2021.12.17

仕込みの時間:サーモンのマリネ【長尾智子の保存食レシピ 第10回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率や時短のためではなく、季節を感じて健やかな自分を持続させるための保存食。今月は年末年始のおもてなしにも使えるサーモンのマリネ。

「サーモンは粘りのあるしっとりした食感にするために、しっかり水分を抜くのが大事。粗塩に砂糖を加えると水分を引き出す効果が高まります。コリアンダーも一緒にまぶし、甘さのある個性的な香りに仕上げて」。

マリネする時間はなるべく長めに、余裕があれば1日以上置いても。

「それだけでもおいしいけれど、じゃがいもとの相性はやはり抜群。ワインビネガーで酸っぱめにしたじゃがいもとサーモンのマリネ、ディルやゆで卵をパンにのせれば、アペロにもなる洒落たオープンサンドに。サラダやパスタにしてもいいし、錦糸卵と一緒に酢飯にのせてサーモン寿司もおすすめ」。

簡単に作れてアレンジしやすく、ごちそう感もあっていいことずくめ。冷凍もできるから、多めに仕込んでたっぷり楽しんで。

材料(作りやすい分量)

アトランティックサーモン
約250g
粗塩
25g
三温糖
15g
コリアンダーシード
小さじ1

作り方

❶コリアンダーシードをキッチンペーパーに包んですりこ木などで細かくつぶす。そこに粗塩、三温糖を入れて混ぜ合わせる。

❷①をサーモン全体にまぶしつける。バットにのせ、ラップをかけて半日以上、できれば丸1日冷蔵庫に入れてマリネする。食べるときは流水で洗い、水気をしっかりふき取る。

【サーモンのマリネを使ったオープンサンドの作り方】
じゃがいも小2個は皮をむいて小さく切り、ゆでて柔らかくなったら水気を飛ばし、塩少々と白ワインビネガー大さじ2を加えて混ぜ、冷ます。卵は沸騰した湯で7分ゆでて水に取り、冷まして殻をむく。カンパーニュなどのパンを軽くトーストし、じゃがいもをのせてざっと平らにならし、スライスしたサーモンのマリネを並べる。半分に切ったゆで卵をのせ、ディルを散らし、塩をふってこしょうを挽きかけ、オリーブオイル少々を回しかける。くし切りのレモンを添える。

 

「マリネはどんどん塩辛くなるので、ほどよい塩加減になったら周りの塩や砂糖を洗い流し、しっかりと水気を切って保存を」。保存期間は冷蔵で1週間、冷凍で1カ月程度。「冷凍の場合は1食分ずつ切り分けてラップに包み、保存袋に入れて、食べる分だけ冷蔵庫で自然解凍します。再冷凍は避けてください」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア、SOUPsを(soup-s.shop)展開。渋谷区神宮前で友人と共同経営しているBar werkで、今年から始めたモーニングもすっかり定番に。「ただ今、werkの焼き菓子のテイクアウトを準備中」。甘党にはうれしいニュース! 時期や詳細はインスタグラム(@bar_werk)でチェックを。

SOURCE: SPUR 2022年1月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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