大胆な表現で描く自由奔放なフォルム。アンリ・マティスの切り紙絵に触発されて、しなやかに躍動する体に纏うのは、ユニークなシルエットを描く春の服。ダンスを愛し、親しむ4人のモデルとともにお届けする
ADAU
非対称が生み出すアートなアティチュード
光沢が美しいウールモヘアで仕立てたコートは、同素材のスカートとセットアップにして着る。スカートのウエストベルトをコートの身頃にまで巻きつけ、片腕だけ袖に通すことで生まれるアシンメトリーなニュアンス、ボディスーツと素肌が描くグラフィカルな表情がアーティスティックな装いへと導く。
見る者を魅了するファジーなシルエット
羽衣のようなオーガンザを何枚も重ねることで、ボディの輪郭が曖昧になって視覚を惑わすドレス。ベースとなるのはシンプルなタンクトップで、胸もとにはアイコンの三角形のロゴがあしらわれ、知性が漂うプレイフルな魅力に満ちている。艶めくサテンにのせた若草色のミュールがフレッシュなアクセントになる。
2004年生まれ、南スーダン出身。フォトグラファーにスカウトされたのを機にモデルデビュー。ダンスもスポーツも主だったキャリアはないが、持って生まれた伸びやかな長い手足で楽しみ、フォルムコンシャスなスタイルを見事に着こなす。
SUZI
結んで遊んで飛躍する体とともに
トップスの両肩や裾、パンツのウエスト。「結び目」をシックなデザインとして昇華させた、ジョナサン・アンダーソンならではの遊び心あるスタイルに身を包めば、自然と体が動き出す。いずれも柔らかなシルクジャージ素材のリラックスシルエットだから、どこまでも奔放にポジティブに舞うことがかなう。
高いウエスト位置からヒップを膨らませたパンツに対して、コンパクトに体にフィットするボディスーツ。メゾンのアイコニックな要素を洗練された解釈で詰め込んだスタイル。
1995年生まれ、オランダ出身。高校卒業後、シドニーのコスチュームショップで働いているところをスタイリストに見出される。5歳からクラシックバレエを習い、その後も習得したさまざまなダンスのスキルを存分に発揮してくれた。
Kanata Mori
オレンジ色の翼で、どこまでも飛んでゆけそう
空気をはらんで翼のように広がる、色鮮やかなオレンジ色のナイロンコートでジャンプ！ モスリンのトップスで軽やかに肌を透けさせつつ、ドローストリングのパンツはパフィなキルティングで、素材感のコントラストも楽しい着こなし。足もとはレザーのフリップフラップで、洒脱な抜け感をプラスして。
モノトーンだからこそ際立つ、グラフィカルなフォルム
たたみじわを思わせる装飾が印象的なシャツと、複雑なドレープによってドラマティックに布が揺れ動くキュロット。シックでありながらも挑戦的、アンビバレントな魅力が見る者を惹きつける。
1995年生まれ、千葉県出身。11歳でフィギュアスケートを始め、23歳で現役引退。その後俳優、モデルとしての活動をスタート。ロエベのキャンペーンや、映画、ドラマへの出演で注目を集めている。
Hina Yoshihara
肌の一部となった極上素材のドレスと戯れて
肌に吸いつくようなテクスチャーを持つ、極上のコットンカシミヤで仕立てたドレスが、躍動する体と一体になる。ジャケットでざっくりとウエストマークするというユニークなスタイリング、足もとにはエレガントなレザーのローファーを合わせて、モードな空気感を纏わせて。
真ん丸のバルーンシルエットを描くスカートがアイキャッチ！ 背中が大胆に開いたトップスと、鍛えられた肉体が相まった力強いフォルムはマティスの彫刻作品とも重なる。
埼玉県出身。幼い頃からダンスに親しみ、2017年サイモン・フラーによって結成されたグローバルポップユニットNow Unitedの日本代表メンバーに選出される。2024年からはアーティスト活動の場を世界から日本にも広げて活躍予定。
