お取り寄せ確定! 九州・糸島【奥添製パン】の滋味に、“パン観”が変わる

九州・糸島を訪れたとき「機会があったら、『奥添製パン』に行ってみてください」と、写真家の砺波周平さんからおすすめされました。福岡地下鉄空港線、筑前前原駅から徒歩7分。ここには東京への帰途に立ち寄るのにちょうどいい前原商店街もあります。

カントリーブレッドを中心としたシンプルなパンのお店

奥添製パン 店舗 糸島 カンパーニュ カントリーブレッド

到着したのは平日の朝。8:00オープンのお店には、表にまでいい匂いが漂っていました。タイル床に実用的な器具が並ぶ製パン所に、ステンレスのパン棚と支払いレジの小さな机があるだけのつくり。目に飛び込んできたのは、惚れ惚れするような焼き上がりのパンの姿でした! 

大きな塊のカントリーブレッドに、バゲットやチャパタなどなど。ヨーロッパ北部で昔から作られてきたサワードゥを中心に、下段には発酵中と思しき生地も見えます。ラインナップはこのひと棚分だけ。でもこれだけで充分、だって全種類食べてみたい! と思わせる「いい顔したパン」たちです。素っ気ないほどなのに、絶対においしいと思わせるこの説得力に満ちたビジュアル。

奥添製パン 店舗 糸島 カンパーニュ バゲット

右側にのぞいているのがバゲット¥450、左2本はレーズン&オーツ各¥800

パンには、それぞれの名前と原材料(産地)と解説が書かれています。ゴマをぎっしりとまぶして焼き上げたオートミール・ホールウィート(1斤¥1,200)には「素朴な味わいを持つ全粒粉にたっぷりオートミールをいれ、やさしいしっとりとしたら仕上がりに」と言うコメントが。ひとかかえもある大きさのカントリーマイルド(1斤¥2,500〜1/4¥625)の原材料は熊本の吉川農園の有機小麦粉、塩は天草塩の会のものと書かれていました。

顔も良ければ経歴もなんだか好ましい。丁寧に作られていることが伝わります。心赴くままに買い求めたら、袋がいっぱいになりました。カットや1/2などのサイズ別の販売もしてくれます。

噛むたびに、ほんのりとした酸味が奥行きのある滋味へと変化

奥添製パン 店舗 糸島 カンパーニュ バゲット

残りわずかのバゲット。食べ終わるのが惜しい!

博多から東京へ、バッグにほかほかのパンを詰めての道中、つまみ食いを止めるのには苦労しました。レーズン&オーツは短くなり、柔らかなフォカッチャは九州脱出前に1つなくなりました。ほかを我慢したのは「絶対にワインと食べたい」という一念から。自宅に帰って(大量に買ったので)冷凍して温め直し、大事に大事に食べました。すごくシンプルなのに、すごくおいしい。小麦と塩と発酵と焼成の、全部がちゃんとしている。大袈裟に言うと、パンの「本質」みたいなものを食べてるんじゃないかしら、と思うほどです。

サワードゥってどうしても「酸っぱくて固い」、そんな先入観も変わりました。というか、奥添製パンのサワードゥは、確かに酸味も固さも備えています。でも、わしわしと噛んでいるうち、口の中でふわっと滋味になっていく。欠くべからざる酸味と固さなのだと深く納得し、感心してしまいます。

もう一度食べたいな、できれば毎日食べたいな、と思っていたら、奥添製パンでは、月に一回の通販を行なっているそうです。毎月末の発送で、発送日の一週間前から受付開始。冷凍便で、スタンダードなパン数種類が届くのだそう。詳しくはインスタグラムで告知あり。10月の予約日に早速印をつけて、心待ちにしています。

今回紹介したスポットはこちら!
奥添製パン

奥添製パン

住所

福岡県糸島市前原中央1-5-43

電話番号

02-2247-1829

開館時間

水〜土曜 8:00~15:00(売り切れ次第終了)

休館日

日〜火曜

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エディターKUBOTA

幾星霜をこえて編集部に出戻ってまいりました。活字を読むこと、脂と塩気、2匹の保護猫、平和と雑談を愛します。

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