2021.10.17

仕込みの時間:牛肉とレバーのラグー 【長尾智子の保存食レシピ 第8回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率や時短ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食。今月は深まる秋にぴったりのラグー。

「ラグーは刻んだ牛肉などを野菜と一緒に煮込んだ料理。レバーも加えて、少しコクのある感じにしました。ひき肉ではなく塊肉から刻んで作るとボリュームが出て、しっかりしたメイン料理になります」。

お供には、相性抜群のじゃがいもを。ラグーを煮込んでいる間に作れる、マッシュポテトがおすすめ。「少し時間がかかっても、じゃがいもは皮つきのままゆでたほうが水っぽくならず美味。皮をむいて刻んでゆでる場合はよく水けをきって。牛乳の量で柔らかさが変わるので、好みで調節を」。

クリーミーなマッシュポテトにコクのあるラグーをからめつつ味わえば、ワインが進む!「煮込みは多めのほうがおいしくて作りやすいので、倍量で仕込んでも」。じっくりと煮込む時間も楽しいこれからの季節、ぜひお試しを。


材料(作りやすい分量)

牛肉焼肉用(ロース、もも)
約500g
鶏レバー
約25g
玉ねぎ
1個
にんにく
1片
にんじん
1本
マッシュルーム
8個
パセリ
2枚
タイム
3枝
赤ワイン
150㎖
トマトピューレ(粗ごしタイプ)
約250㎖
塩・こしょう
各少々
ナツメグ 
適宜
オリーブオイル
約大さじ2

作り方

❶レバーは流水で洗って2等分し、血抜きをして水けをふき取り粗く刻む。牛肉は食べやすく切り分ける。

 

❷玉ねぎは4等分して縦に細切り、向きを変えて細かい角切りにする。にんじんは7〜8㎜の厚さに切り分け、縦横に刻んで小さな角切りに。マッシュルームも同じ大きさに刻む。にんにくはみじん切り。パセリは葉を摘んで茎と分け、別々に細かく刻んでおく。タイムは葉を摘んでおく。

 

❸フライパンにオリーブオイルを温め、玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム、にんにくを入れて炒める。塩をふり、途中でパセリの茎を加えて炒め合わせて鍋に移す。フライパンに油を足し、軽く塩をふって牛肉を炒め、鍋に移す。同じフライパンに油を足し、軽く塩をふってレバーを炒める。混ぜすぎないよう注意。

 

❹レバーを鍋に移し、全体を混ぜる。トマトピューレ、赤ワインを加えて混ぜ、ナツメグを全体にすりおろす。蓋をして弱火で40分ほど煮込む。味をみて足りなければ塩を加え、タイムの葉を入れ、軽く煮てなじませたら完成。粗熱が取れたら密封容器に移し、冷蔵庫で保存。マッシュポテトを添えていただく。

 

【マッシュポテトの作り方】
じゃがいも4個を洗って皮ごと柔らかくゆで、熱いうちに皮をむき、鍋に戻す。塩少々とオリーブオイル大さじ1、無塩バター40gをのせ、マッシャーか大きめのフォークなどでつぶす。牛乳を200~250㎖を2回に分けて加え、少し粗さが残るくらいまでつぶしながら煮つめ、レモン汁小さじ1/2を加えて仕上げる。

 

「ラグーは、粗熱を取って保存容器などに入れて冷蔵保存し、1週間くらいをめどに食べ切って」。多めに仕込んだときは、保存袋に平らに小分けして冷凍しても。「マッシュポテトの代わりにパンやパスタを合わせたり、ゆでたじゃがいもを添えるだけでも満足感があっておいしいですよ」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌等で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop)を展開。来春に向けて、新刊の準備に着手したところだそう。「素材についてのエッセイとレシピをまとめた、コラム集のような本になりそう。少しずつ書きためています」vegemania.com

SOURCE: SPUR 2021年11月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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