作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させる保存食、今月はさまざまな料理に使えるビーンズマリネ。
「大豆をオリーブオイルでマリネすると、時間がたつにつれてなじんでおいしくなります。手頃な水煮でもいいけれど、乾物を戻してゆでたおいしさは格別なのでぜひ試して」。
今回は味や食感の違いを楽しむために3種にしたけど、大豆ともう1種類の組み合わせでも。
「豆によって火の通り方が違うので、ゆで時間が同じものは一緒にゆで、大豆や大きめの豆は単独でゆでて。特に大豆は硬いとおいしくないので注意を」。
そのままチーズと盛り合わせて、アペロに。サラダやオムレツ、スープのトッピングにしたり、きのこと炒めてアヒージョにしたり。
「毎日の料理に変化をつけてくれる、便利な保存食です」
材料(作りやすい分量)
- 大豆(乾物)
- 200g
- ガルバンゾ(乾物)
- 100g
- とら豆(乾物)
- 100g
- オリーブオイル
- 約100㎖
- 米油(植物油)
- 約80㎖
- 塩
- 少々
- にんにく
- 小2〜3片
- ローリエ
- 2〜3枚
作り方
❶大豆、ガルバンゾ、とら豆は別々にボウルに入れ、たっぷりかぶるくらいの水を注いで半日おき、しっかり戻す。鍋を二つ用意し、大豆は単独で、ほかの2種は一緒に鍋に入れ、戻し汁に水を加えてかぶるくらいに水加減する。
❷①の鍋を中火にかけ、大豆は40分程度、ガルバンゾととら豆は30分程度、柔らかくなるまでゆでる。食べてみて、まだシャキッとした感じがあれば(特に大豆)、さらに10~15分ほどゆでる。全部水気をしっかりきって一つのボウルに合わせる。塩をやや強めに加えて混ぜ、オリーブオイルと米油を約₁⑊⁴ずつ加えてスプーンでよく混ぜ合わせる。
❸②の豆の粗熱が取れたら、きれいに洗った保存瓶に詰める。途中でローリエと皮つきのにんにくを加えながら容器の上まで詰め、残りのオイルを回しかけ、蓋をする。冷蔵で2週間程度保存可。使うたびに清潔なスプーンで軽く混ぜて。
【グリーンサラダの作り方】
ケール、ルッコラ、ゆでたさやいんげんを盛り、ビーンズマリネをたっぷり散らしてのせ、マンチェゴなどハードチーズを薄切りにして散らす。レモンを搾り、マリネのオイルを野菜に回しかけ、仕上げにこしょうを挽く。
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストアSOUPs(soup-s.shop/)を展開。「冬は柑橘の旬なので、ひたすら刻んでマーマレード作りにいそしんでいます」
SOURCE: SPUR 2022年4月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda