ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。 今回は思い描きにくい数十年後の理想像を具現化するにはどうしたら?を的確にアドバイス!
今月のお悩み
長いスパンの目標はどう立てる?(34歳・会社員)
社会人になったときから周りによく「10年、20年先のなりたい姿を決め、逆算して動きなさい」と助言をもらいますが、正直ピンときません。10年後にやりたいことなんて10年後にしかわからないと思うし、今とは違う目標ができるかもしれないから。それでもやはり、長いスパンの目標を持つべきでしょうか?
佐久間Pからの回答
職場の身近な〝こうなりたい〞人物像を見つけるのは手です
高いモチベーションを保ったまま成長し続けられるのは、羽生結弦さんや大谷翔平さんなど、不屈の精神と行動力を持つ特別な人だけ。 10年、20年先を描いて仕事するのは僕だって無理です。具体案としては、職場を見渡して10歳上の人を探し、「誰が生き生き働いている?」「誰の立場だと耐えられないか」を観察してみる。前者と後者は何が違うのかを自分なりに考えるのはアリだと思います。
僕も30代の頃にこの方法を実践済み。テレビ局のようなサラリーマンとクリエイティブの仕事が混じった会社だと、楽しく働く人には〝オンリーワンの武器〞や〝専門性がある〞。僕から見てつらそうなのは〝代えがきく役職〞や〝常に誰かの板挟みのポジション〞でした。「空いているジャンルはどこだ?」と探ってみると、アニメ部にも惹かれたけど、僕が魅力を感じた演出には携われないことがわかって。ということで、まだ火がつく前のお笑いの配信やライブに強いディレクターになろうと思い、注力しました。
素養のほかに目を向けてほしいのは、 自分の中に潜む〝変態性〞。僕の場合は、それが番組を編集する作業。たとえばNetflixの「トークサバイバー!」なら、30分ものでもナレーションの入れ方や笑い声のトーンまでこだわるので5〜6時間の集中はよくあること。大好きなプラモデルを組み立てるような感覚で、いくら時間をかけても苦にならないんです。「変態性は必要ない職種です」と思った人も、たとえば会社員なら資料を作成するのと、人と話すのとではどちらが好きか? 前者ならそれが活かせる仕事は何か? 日頃の作業から気づきを得て、自身の武器を伸ばしてもらえたらと思います。
今回は、カカオの可能性を追求するブランドのチーズケーキを。あまり先のことを考えすぎるとつらくなるので、まずは自分を甘やかすことから始めてみては?
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:「Minimal ─Bean to Bar Chocolate ─ のチョコレートレアチーズケーキ」
生産者の顔が見えるカカオ豆の輸入から製造までを一貫して行うビーントゥバーの"その先"を追求するブランド。特別にブレンドしたカカオ豆から作るコクのあるチョコレートとクリームチーズの酸味が贅沢に融合する「チョコレートレアチーズケーキ」
https://mini-mal.tokyo
さくま のぶゆき●TVプロデューサー&ディレクター。「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティ。オードリー若林正恭さんと星野源さんのNetflixのトーク番組「LIGHTHOUSE」は人生の灯台になる!?