メゾンの卓越したクラフツマンシップ、比類なき完璧なデザイン、素材への飽くなき追求……。時代を超えタイムレスな輝きを放つ名品には必ず、“愛され続ける理由”がある。連載「人生を彩る名品図鑑」では、そんな名品が名品たる所以を徹底解剖。
今回紹介するのは、フレッドのジュエリー、「フォース10」
海とセーリングへの情熱から生まれた、アイコニックジュエリー
アルゼンチンでプレシャスストーンの取引をしていた一家のもとに生まれたフレッド・サミュエルが、1936年にフランスで創業したジュエリーブランド、フレッド。
ジュエリー=特別な場所で身につけるものという概念を覆し、“日常を輝かせるジュエリー”を作ることを目指していたサミュエルは、自らを「モダン ジュエラー クリエイター」と名乗り、タイムレスでありながら型に収まらないアイテムを次々に発表。グラフィカルなデザインで独自のモダニティを追求したジュエリーは評判を呼び、たちまちフレッドは世界屈指のラグジュアリージュエラーへと飛躍を遂げていった。その顧客には、グレース・ケリーといったロイヤルからジャン・コクトーなどの文化人、カトリーヌ・ドヌーヴといったセレブリティまで、錚々たるメンバーが名を連ねていたことからも、いかにサミュエルがジュエリー界の寵児として認められていたかがうかがえる。
そんなサミュエルがジュエリー製作において重要なインスピレーション源としていたのは、幼少期に過ごしたアルゼンチンや、愛する南仏の地で魅せられた「太陽の光」と「美しい海」への情熱だ。フレッドが今では“THE SUNSHINE JEWELER(太陽のようなジュエラー)”と呼ばれるように、この2つはメゾンのクリエイションの要として、現在まで大切にされ続けている。
特に、フレッドの多彩なジュエリーコレクションの中でも、海の美しさと、太陽の眩さを感じさせるアイコニックなジュエリーとして親しまれているのが、1966年に誕生した「フォース10」コレクションだ。元々は、サミュエルの長男が自身の妻へのプレゼントとして製作したブレスレットが、コレクションの原案。その後デザインを再構築し、最終的にヨットで用いられるケーブルとシャックルをデザインに取り入れたブレスレットを完成。それが「フォース10」の華々しい歴史の第一歩(ファーストジュエリー)となった。
先進的なデザインアプローチで個性を極めた、唯一無二のデザイン
フレッド・サミュエル一家の海とセーリングに対する情熱が注がれた「フォース10」は、細い繊維状のステンレススチールや合成繊維を編みこんだケーブルと、ゴールドのバックルという、全く異なる印象の素材を巧みに組み合わせたグラマラスなデザインが特徴。マスキュリニティとエレガンスが共存した唯一無二の世界観で、性別を問わず愛されている。
またシグニチャーアイテムともいえるブレスレットは、ケーブルを自由に付け替えることが可能。現在、単体販売されているケーブルは、素材・太さ・カラー違いで100種類以上あり、その日の気分や着用シーンに合わせて付け替えを楽しめる。
セーリングの世界で“帆を広げられないほどの強風”を意味する「フォース10」は、どんな困難にも動じず立ち向かう「勇気」「忍耐力」「自信」を授ける“お守りジュエリー”としても大人気。インパクトのあるルックスながら、フレッドが得意とする日常に溶け込むモダンなジュエリーに仕上がっているので、人生の相棒として、肌身離さず身につけることができる。
加えて、心地よい着用感を生み出す、驚くほど滑らかで丁寧に編み込まれたケーブルや、美しい曲線で描かれたゴールドバックルなど、メゾンの職人たちのサヴォアフェールが発揮された、自信と気品がみなぎる精緻なクリエイションも「フォース10」がプレシャスジュエリーとして輝く所以。
アバンギャルドでありながら本質の美しさにこだわった「フォース10」は、ユニークであることを恐れないタフなマインドを持つ人や、自分の力で人生を切り開きたいと考える人、またはそうありたいと願う全ての人をエナジャイズするコレクションといえるだろう。
1966年の誕生から、今年で58年。現在「フォース10」のアイテムはブレスレット以外にも、イヤリング、リング、ネックレス、サングラスなど種類も多岐にわたり、またデイリーに着用できるアイテムだけでなく、ダイヤモンドとゴールドを多分に用いたハイジュエリーもラインナップしている。
シンプルにケーブルとゴールドだけで構成されたミニマルなデザインのアイテムは、「フォース10」のグラフィカルなデザインが際立ち、日常でも気負わず使えるのが魅力。他のジュエリーとの重ねづけのしやすさも抜群だ。
一方、ダイヤモンドやカラーストーンを贅沢に使用したアイテムは、海の上で輝く太陽を彷彿とさせる眩さで、人生の喜びを祝福するような多幸感を味わうことができる。
また、「フォース10」誕生55周年を記念して2021年に誕生した「フォース10 ウインチ」シリーズでは、ステンレススチールのケーブルを強調させたデザインのアイテムや、ブラックチタンを取り入れて力強さとマスキュリニティを極めたアイテムが登場。
さらに2023年、2024年には2年連続で、全仏オープン(ローラン・ギャロス・トーナメント)とのコラボレーションから生まれた「フレッド × ローラン・ギャロス」コレクションを発表。このコレクションは、スポーツマンでもあったサミュエルと、グランドスラムの名の由来となった飛行家、ローラン・ギャロスの共通点でもある、“常に挑戦者であり続ける勇気”を讃えたもの。スポーティなデザインを加えたブレスレットを通して、「フォース10」の新たな魅力を伝えている。
このように、アイコニックなデザインコードを軸に、常に進化を止めず、多彩な表情のアイテムを生み出し続けている「フォース10」コレクション。その充実したラインナップの中から、自分らしさの光る運命のジュエリーが必ず見つかるはずだ。
SPUR.JP厳選! 「フォース10」カタログ9選
素材も価格帯も幅広く、圧倒的なアイテム数を誇る「フォース10」は、人生の節目ごとにお気に入りのアイテムを買い足すファンも多い。今回はそんな人気コレクションの中から、SPUR.JPが厳選したアイテムを紹介。日常からハレの日まで、あらゆるシーンを華やかに彩る名作をチェック!
2024年の「フレッド × ローラン・ギャロス」コレクションより、全仏オープンのシグネチャーカラーをケーブルに採用したブレスレットをチョイス。ゴールドのバックルの側面には、テニスボールのモチーフと、テニスコートの黄土色をイメージしたテラコッタ色のガーネットをセットし、遊び心あふれるデザインに。
ピンクゴールドのブレスレットでヘルシーな手もとを完成
焼けた肌によく似合うピンクゴールドのブレスレットが、ヘルシーな手もとを演出。パヴェダイヤモンドを敷き詰めたゴールドが、太陽の下で眩い輝きを放ち、リュクスな表情を醸す。
すでにケーブルブレスレットを持っているという人は、チェーンタイプのブレスレットを買い足してみては? ホワイトゴールド×パヴェダイヤモンドで仕上げたバックルとの組み合わせにより、クールさが際立ち、定番デザインとはまた違った雰囲気を楽しめる。
「フォース10」のデザインコードを巧みに取り入れた、シンプルながらもさりげない個性を放つリング。上品に輝く5石のダイヤモンドが、端正な佇まいに華やかさをプラスする。
定番ブレスレットのデザインを、リングでも堪能。愛らしいスモールモデルは華奢なので、「フォース10」の他のリングや、手持ちのリングとの重ね付けもおすすめ。
2024年のホリデーを彩る、愛と優しさに満ちた新作
2024年ホリデーシーズンに向けて登場するのは、愛と優しさを象徴するピンクサファイアを敷き詰めた、プレシャスなスモールネックレス。ピンクゴールドを組み合わせた、エレガントで無限の可能性を感じさせるジュエリーが、人生の一瞬一瞬を輝かせてくれる。
トレンドに左右されずエターナルに愛せる、ホワイトゴールドのみで仕上げた極シンプルなネックレス。クリーンなムードでどんなファッションにもマッチする、デイリージュエリーにぴったりなデザイン。
ドラマティックな輝きを放つネックレスで、モードな気品を纏って
ダイヤモンドを半周パヴェセッティングしたイエローゴールドのチェーンに、ケーブルを重ねたドラマティックな新作ネックレス。“一生もの”の名に相応しいプレシャスな存在感が魅力。
「フォース10」の世界観を凝縮した、壮麗なイヤリングが登場
「フォース10」を象徴するバックルとケーブルをモチーフに取り入れた、アイコニックなイヤリング。壮麗な煌めきで、太陽の下はもちろん、ディナーといったナイトシーンにもよく映える。
2026年に誕生60周年を迎える「フォース10」はこれまでの歴史の中で、男女問わず数多くのセレブリティたちを虜にしてきた。ここからは、イベントなどの華やかな舞台や普段のファッションで、「フォース10」を華麗につけこなした注目のセレブリティを紹介。
2024年7月にフレッドのグローバルブランドアンバサダーに就任した、世界的音楽グループ・BTSのメンバー、Jin(ジン)。彼は2024年パリオリンピックの聖火ランナーを務めた際、「フォース10」のブレスレットを着用していたことが話題に。またパリオリンピックの出国時と帰国時の空港ファッションでも、ケーブルブレスレットをスタイリッシュに着用し注目を集めた。
ソウルで開催された、フレッドのポップアップストアオープン記念イベントに出席した、韓国の人気ガールズグループ・TWICEのリーダー、ジヒョ。ホワイトのベスト&パンツでまとめたハンサムなルックに、「フォース10」のイヤリングやネックレス、ブレスレットをリュクスにコーディネート。ダイヤモンドがセットされた眩いアイテムが、ジヒョのグラマラスで凛とした魅力をより引き出している。