A 太陽をいっぱい浴びた果実を丸ごと味わっているようなワイルドな味が気取ってなくて好み〜! 濃厚だけど飲みやすい、いい意味でアカンやつです。
T 以前から好きな、イタリア南側の温暖なプーリア州で造られた赤ワインがカルディにありました! プリミティーヴォはプーリアを代表する品種なのですが、アメリカではジンファンデルと呼ばれています。カリフォルニアではすっごく人気がある品種なので、こっちの呼称の方が有名かもしれません。同じ葡萄ではあるけれど、土地が違うので性質はちょっと変わります。
Z 2つの顔を持つミステリアス葡萄! どんな品種なんですか? ジンファンデルとの違いも知りたい!
T ジンファンデルはジャムっぽくて甘みが強い。プリミティーヴォの方が軽快で、ほどよく甘いですね。干し葡萄のような、よく熟れた甘い果実感があります。香りはブラックチェリーやフルーツコンポートのニュアンスが。若干チョコレートっぽい感じもありますね。カリフォルニアのジンファンデルは安くても¥2,000はする、同じ品種の赤ワインをこの値段で飲めるのは珍しいことです!
Z 昼はジンファンデルという名の富豪が、夜はプリミティーヴォというダークヒーローに変身! そんなドラマを感じる葡萄だわ。
A それ、まんまバットマン(笑)。合わせるおつまみは何がおすすめですか?
T 「山形豚のジャーキー」がイチオシです。野生的なニュアンスが合いますね。ラムチョップのグリルとか肉料理でもいいんですけど、ワインに甘みがあるのでちょっとしたおつまみがあれば十分に満足できると思います。ジャーキーの香ばしさはワインと通じるところがあり、ぴったり。
T メトード・トラディショネルとエチケットに書いてあるんですけど、これは伝統的な製法だということを意味しています。瓶内二次発酵でシャンパン式の製法に似ていながらもお手頃! シャンパン式はすごく手間も時間もかかる造り方なので、¥1,000台のプライスはかなり難しいはずなんですよ。
Z なるほど! 味わいも田邉さんのお墨付きの1本ということですよね?
T 絶対おいしいと確信したのが、シュナン・ブランを主力にグロローとカベルネ・フランをブレンドしていて、いずれも銘醸地・ロワール地方の品種なんです。形式上は場所を謳えず、ヴァン・ムスーという法律上一番ゆるいカテゴリーのフランスのスパークリングということになります。でも、厳密にいうとロワールのスパークリングだと思う。テーブルスパークリングワインだから安いんですけど、かなりハイクオリティで造っていますよ。
A その醸造方法を選ぶのはやっぱりおいしいからですか?
T そうですね。シャンパン式で造ると旨みが出て、泡がきめ細やか。瓶内二次発酵は澱の旨みが出るまで熟成し、香りに複雑性や味わいに深みのあるスタイルが生まれやすいんです。この泡は、熟成期間が短いなどシャンパンの規定とは違いますけど、発酵方法的には非常に近い。
A ちゃんとおいしくて、乾杯のワインにはうってつけですね! それでいていてお手頃だから気張らずに飲めるのも嬉しい。
T 乾杯はもちろん、締めに飲むのもおすすめ。シャンパーニュ式のスパークリングってトーストやビスケットの香りがするとも言われていて、カルディペアリングは「ブリオッシュフレンチトースト」と一緒にどうぞ。ニュアンスが合うので、おいしいですよ!
Z あ〜やばい! アフタヌーンティーにもスパークリングワインが付いてきますよね。あれはもう極楽浄土の再現だと思う。カルディの極楽セットも早速試します!
A エチケットがおしゃれ〜! 自然派ワインや小規模生産者っぽいムードがありますよ。¥1,000台とは思えない、高見えですね! 手土産にもいい。
T かっこいいですよね。やはり秋なので赤ワインをもう一本ご紹介したく、これにしました!パースの近くに、西オーストラリア最有力産地と呼ばれるマーガレット・リヴァーというエリアがあり、そこで造られたワインです。最も有名で、最もおいしいワインが造られるエリアと評価されています。シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが有名なんですけど、そのカベルネを使ってこの価格は破格。この満足度のワインだったら、¥2,000以上は当たり前で¥3,000くらいのものもありますから。しかもこの赤は2019年なので4年熟成、飲んだら喜んでもらえると思います!
A パワーワードが止まらない、カルディのワイン棚が動きますよ!カベルネ・ソーヴィニヨンを主に、メルローをブレンドしているんですね。マーガレット・リヴァーはボルドーに似た、ワイン造りには理想的な気候条件が揃っているんですか?
T オーストラリアは2〜3品種をブレンドするのが一般的です。ボルドーは海洋性気候で、砂利が多いんですよね。それがカベルネに向いている。カベルネって熟れないとピーマンみたいな香りがしますが、この気候条件だと完熟でき、心地よい針葉樹のような香りに。尚且つカカオやコーヒーのようなニュアンスや、スパイス感のアクセントがあって、タンニンのバランスも悪くない!
Z ペアリングはどうですか?
T 「東坡肉風 豚角煮」が合うなと思いました! タンニンは脂質とすごく相性がいいんですよ。オーストラリアのワインはカリフォルニアと一緒で、日射の強さによる甘みがあります。この果実味が角煮のオリエンタルな味わいとマッチするはず。
T 番外編として、キャメルファームワイナリーの新作ロゼスパークリングもおいしかったのでピックアップしてみました。
Z ¥3,828はちゃんとおいしくないと許せないプライスですよ! 自信作なんだろうなあ。
T 今、国産ワインブームで、北海道ワインは成長著しい。なかでも余市は日本を代表する産地になりえるし、世界が注目する可能性があると思います。余市はピノ・ノワール推しですが、これまで日本ではピノ・ノワールをおいしく造ることが難しかった。北海道は冷涼で本州よりもカラッとした気候が適していて、追い風が吹いていますね。
Zピンクグレープフルーツのような果実味でアガる味! お祝いの時に飲みたいです。
T シャルマ式というタンク内二次発酵なのですが、この製法はフルーティなスパークリングを造るのが目的。瓶内二次発酵と違って、澱と接触する時間を取らないことで、こういうフレッシュなスパークリングを造ることができるんですよ。
Z このロゼスパークリングの推しポイントは?
T 甘みがあるんですけど、酸味とのバランスがいい! ピノ・ノワールらしいラズベリーや苺のニュアンスを感じます。余市のスパークリングは希少性もあるので、プライスも納得。
A 色も可愛いし、めちゃくちゃ飲みやすい! うんちくもいっぱい語れてワイン通ぶれる(笑)、社交ツールにもなってくれますよ。