SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第12弾は俳優、歌手、アーティストなど、多様なジャンルでクリエイティブな才能を発揮するのんさんが登場。彼女が愛する10のファッションアイテムについて語った。
SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第12弾は俳優、歌手、アーティストなど、多様なジャンルでクリエイティブな才能を発揮するのんさんが登場。彼女が愛する10のファッションアイテムについて語った。
遊び心と夢のあるアイテムが、感性を刺激する
俳優として、表現者として、さまざまなボーダーを超えて活躍するのんさん。愛用のミシンを使って洋服作りを行い、2022年にはアップサイクルブランド『OUI OU(ウィ・ユー)』を立ち上げるなど、ファッションも彼女の大切な創作活動のひとつ。そんなのんさんに、プライベートで身につける服や小物の共通点を聞くと、「ちぐはぐな魅力があるもの、違うものがぶつかり合いながら絶妙に成立している洋服に惹かれるかもしれません」という答えが返ってきた。確かに、彼女の私物にはどれも、ふわふわ、もこもこといったファッションへのピュアな憧れと、意志のあるメッセージや強さなどの反骨精神が絶妙にミックスされている。「そうですね、どのアイテムにも“遊び”が一貫してある気がします。そして、ちょっと夢が詰まっている。身につけると、子どもの頃の純粋な気持ちに立ち返れる気がします」。ものに込められた作り手の感性と、のんさん自身の感性の交流が感じ取れるような、唯一無二のアイテムが揃った。
最新作の映画『私にふさわしいホテル』で、のんさんが演じる主人公は、小説家としてデビューした時の名前を不当に奪われながらも不屈の闘志で立ち上がり、奇想天外な方法で成功を掴み取っていく。ストーリーの中で“七変化”する衣装も見どころだ。「堤幸彦監督のこだわりで、私の衣装はスタイリスト・中村のんさんが担当してくださいました。主人公が着こなす’80年代テイストのファッションが本当に可愛いんです! ある時は芯の強い新人作家、またある時は別人として、文壇のパーティや高級クラブに変装して潜入するシーンもあります。それぞれの衣装に身を包むと、集中力が高まって、役にすっと入っていける。改めて服の力は偉大だなと感じました」。ファッションとの結びつきを、表現者ならではの視点で語るのんさんだが、一方で、根っからの服好きらしいキュートな素顔ものぞかせる。「外出して『今日の服、似合っているな』と思うとテンションが上がって、なんだか意識も冴えてきます。逆に『失敗した……』って思うと家に帰りたくなっちゃう(笑)。そう考えてみると、今回紹介した10のアイテムは、身につけると集中力を高めてくれる、愛する味方たちでもあります」。
俳優・アーティスト。音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動。主演映画『さかなのこ』で第46回日本アカデミー賞「優秀主演女優賞」を受賞。今年7月には「第16回 伊丹十三賞」を受賞、また主演映画『私にふさわしいホテル』が今年の12月27日に公開、 同じく主演を務めるDMM TVオリジナルドラマ「幸せカナコの殺し屋生活」も来年2月に配信がスタートする。2022年からアップサイクルブランド『OUI OU(ウィ・ユー)』を立ち上げ、プロデュースしている。