2021 JOLLY ORANGE〈750㎖〉¥4,290/ウィルトス(VINA NA SLUPKACH)
N オレンジワインの起源はジョージアですが、国際市場では忘れられていたワインでした。それを復活させたのがイタリアのフリウリ州のワイナリー。白葡萄を使って赤ワインのように造る白ワインのことで、その色味からオレンジワインとかアンバーワインと呼ばれるようになりました。 A 赤ワインと同じということは、果皮や果肉、種などを一緒に発酵させるということですね! N そもそもは、重めの赤くらいしっかりした味筋のワインだったんです。そう考えると、今のトレンドとはだいぶ違いますね。今日ご紹介する6本もモダンな味わいで、華やかな香りが特徴的です。どうしても重めのオレンジワインは値段も上がりますが、リーズナブルでライトな味わいのオレンジワインが出てきて、世界的に人気に! バリエーションが増えたことで若い人も飲みやすくなったし、いいことだと思います。 Z このチェコ発オレンジワインは結構しっかりめの味わいですよ、ママレードのような苦みがおいしいです! N モスカテルのようなアロマティック系の葡萄品種はクリアに造ると香りが強くなり過ぎちゃう。醸すと、酵母のニュアンスが出るので味わいがマイルドになるんです。バランスがよくなるというメリットがありますね。
Z 醸すってなんですか!? ぶちかますってこと!? A ワインはぶちかまさない!(笑) N 醸すっていうのは果皮・果肉・種子などを果汁と共に漬け込む工程で、マセラシオンともいいます。醸し時間によって色合いや味わいに違いが生じるので、時間はワイン・生産者によって異なる。色を付ける必要が無い白ワインは、通常醸す必要がないんです。 Z なるほど! オレンジワインの造り方だから、果皮からのタンニンもあって奥行きがあるということですね。
N 5年前くらいからかな。造るのにお金はかからないけど、リスクがあるんですよ。白ワインはタンニンがほぼないので酸化して熟成が進みすぎちゃうから、マセラシオンする期間がかなり重要。しかも自然派ワインだと亜硫酸を使わないので、葡萄のコンディションや気温を考慮しないと雑菌が繁殖しちゃうので手間がかかります。日本だと湿度も高いから管理が大変! このワインを生産しているチリとか乾燥地帯の方が比較的容易で、向いていると思います。