2022.02.17

仕込みの時間:全粒粉のソーダブレッド【長尾智子の保存食レシピ 第12回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率や時短ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食。今月は朝食やおやつ、アペロにもおすすめしたい素朴なソーダブレッド。

「ヨーグルトの酸味を加え、バターではなくオリーブオイルを入れて、軽い感じに焼き上げたソーダブレッドです。全粒粉の香りが香ばしく、生地はプレーンなのでいろいろなフィリングに合う。まとめて焼いて冷凍しておけばいつでも焼き立てが楽しめます」。

スコーンのように丸く型抜きし、半分に切ってサンドイッチに。冷凍も半分に切り分けた状態で保存するといいそう。
「卵やハム、チーズを挟んだり、クリームチーズとバナナ、蜂蜜で甘いサンドイッチにするのもおすすめ。型抜きしたあとに残った生地はアクセントにレーズンを加えて焼き、チーズをのせるとお酒のおともにもなりますよ」。
お菓子作りより手軽で、いろいろ楽しむことができるシンプルなソーダブレッド。今度の週末に焼いてみては?

材料(作りやすい分量)

中力粉
380g
全粒粉
30g
ベーキングパウダー
大さじ2
小さじ⅓
てん菜糖
20g
プレーンヨーグルト
約150g
豆乳
約100㎖
オリーブオイル
小さじ2
レーズン
40g

作り方

❶中力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、ボウルに入れる。全粒粉とてん菜糖、塩を加え、泡立て器で混ぜて均一にする。

❷別のボウルに、ヨーグルトと豆乳、オリーブオイルを入れて混ぜ合わせる。それを①に半量入れ、ゴムベラでざっと混ぜ合わせてから残りを足して、ボウルの底から粉気がなくなるまでしっかり混ぜる。生地が硬いようなら、豆乳を大さじ1ほど(分量外)加えて様子を見る。

❸生地がひとまとまりになったら、打ち粉をした台に取り出し、オーブンペーパーをのせて上から押さえ、少しずつ平らに延ばす。めん棒を使って1㎝強の薄さになったらオーブンペーパーをはずして軽く粉(分量外)をふり、直径8㎝の抜き型で丸く抜く。オーブンを190℃に温める。

❹③の生地をオーブンペーパーを敷いた天板に並べ入れ、フォークで穴を開ける。約25分焼き、取り出して粗熱を取る。残りの生地をざっとまとめ、レーズンを散らす。生地を転がしながら細長くし、端から1.5㎝くらいの厚さに切り分ける。上から軽く押さえて形を整え、オーブンシートに並べて20分ほど焼く。

【写真のサンドイッチの作り方】
ソーダブレッドを半分に切り分け、マヨネーズを少々塗り、ハムとチーズ、葉野菜をサンド。もう1種類は、溶き卵にドライタイムと塩を加えて薄めに焼いたオムレツを切り分け、軽くバターを塗ってサンド。ミニサイズにはクリームチーズと蜂蜜をのせて。

 

ソーダブレッドは具を挟みやすいように半分に切り分けてから、密閉式の保存袋に入れて冷凍で約2週間保存可。焼き直しはオーブンかトースターで。「レーズンを加えた生地は型抜きで残った2番種なので、あまり練りすぎないように注意。生地を細長く丸めてカットする方法は、抜き型がいらないので手軽です」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにオリジナルの器などを扱うオンラインストア、SOUPs(soup-s.shop/)を展開。「SOUPsのスタート当初から念願だった、ヴィンテージの北欧のガラス製品を少しずつ展開中です。デザインが美しくて、冬の食卓にも映えますよ」

SOURCE: SPUR 2022年3月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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