙な違いで一番気に入ったものを選びました。柔らかいベージュとホワイトの組み合わせは優しくて、部屋に飾っては癒されています。

エフェリスの皿

ブランド名はギリシャ語で「そばかす」を意味するそう。デザイナー自身の顔にたくさんそばかすがあって、ある文化では美しくないとされるそれが、違う文化ではチャーミングと褒められた経験を経て、世間一般の美に疑問を感じるようになったことが出発点だとか。私自身は昔からホクロが多く、学生時代は鏡を見るたびに嫌だな〜と思ったこともあるのですが、母親から「それがあなたのチャームポイント!」と育てられたこともあり、コンプレックスこそ個性!と自己肯定感高めに生きています笑。

コンセプトも、作家の背景も、出来上がった作品も、全てが好き。そんな一品が、今年を締めくくる私のベストバイになりました。

エディターKINUGASAプロフィール画像
エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

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