トリニティリングはただの憧れだけじゃない!
当初は憧れの逸品をついに身につけられる喜びでいっぱいで、仕事の場での自信を与えてくれる力も感じていましたが、5月22日を境にこのリングは憧れ以上の存在になりました。今思い出しても感動の涙が溢れてきそうなほどです。
5月22日に何があったのかといいますと、カルティエが2006年から取り組んでいる「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ(CWI)」の2025年度インパクトアワード授賞式が、大阪で開催されたのです。
2025インパクト アワード受賞者の9名
Sina Engin © Cartier 左からクレッセ・ウェズリングさん、クリスティン・カゲツさん、ナミタ・バンカさん(BANKA BIOLOO/インド)、ジャッキー・ステンソンさん、マリアム・トロスヤンさん(SAFE YOU/アルメニア)、イヴェット・イシムウェさん(IRIBA WATER GROUP/ルワンダ)、ケイトリン・ドルカートさん(FLARE/ケニア)、トレーシー・オルークさん(VIVID EDGE/アイルランド)、ラマ・ケヤリさん(LITTLE THINKING MINDS/ヨルダン)
すごく簡単に説明すると、社会課題に取り組む女性起業家を世界規模で支援するプロジェクトで、9つの地域と1つのテーマ別アワードが設けられています。各カテゴリーで受賞者になると、フェローとして経済的支援(助成金)、社会的支援(メディア露出やネットワーク構築の機会)、人的支援(ビジネススクールINSEADと提携したトレーニングなど)が受けられます。今回はフェローの中でも特に、社会や環境に具体的かつ永続的なインパクトを与えた9名の女性たちが表彰されました。
授賞式の日の午前中、彼女たちを囲んだラウンドテーブルに参加しまして、個性豊かなリーダーたちの生の声を聞き、メモする手が止まりませんでした。
例えば、2011年にフェローになったクレッセ・ウェズリングさんは英国でELVIS&KRESSEを立ち上げ、消防ホースや皮革廃棄物などの産業/商業廃棄物をリサイクルし、ラグジュアリーなグッズやアクセサリーとしてよみがえらせています。バーバリーとも協働しているそう。
「資本主義は失敗だった。これからの10年は再生的にしていく必要がある。ラグジュアリーとは奪うのではなく与えるもの」という発言通り、事業の50%は慈善団体に寄付しているそうです。「お金には興味がない、インパクトを作れる人のサポートがしたい」とも語っていました。
インドでバナナの繊維を使用した生分解性のある天然の生理用ナプキンを製造しているSAATHIの代表クリスティン・カゲツさんは2018年度のフェローで、NY出身でMITを卒業された方。「ビジネスの作り方は社会貢献でないといけない。怒りをパワーに変えて加速させたい」と優しくコメント。
特に面白かったのが、2014年度のフェローでESSMART GLOBALのジャッキー・ステンソンさん。工学専攻の学生時代、世界を旅する中で「大きなポテンシャルを持つ革新的なテクノロジーがあっても、それを最も必要としている低所得の地方住民まで行き渡らない」という事実を目の当たりにし、エンドユーザーまで行き渡る仕組みを構築。「学生時代、まさに映画『ミーン・ガールズ』(04)の主人公みたいに変人扱いだったけど、私はリスクが大事だと思っている。自分の価値を知り、仲間を探せば大丈夫」と教えてくれました。
彼女たちは、本当に優秀で、多くは学生時代にグローバルな経験を積み、その中で抱いた社会への違和感や問題意識をエネルギーに、ビジネスを始めています。育ちも頭脳も違い過ぎるけれど、女性であることで資金調達が困難なこともあるし、子育ての悩みと葛藤があることを吐露していて、共感する部分も多々。
ジャッキーさんはCWIについて「ほかのフェローと出会い、ジャンルは違えど互いにヘルプできる環境があり、エネルギーをくれるコミュニティだ」と感謝していました。
カルティエが支援している有機的なコミュニティの力を体感し、未来への活力が体の中にわいてきました。微力ながら、女性が活躍する土台をサポートしていきたいと強く思います。
大阪関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の中に、マハトマ・ガンジーの言葉がありました。
カルティエの歴史と伝統への憧れは変わりません。そのうえで、今現在のカルティエの歩みにとてもエンパワーされています。未来は今の私たちが何をするかにかかっている。
女性起業家のみなさん!
2026年度のアワードは6月24日まで受け付けています。日本からもフェローが登場することを祈っていますし、心の底から応援します!