天秤座(9.23 - 10.23)

いらないストッパーははずして、人生にわくわくしよう

2021年の天秤座は、ふたつの大きなテーマがあります。ひとつは愛、もうひとつは創造性。愛といっても、恋愛だけに限りません。たとえば“推し”への愛、ペットへの愛、子どもがいる人なら子どもへの愛がこれまで以上にあふれてくる。別の角度からの愛も加わってもっと複雑で厚みのあるものとなるという人も。趣味にしているもの――たとえば絵を描くこと、楽器を奏でること、体を動かすことなど――そうしたものへの愛を深める人もいるでしょうね。

一方、創造性については、自分のなかに生まれたアイデアや情熱を、かたちに変えていくことです。どちらにおいても言えるのは、胸が高鳴るようなときめきです。そうしたものには全般的に、追い風が吹くことになっています。何かを表現する、生み出すといったクリエイティブワークに就いている人にとっては、飛躍のチャンスといえるでしょう。

両者に共通するのは「わくわくする気持ち」。ときめいて眠れない、これをしているときが一番楽しい。そんな、自分のなかからあふれ出てくるものの優先順位を高めるといいですし、追い求めることができる年でもあります。

ただ、下半期は7月末までの期間、「やりたいこと」よりも「やるべきこと」が優先となるかもしれません。あるいは「責任」の重さを知る人もいるでしょう。たとえば、言うまでもないことですが、恋愛が始まれば相手に対して責任が生じます。人によって基準は違いますが、たとえば浮気はしない、傷つけないといったことですね。ペットを飼ったり、子どもを持てば同じように責任が生まれます。創造性についても同じでしょう。いくら表現の自由があるとはいえ、他者をむやみに傷つけたり不快にさせたりする表現は、誰も望まないのです。地に足のつかないわくわくは、危険なのです。そうした意味で、本当に自分らしくあるための責任と向き合っていく、何がよくて何が悪いのかをしっかり考えるタイミングであろうと思います。自然にそうした発想に至る方が多いかもしれませんが、人によってはピシャリと現実を突きつけられるようにして、考えを改める人もいるでしょう。

大切に思う人がいる場合、ここまでたくさん相手に尽くしてきた人も多いでしょう。ただ、それがどうにも自分らしくない、無理を重ねるかたちの尽くし方であったのならば、ここで調整期間に入ることになります。なぜなら、無理をしたやさしさというものはたいてい「せっかく、してあげたのに」という不満につながるから。「だからこうして」といった、見返りを求めるようになってしまいやすいから。あなたがあなたらしくときめくために、必要な時期なのですね。

8月以降、年内いっぱいはぜひとも自分の「好き」をスパークさせていってください。特に10月上旬までは、ストッパーをはずすことが大事です。「もうイイ年なんだから」とか「遊んでいる場合じゃないから」といった、よくわからないストッパーは床下収納あたりに放り込んでしまってまったく問題ないでしょう。今という時間は、残りの人生で一番若いときですし、残りの人生の最初の一日でもあるわけです。「ケガをしないように」とか「赤字にならないように」といったブレーキはさすがに残しておいていただきたいのですが、年齢だのジェンダー規範だの、いかにも“ジョーシキ”であるかのような顔をしたものによって、私たちを不当に制限してくるようなものはひとつもいらない――これからの自分のために、ここを断固として譲らないでいただきたいのです。

10月以降から年内いっぱい、あなたは愛と創造性について今まで以上に、本気を出すことになります。それは7月に考えた「責任」のためかもしれませんし、夏から秋に取り払ったストッパーのおかげかもしれません。いずれにせよ、楽しいだけではないとわかっていても、そのなかに深く飛び込んでいくのです。本当に好きなものだから、もっと深くコミットしたい。心の底から求めているから、もっと極めたい。あなたの心が呼ぶものを、喉から手が出るくらい欲しいものを、貪欲に求めていくのだと思います。今までにないほど恋を追い求め、大好きな人と出会える人もたくさんいると思います。

だからとことん、わくわくしましょう。今までにないくらい、ときめきましょう。そして本気で、これから時間をかけてガッツリ取り組むつもりでいましょう。それが、天秤座の人々がこの下半期を生き抜くうえで、最も大事なことです。