【根津美術館】ジャクリーン・サーデルのお気に入りスポット

自身のルーツを知り、伝統と出合う

ジャクリーン・サーデル 根津美術館

障子を開けたときに広がる庭の風景をイメージし、館内と庭園の境界線を感じさせない

「シカゴ美術館で『浮世を描く:ウェストン・コレクション 肉筆浮世絵 傑作選』を見たことがきっかけで日本画に興味を持ちました」と話すジャクリーン・サーデル。アートフェア『EASTEAST』への出品のために初来日した彼女が訪れたのは、都会のオアシスとして愛される根津美術館。

「想像していた以上に広大な敷地! 企画展『仏具の世界』に展示されていた絵巻や打敷の色の美しさに胸を打たれました」。毎年の夏休みにはオランダの祖父母のもとを訪れ、日蘭関係についても学んだと話す彼女。両親が日本への移住を検討したこともあるそうだ。バレーボール選手として活躍していたというユニークな経歴を持ち、20代前半で今の作風が完成した。

「メンタルとフィジカルの両方を使う制作スタイルが自分に合っていたんです。風景画が作品のベースとなることが多く、私が感じたことすべてが原動力になっています」

ジャクリーン・サーデル 根津美術館

竹が連なるアプローチが静寂へと誘う。ひときわ目を引くピンクのドレスはMadeleine Simon Studio、ジャケットはヴィンテージだ

根津美術館

展示を鑑賞後は広大な庭園を散策。4月下旬からはカキツバタの開花も楽しめる

根津美術館

来日時に発表された《Threshold》は「過去と新しい自分をつなぐ作品。以前抱えていた不安定な気持ちを"祭壇"として表現しました」

根津美術館

東京都港区南青山6の5の1
03-3400-2536
営業時間:10時〜17時
定休日:月曜(祝日の場合、翌火曜)・展示替え期間・年末年始
※オンライン予約制 www.nezu-muse.or.jp

Jacqueline  Surdell(ジャクリーン・サーデル)プロフィール画像
アーティストJacqueline Surdell(ジャクリーン・サーデル)

1993年、アメリカ・シカゴに生まれ、現在もシカゴを拠点に活動する。風景画家の祖母の影響で作品制作をスタート。縄や色を用いたダイナミックな壁面彫刻を発表する。