ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。新しいプロジェクトを広げるための佐久間さん流の思考や作戦は、どんな仕事にも通ずる!
今月のお悩み
ファンを増やして生き残るには?(49歳・劇団主宰)
劇団のワークショップに興味本位で参加したら、ストーリー作りにハマって台本を書き始め、一昨年小劇団を立ち上げました。けれど公演にはお金がかかるし集客は想像ほど見込めないのが現実。YouTubeなどSNSの力を借りて収益を上げるのも難しそう。厳しい世界の中で劇団を有名にするにはどうしたら?
佐久間Pからの回答
現実も己もシビアに見つめて。そこから作戦を立てよう
今の時代、面白いものを自力で見つけたい人は案外少ないから、しっかり練らないとリーチしないのが現実。特に演劇ファンは固定化している上にチケット代も高め。新規を増やすのは苦戦を強いられます。そんな中、演劇畑で注目しているのは「ダウ90000」の主宰者・蓮見翔くん。彼は「M-1グランプリ」に出場したし、コントも書く。自分の才能が活かせて、演劇と近い場所にあるお笑いにフィールドを広げることで自身のユニットのファンを増やしています。
僕の場合は、まず最初に「見る奴なんかいない」と絶望的観測をした上でそこから成功させるための作戦を立てる。ラジオは「こんなおじさんの番組、一年で終わるだろう」と思ったから全力を注ぎつつ、ほとんどのDJが経験していない会社員時代や家族の話をすることに。
また、人生をこの場所に捧げる覚悟を持った人しか成功しないYouTubeも「(さまざまなコンテンツを手がける僕は)一番成功しないタイプだ」と悟り、企画を練りました。結果、コンセプトは〝(地上波を知り尽くした上で)地上波ではできない企画を本気でやる〞に。視聴者に熱量が伝わり、だんだんと広がっていきました。どちらも自分だからこそできる強みを考えたわけです。
また、「ゴッドタン」が 17 年続くのは、 感覚的なものではなく、企画が当たったら仮説を作って検証→理論を構築して新しい企画に当てはめているから。検証の結果、当たる理論は現在約5パターンほど。なぜ成功したかを徹底的に分析して文章に起こし、制作陣と共有。そして新たに挑戦することを繰り返します。仕事仲間に「どう思う?」と聞くことはあっても、方針や作戦を立てるのは自分。なぜなら僕が一番シビアで現実的だから。
今回は邪道が王道に変わった「苺大福」を。名店も、生き残っていくために検証と挑戦をしているのです。
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:「翠江堂の苺大福」
和菓子店の名物スイーツ。大粒のいちごをメルティなこし餡とつきたての餅で包んで。一年中購入できるのもうれしい。
東京都中央区新川2の17の13
TEL03-3551-5728
営業時間9時~18時、~14時(土)
定休日日曜・祝日
※売り切れ次第終了。大手町店、有楽町店も。