“アペロ”はフランス語のアペリティフ(食前酒)の略で「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表すときに使われる言葉。今月のアペロは、春の昼下がりにぴったりの軽やかなサラダと白ワイン。「柔らかくてさっぱりしたヤリイカを香味野菜と合わせて、春らしいサラダに。レモンの皮をたっぷりとすりおろし、果汁も多めに加えるととても爽やかな仕上がりになって、白ワインによく合います。セロリの葉もハーブや野菜のように一緒に加えて」。ヤリイカは皮をむくなどの下処理がしやすく、味も淡白で使いやすい食材だそう。「シンプルなサラダなので、オリーブ油は少ししっかりした風味の新鮮なものを。ドライトマトの凝縮したトマトの風味がアクセントになって、サラダの味を引き締めてくれます」。お供はアルザスのビオワインの白。「『海と貝』というタイトルどおり、魚介料理に合わせることを意識した作り。さっぱりしたサラダなので、ほかにもリースリングなど、辛口でも少し甘さを感じるものがおすすめです」
材料(2人分)
- ヤリイカ
- 中1杯
- きゅうり
- 細め1本
- セロリ
- 中1本
- ドライトマト
- 2個分
- レモン(ノーワックス)
- 1/2個
- オリーブ油
- 大さじ2
- 塩
- 少々
- パン・ド・カンパーニュのスライス
- 適宜
作り方
❶ ヤリイカは内臓を引き抜いて足を切り落とす。軟骨も取り除き、皮をむいて流水で洗って水気をふき取る。薄い輪切りになるように端から刻み、えんぺらは細切りに、足は3〜4等分に切り分ける。
❷ きゅうりは両端を切り、ピーラーでところどころ皮をむいてから、斜めに薄切りにする。セロリは葉を摘み、茎はすじを取って薄切りにする。合わせてボウルに入れる。
❸ ヤリイカをザルに入れてボウルに重ねる。湯を沸かし、沸騰したらヤリイカに回しかける。ざっと混ぜて湯をきり、流水をかけて急冷したら水気をしっかりきる。細切りにしたドライトマトとヤリイカを②のボウルに加え、オリーブ油、レモン汁、塩を加えて手早く混ぜ合わせる。
❹ 器に盛り、グレーターでレモンの皮をたっぷりすりおろす。パン・ド・カンパーニュのスライスを添える。
メール・エ・コキアージュ。「アルザスのビオワインを代表する作り手、ジュリアン・メイエーの白。ほどよくふくよかで飲みやすい味です」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。「最近、蒸しものと干物熱が再燃中」だそうで、いつかアペロに登場するかも? 前号よりSPUR.JP上でスタートした、動画によるポイント解説も手順がわかりやすいと好評なので、チェックをお忘れなく! vegemania.com
SOURCE:SPUR 2020年5月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.14」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda