ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。仕事熱が高い会社員なら一度は考える"独立"について。経験者だからこそ話せる真実を語る!
今月のお悩み
これからの時代、組織で働くメリットは?(45歳・会社員)
会社から独立してフリーランスになる同世代の仕事仲間や友人がチラホラ。「私もアリ!?」という気持ちになることが増えてきました。とはいえ、会社に所属している安心感も捨てがたい。これからの時代、佐久間さんは組織で働くメリットをどうお考えですか?モヤモヤや迷いから脱する思考法を教えてください。
佐久間Pからの回答
組織人の強みって何だ!? しっかり把握してから独立を
今の職場が嫌だからとか、ワークライフバランスを充実させたいという理由なら安定した収入を得られる組織に属すのが賢明。相談者のように、仕事でもうひと花咲かせたい熱意ある人にとっては、〝失敗できる〞というのが最大のメリットでしょうか。
一方で、フリーはよほどの後ろ盾がない限り、数回の失敗で仕事は減ってしまう。シビアだからこそ「独立したら仕事をくれる組織が3つ以上あるか?」「秀でた才能が2つ以上あるか?」がすぐ思いつかないなら、やめておいたほうがいいというのが僕の本音。卓越した才能がないと、中途半端な案件しか来ない便利屋になってしまう可能性が高いし、得意分野が1つしかないとそこが斜陽になったら、食べていけなくなるから。
僕について話すと「自分がディレクターとしてお笑いのジャンルでセンスが通用するのはたぶん55歳くらいまで。それまでに能力や技術を生かしてマネタイズし、以降は趣味を中心に生きていけたら」と考えてきました。本来は組織に属すほうが性に合う人間でしたが、年齢を重ね、自分は得意でない管理職の仕事が増えてきた。
一方で10年前から励んできた配信に強いコンテンツの市場規模が拡大し、「(お笑いとカルチャーの番組を)作る」「(人前に)出る」という2つ以上の武器が備わり独立を選びました。僕の場合はデッドラインと感じた45歳での独立でしたが、20・30代のうちに考える人も少なくないはず。実際に行動するかは別として大切なのは社内のリソースを自由に使ってスキルを磨き、独立しても生きていける人間になる意識で仕事に取り組むこと。その際くれぐれも独立心や壮大な野望を語るのは社外の友人だけに。会社には骨をうずめるフリをしましょう(笑)。
今回は明治の「オランジェットパウチ」を。大手でもユニークな商品で個性を出せるし、味にも感心したイチ押しです。
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:「明治のオランジェットパウチ」
蜜漬けのオレンジピールの果肉感や苦味をビターチョコレートでコーティング。「店頭でなかなか出合えないのですが、満足度調査でトップ10入りする隠れた名品」。
さくま のぶゆき●TVプロデューサー&ディレクター。「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティ。9人組アイドル「ラフ×ラフ」のプロデュースも行う。公式サイトはhttps://roughlaugh-official.com/