ドリス・ヴァン・ノッテン 2025年春夏メンズコレクション
38年間のデザイナー人生の集大成。ドリス・ヴァン・ノッテン自身が手がけるラストコレクションは、淡いノスタルジーと未来への希望が込められている。10代ながらエレガンスとピュアネスを併せ持つ道休 蓮がその思いを受け取る。
ドリス・ヴァン・ノッテン 2025年春夏メンズコレクション
38年間のデザイナー人生の集大成。ドリス・ヴァン・ノッテン自身が手がけるラストコレクションは、淡いノスタルジーと未来への希望が込められている。10代ながらエレガンスとピュアネスを併せ持つ道休 蓮がその思いを受け取る。
軽やかに時間を超越するストーリーのある服
一歩先へと誘うように、最新のアイデアを惜しみなく示唆するドリス。スリムフィットのジャケットにオーガンジーのシャツを重ねたスタイルは象徴的だ。まるでコンクリートとガラスのように、都会的で繊細なコントラストを描き、モダンな人物像を引き出していく。
手仕事ならではの不完全さの美を知る
日本の伝統的な“墨流し”はひとつひとつが異なる表情のプリントに仕上がる技法。花なのか、花火なのか、Ｔシャツには想像力をかきたてられるパターンが花開く。光沢のある透けるシャツやデジタルプリントのシルクの艶感とミックスすると、エキゾチックなムードを楽しめる。
大輪の花々が静かに咲く新しいエレガンス
墨流しの技法によって描かれた柄が、大ぶりの花を咲かせたようなデザインを際立たせる。モチーフをデジタルプリントしたシルクのロングトレンチコートは歩くたびに風に揺れて、ドレスのような存在感を放つ。リラクシングなワークパンツと合わせれば、ノンシャランなスタイリングが完成する。柄同士のアイテムを掛け合わせても上品に仕上がるのがドリス流。
手仕事への愛をこめて。 糸と思い出をたどる旅へ
“記憶の断片”と表現された、ロマンティックなジャケットはファン垂涎の一着。生き生きとしたステッチで有機的なモチーフが自由自在にうごめいている。繊細なゴールドの刺しゅうでメタルパーツやストーンを縫い込むなど、アルチザンを感じさせる圧巻の仕上がりにため息が。端正なシャツとのレイヤリングがマッチ。
革新性を秘めた素材への飽くなき興味
やわらかなブランケットのように優しく体を包み込むロングカーディガンはたっぷりとしたボリューム感。スウィートなピンクやブルーを重ねれば、チャーミングな色彩構成が楽しめる。光沢感やトランスペアレントな表情がマチュアなムードを醸し出す。
日常を一転させるドラマに誘うコート
発色の鮮やかなピンクとなめらかな艶を放つコートは、まるで花のように日常のさりげない瞬間をドラマティックに変化させる存在感。オーバーサイズのシルエットなので、インに着るアイテムとのバランスも自由自在に楽しめる。シアーなトップスやハリのあるネオプレンのボトムスなど、異素材をあわせたい。
2008年生まれ、北海道出身。『SPUR』3月号でモデルデビュー。9歳で渡英、全寮制のウィンチェスター・カレッジで学ぶ。プログラミング、ゲーム制作に専門的に取り組む。大学進学を控えたクラスを選択中。アメリカの大学も視野に入れている。先日ミラノにてブランドの撮影に初参加。
