Q.1 ファッションを愛するようになったきっかけは? A 実は、ファッションのことはよくわからないんです。私は長年医者として忙しくしていたので。服を着ることに楽しみを覚えたきっかけは、息子です。彼はアートを専攻していたので、中学生の頃から雑誌を買っていました。一緒に眺めているうちに、素敵なモデルたちが華やかな服を着た美しい写真に魅了されるようになりました。私の装いを見ていただければわかるように、ほとんどの服はメンズで、息子から借りているものなんですよ。SNSにスタイルをアップするようになったのは、2022年から。上海の街の人がとてもスタイリッシュだと気づいてから、自分もいろんなおしゃれに挑戦しようと思うようになったのです。最初の写真を投稿するときは、ずいぶん息子に背中を押されました。SNSは、自分のファッションの幅を広げてくれるので、楽しいですね。
Q.2 あなたはミウッチャ・プラダのファンであることで有名ですが、彼女のクリエーションに惹かれる理由を教えてください。 A これも息子がきっかけですが、彼のワードローブにプラダの服が多いと気づいたんです。そこからミュウミュウを含め、ミウッチャの服の虜となりました。彼女の作る服は、決して廃れません。最初に自分で買ったプラダのピースは、2013年に発売されたジャケット。10年以上も前の服ですが、今でも新鮮に着られます。時を超えて愛されるクリエーションとはこういうことだと、実感しますね。また彼女の革新的なデザインは、抑制された中にこそ宿るのだと思います。
Q.3 ワードローブの中で、一番大切なアイテムは? A それは、やはり医者の白衣です(笑)。
Q.4 2025年春夏コレクションですでに購入したものは、ありますか? A ロエベのパンツをオーダーしました。非常に美しく、ひと目で恋に落ちました。そのうちSNSで披露できるかもしれません。
Q.5 ファッションアイコンは誰ですか? A ミウッチャ・プラダとフランカ・ソッツァーニ(元イタリア版『ヴォーグ』編集長)の二人のスタイルには感化されます。
Q.6 スタイリングをするにあたってのマイルールはありますか? A いいえ、特にありません。おしゃれは自由であればあるほどいいと思っているので、特別なルールは設けません。街で目に留まるのも自由なスタイルを楽しんでいる人たちです。
Q.7 最近日本を訪れたと伺いましたが、どこへ行きましたか? また買ったものはありますか? A 残念ながらそのとき体調が優れず、多くの場所を訪れることができなかったんです……。しかし、ヴィンテージショップでロエベのレザーの帽子を、ビームスでデイリーに使えるシンプルなアイテムをいくつか購入しました。今回披露したスタイルでさっそく取り入れています。
A ミュウミュウの2024-’25年秋冬コレクションでモデルに抜擢。デビューながらランウェイでの存在感は、ファッション界に大きな衝撃を与えた。オファーはSNSを通してだった
B Dr.Qinに用意されたルック29。最初はシンプルなグレーのコートだったが、フィッティングを経て立体的な花の装飾が加えられたという裏話が
C 昨秋は、ゲストとしてパリファッションウィークに参加。出席したショーの一つ、sacaiの構築的なアウターは、パリの街中でもひときわ目を引く。SNSでは、デザイナー阿部千登勢との写真も公開
D スキャパレリのプレゼンテーションでは、フリンジのブラックドレスで登場。同ブランドのアートのようなバッグを片手に
E Dr.Qinがファッションに興味を持つきっかけとなった息子の未来さん。Instagramでは、親子のリンクコーディネートも見どころ。昨年5月、母の日を祝っての投稿では、計13体のスタイルを披露した。こちらは、二人が愛するプラダの2016年春夏のジャケットを主役にしたスタイリング。グラフィカルなパイピングが印象的だ