ソムリエ田邉公一さん監修【カルディコーヒーファーム】で選んで間違いなしの絶品ワインBEST6【うち飲み向上委員会vol.37】

食材の宝庫、カルディコーヒーファーム(以下カルディ)といえば食いしん坊のパラダイス! 日本を含む世界中のおいしいものが店内にあふれ、これはという逸品を探すのが楽しい。その一角ではワインも大充実! リーズナブルは当たり前、最旬産地やトレンドも押さえたラインナップはワイン初心者にとっては気軽にお試ししやすく、ワインラヴァーも虜にする。今回のうち飲み向上委員会では、前回のコストコワイン特集に引き続きソムリエの田邉公一さんと一緒におすすめワインをご紹介!



ソムリエが推す!カルディのワイン&ペアリング

ライターYOKOMIZO(以下Z)ソムリエとして活躍される一方で、その知識を惜しみなく伝えてくれる田邉さん。コンビニなど身近なお店で見つけられるおいしいワイン情報を発信されていて、うち飲み向上委員会のメンター的存在です!

田邉公一さん(以下T)カルディのワインは、コンビニのワインと同じようにコロナ禍のステイホームが出合うきっかけに。ペアリングフードもその場で一緒に買え、その食材もまた魅力的なものばかりで嬉しい発見でした。

エディターAKIYAMA(以下A)ワイン選びのヒントになる情報が今回も盛りだくさん! それぞれのワインとのペアリング、「ベストうち飲み賞」もチェックして。

ポルトガルのドライなロゼ「バルカトリナ ロゼ」

バルカトリナ ロゼ
バルカトリナ ロゼ〈750㎖〉¥968/カルディコーヒーファーム

T ポルトガルの南、アレンテージョ地方で作られているロゼです。ロゼって甘口の印象を持たれている方が多いですが、これは非常にフルーティでありながら今の時流にのった辛口スタイルに仕上げています。ロゼは赤の品種を使うけど、醸造方法としては白ワインに近く、味わいは白寄り。基本的に冷やして飲むとおいしいです。

Z ポルトガルはロゼが有名なんですか?

T いえ、ポルトガルはポートワインが有名。あとおいしい白ワインも作られています。カルディはポルトガルのロゼが充実していますね! 流行りをちゃんと押さえながら、手堅いワインからめずらしくて遊びのあるワインまでバラエティに富んだセレクションだなと思います。

A ペアリングに選ばれた、「たらこスプレッド」は人気商品。どのように食べるのがおすすめですか?

T たらこパスタはどうでしょう! ポルトガルは鱈が有名ですし、海産物をよく食べる。色調も合いますし、味わいや風味も似ているところがあるのでいいと思います。もしくは小エビのアヒージョもいいですね、シーフード料理なら間違いないです。

A 家で手軽にバル気分ですね、やってみたい!

北海道ワイナリーのスパークリング「バッカス エクストラ・ドライ 2021 ヴィエイユ ヴィーニュ」

バッカス エクストラ・ドライ 2021 ヴィエイユ ヴィーニュ
バッカス エクストラ・ドライ 2021 ヴィエイユ ヴィーニュ〈750㎖〉¥3,278/カルディコーヒーファーム

A 北海道といえば、今世界が注目するワインの銘醸地。余市町にあるキャメルファームワイナリーの新作スパークリングをいち早く飲ませていただきましたが、おいしいですね〜!

T 使われているバッカスはドイツ品種アロマティックで、マスカット系の香りが特徴です。北海道の冷涼な気候はドイツと似ているので、やはり良い仕上がりですね

Z ほんのり甘みがありますが、ベースの酸がしっかりしているので、後味はすっきりしています!

T エクストラドライというのはちょっと甘いという意味。ブリュットが辛口で、エクストラブリュットはもっと辛い、という意味です。ワインを飲み慣れていない人だと超辛口は苦手に感じるかもしれないけど、ちょい甘なこの泡は飲みやすく、おいしいと感じやすいと思います!

A OMG、エクストラドライは激辛かと! 用語を知らないと飲みたいワインとズレちゃうから、これは大事。ペアリングはいかがでしょう?

T  フルーティでクリーミー、シードルっぽい味わいの泡なので「カンボゾーラ」とぜひ

Z 確かに爽やかな甘みはシードルに近い。だからチーズはこのくらいちょっとクセがある方が良い! でこぼこグッドバディはエンタメ界でも鉄板ですからね。ちなみに私はツンデレと生真面目とのエモさ炸裂のバディが好きです♡

A その情報いらんから(笑)。でもケミストリーの例としては間違いではないのかもしれない。

T フランスでは、シードルの産地とカマンベールの産地はご近所なんです。カンボゾーラは、フランスのカマンベールとイタリアのゴルゴンゾーラを組み合わせたドイツのチーズで、ドイツ品種のワインとならドイツ合わせで楽しめますよ。

飲みやすさ抜群! スペインの赤「コバ・サンタ スウィート・ガルナッチャ」

コバ・サンタ スウィート・ガルナッチャ
コバ・サンタ スウィート・ガルナッチャ〈750㎖〉¥979/カルディコーヒーファーム

Z スペインのバレンシアから、エチケットがチャーミングな赤ワイン。これ、ちょっと甘めですね。

T 甘口の白はよくあるけど、甘口の赤というのはお客さんからリクエストされたとしてもめったに無いので、普通の赤かポートワインみたいなものしか選択肢がない。そんな中でスウィート・ガルナッチャは、品種がガルナッチャで甘口仕上げだからかなり珍しいんです! 

A 珍しいけどちゃんとおいしい! 奇をてらっている味ではないです。

T カシスリキュールのような香り、シナモンのスパイス感、バルサミコやチョコレートのニュアンスなどガルナッチャの特長もしっかりとあります。それでいて甘口だから、赤ワインが苦手だなという人にも飲んでもらいやすい味のはず。

Z おいしいけれど、個人的には食事と合わせる感じではないのかなと……。

T ハンバーグなら合うと思いますよ! デザート合わせはもちろん、一日の終わりに一息つきたい時などチョコレートとのペアリングは、心も満たしてくれるはず

飲まなきゃ損! ハイコスパ白「GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン」

GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン
GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン〈750㎖〉¥1,394/カルディコーヒーファーム

T 僕が初めてカルディに行った時に買った、ワイン第一号です! ワインコーナーで目にした瞬間、これだと思いました。ラベルを見るとエリアは「フランケン」、品種は「シルヴァーナー」、そして辛口を示す「トロッケン」と書いてあるので間違いない。熟成度を表す「カビネット」は一般的に葡萄がしっかり熟成していてちょっと甘い場合が多いんですが、トロッケンとついていることからドライでフードフレンドリーであることが読み取れます。

Z ワイン探偵がすごすぎる! こんな謎めいたボトル、迷宮入りと思われた事件が速攻で解き明かされました!

A どんなワインなのか想像が付かず、なかなか手は出せないよね。飲んでみると、ライムやグレープフルーツのような柑橘系の中でも酸味がきりっとした味わいがおいしいのに!

Z この瓶は生産エリア特有のものなんです。日本の人には珍しいだろうけど、そういうワインをあえてすすめるのが専門家の矜持でもあるので。しかもフランケンのシルヴァーナーなら通常はもう少し高いのでハイコスパですよ。今回をきっかけに急激に在庫が動いたら嬉しいですね(笑)。

A 棚を動かす男! すべてがクリアになったので、これからは迷わず買えます! おすすめのペアリングは何でしょう?

T ぜひホワイトアスパラガスの瓶付めと一緒に!ドイツはホワイトアスパラガスをすごくよく食べるので、組み合わせたらいいなと思いました。

高級赤の味わいを¥3,000以下で!「ボスキ・デイ・シニョーリ バローロ」

ボスキ・デイ・シニョーリ バローロ
ボスキ・デイ・シニョーリ バローロ〈750㎖〉¥2,948/カルディコーヒーファーム

T イタリアの王様と言われるバローロ。長期熟成で作られるワインは高級感のある味わいが有名で、値段もはります。これは2018年のもので5年目に入るので普通はもっと高いから、破格の値段です! どれだけのクオリティなのか気になって飲みました(笑)。

A 飲んでみていかがでしたか?

T  ネッビオーロという葡萄の個性が出ていてちゃんとバローロ、お買い得のワインだと思います。第3アロマといわれるアロマがバローロの特徴で、それはなめし革のような動物的な香り、マッシュルームやポルチーニのような土っぽいニュアンス、クローブみたいなスパイス感など。そういったアロマをちゃんと感じられますね!

A ペアリングは何が合いますか?

T バローロは、アルバという高級白トリュフで有名な街の近く。カルディでは白トリュフオイルを売っているので、それをカルボナーラにかけてぜひ。クリーム系のパスタにも赤のタンニンって結構相性が良く、本場イタリアではよくあるペアリングです! 高級路線でありつつも、だいぶお手頃に贅沢な味を楽しめる組み合わせです。

Z ところで、なぜバローロって大き目のワイングラスに入れるんですか? 貴族のお戯れではないですよね?

T 違いますね(笑)。グラスの大きさ=ワインのエネルギーの大きさ、なんです。シンプルで軽いワインは、大きいグラスだと香りが飛散して持て余すので、小ぶりのグラスが最適。逆にバローロのように、色んな香りがあるワインが小さいグラスだとその力を十分に発揮できなくなってしまう。あるはずの香りが感じられなくなってしまうので、大きなグラスで広げてあげる感じです。

A キャラクターに合った器が必要、ファッションにも通じるセオリーだわ〜!

世界的トレンドの泡「アルティキアーリ プロセッコ エクストラ・ドライ」

アルティキアーリ プロセッコ エクストラ・ドライ
アルティキアーリ プロセッコ エクストラ・ドライ〈750㎖〉¥1,537/カルディコーヒーファーム

T シャンパーニュ以上に、世界で今最も消費されているスパークリングワインがプロセッコ。プロセッコという名前さえあれば、ある種ハズレがないんです

A コストコの回でも、プロセッコが大人気になったことにより爆誕したロゼプロセッコを紹介していただきました! それほどのトレンドになった理由は?

T 決してシャンパーニュの品質が下がったわけではないんですよ。プロセッコの方がさらに作り手によるクオリティに差がない、ということ。理由はプロセッコを名乗るための規定として、生産地がベネト周辺のエリアであること、品種や醸造の仕方が指定されていて、フルーティなスタイルということも決められているから、どうしたって味わいが似てきます。しかも長期熟成しないで、どんどん作ったら出荷していくからスパークリングとして手に取りやすい値段が可能に。

Z 高級酒でなく、どれを飲んでも味わいやおいしさにバラつきはないって嬉しいし安心! 果実味があって飲み飽きない味わいは、春夏の定番にしたいです。

T そうなんです、だから恐らく世界でウケたのかと! 泡が飲みたいと思った時に、プロセッコのこういった特徴を思い出してくれると選びやすくなりますよ。

A 迷ったらプロセッコ、一か八かの博打買いは卒業しましょう!

T ペアリングはテロワール合わせで、生ハムの切り落とし」にしました。プロセッコを生産するエリアは、南にパルマ、生ハムの産地であるサンダニエーレも近くて生ハムがよく食べられています。余裕があればパセリをのせ、ちょっとだけオリーブオイルをかけて食べるのがおすすめ。十分前菜として成立しますし、見た目も華やかになりますよ。



〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表します!〜

T いつもはそれぞれ単品で購入していますが、改めてカルディのワインを飲み比べてみたらおいしいですね。どれも自信を持っておすすめできます。

Z  GWF フランケン シルヴァーナー カビネット・トロッケン」がおいしかったのと、自分ではなかなか選べないワインだと思うので、新たなチャレンジの後押しになれば!

A 「バッカス エクストラ・ドライ 2021 ヴィエイユ ヴィー二ュ」とチーズの組み合わせが最高でした♡ ちょい甘の泡にクセありしょっぱいおつまみ、エンドレスなおいしさです。

Z キャメル珈琲グループが仕掛けるキャメルファームワイナリーですが、印象はいかがですか? 

T かなり良いなと思います! 日本ワイン自体が盛り上がっていて、北海道はノリに乗っている産地ですから、今後も要チェックですね。

A カルディのワインペアリングと春の素敵な休日をお過ごしください!

カルディコーヒーファーム
https://www.kaldi.co.jp/
※商品の取り扱いは店舗により異なります。

【うち飲み向上委員会メンバー】

田邉公一
ソムリエ・ワインディレクター。レストランやワインショップ数社の飲料の監修を手掛ける。飲食店のワインはもちろん、コンビニやスーパーのワインにも一切の妥協なく日夜真剣に向き合っている。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の講師。https://twitter.com/tanabe_duvin

ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。

エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ3年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。

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