2024年最新【カルディコーヒーファーム】で選ぶ、夏飲みワインをソムリエの田邉公一さんがセレクト【うち飲み向上委員会vol.58】

気軽なうち飲みや、ちょっとした手土産を買ったりするのに大活躍のカルディコーヒーファーム。コスパ抜群のワインが充実するワインコーナーは常に新しさがあり、そのラインナップはワイン通をも唸らせるもの! 今回のうち飲み向上委員会ではソムリエの田邉公一さんと一緒に、暑い日に飲むと特においしい厳選ワインをナビゲート。

気軽なうち飲みや、ちょっとした手土産を買ったりするのに大活躍のカルディコーヒーファーム。コスパ抜群のワインが充実するワインコーナーは常に新しさがあり、そのラインナップはワイン通をも唸らせるもの! 今回のうち飲み向上委員会ではソムリエの田邉公一さんと一緒に、暑い日に飲むと特においしい厳選ワインをナビゲート。



夏に飲むならこの5本! ソムリエが選ぶおすすめワイン

ライターYOKOMIZO(以下Z)。寒い冬と蒸し暑い夏では、飲みたいワインの味わいも変わるというもの。今日は田邉さんに、今の季節に合うおすすめワインを教えていただきたいと思います!

田邉公一さん(以下T)新商品が続々と登場するカルディコーヒーファーム(以下カルディ)はコスパの良さだけでなく、トレンドやレアな商品をいち早くキャッチしているのがすごい! 今回も新しい発見があったので、お楽しみに。

エディターAKIYAMA(以下A)おつまみまで一緒に購入できるのが、カルディの便利なところ。おすすめペアリングと、「ベストうち飲み賞」もチェックして!

喉ごし爽快! 柑橘系白ワイン「カーサ・サントス・リマ バルカトリナ ブランコ」

カーサ・サントス・リマ バルカトリナ ブランコ〈750㎖〉¥1,188/カルディコーヒーファーム
カーサ・サントス・リマ バルカトリナ ブランコ〈750㎖〉¥1,188/カルディコーヒーファーム

A 最初はポルトガルの白ワイン。レモンやライムを思わせるきりりとしたスタイルに、ピーチの香りがプラスされ、夏っぽさ満点ですね

T 南ヨーロッパに位置するポルトガルは、海に面している土地が多く、夏向きのワインが充実しています。「カーサ・サントス・リマ バルカトリナ ブランコ」は、柑橘系とミネラル感のバランスが取れている1本。カルディで大人気の「エスカパーダ ヴィーニョ・ヴェルデ」と似た雰囲気がありつつも、もう少し穏やかな香りかな。

Z 土着品種のアリントなど3種の葡萄をブレンドしているようですが、ブレンドの方が単一品種よりリーズナブルな印象。その辺りいかがですか?

T 単一品種の場合、その葡萄頼りになってしまうので、品質や収穫量に影響されやすいんです。ブレンドは、広域でたくさん取れる葡萄を使えばリスクが減るし、色んな品種で臨機応変に対応できる。オリジナリティのある味やスタイルを造れる良さもありますね。だから比較的、ブレンドは価格をお手頃にできるのではないかと思います。

Z こちらは1,188円、気兼ねなくゴクゴク飲めちゃう価格です! 個人的には、氷を入れて飲みたいな

T そこにレモンを加えてもおいしいですよ! 白いサングリア的に。

A いいですね〜、バカンス感高まる!! ペアリングはいかがでしょうか?

T オリジナルの「塩レモンおかき」がイチオシ! ワインが持つ柑橘系のニュアンスに合わせたペアリングです。塩っけと軽やかさも相性がいいですよ。

カーサ・サントス・リマ バルカトリナ ブランコ〈750㎖〉をチェック!

ハイソな気分に浸れる山ロゼ「アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ エスティヴァル」

アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ エスティヴァル〈750㎖〉¥1,980/カルディコーヒーファーム
アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ エスティヴァル〈750㎖〉¥1,980/カルディコーヒーファーム

T こちらは新登場のロゼワイン、カルディで見つけた時はテンションが上がりましたね! ドイツとの国境沿いにある、フランス・アルザス地方が産地です。

Z フランスのロゼといえば南フランス、アルザスにロゼという印象はなかったので、新鮮です。こんなところにポツンとロゼワインがあった〜!

T 南フランスで造られたものを海ロゼとするなら、こちらは山ロゼ。アルザスは白ワインの産地ですから、赤も少ないですけど、ロゼはもっと少ないので非常にレア。最近黒葡萄のピノ・ノワールを特級区画に植えていい葡萄が取れているようなので、それでロゼも出てきたのではと推測します! 

A 実際に飲んでみていかがでしたか?

T 冷涼なアルザスで造られるピノ・ノワールはもっと酸が強めで軽快というイメージを持っていたのですが、果実味があり、甘味と酸味のバランスが非常に良いです。葡萄自体のレベルが上がっているので、期待通りのおいしさでした! カルディ的にはちょっと贅沢な値段かもしれませんが、それでもお買い得といえますね。

A 海ロゼと山ロゼの味わいの違いについても教えてください!

T 南フランスはグルナッシュという品種をメインにサンソーなどをブレンドする傾向。海の影響を感じる味わいで、ブラッドオレンジとか塩のニュアンスが特徴的。シーフードに合いそうなドライなワインが多いですね。一方で内陸地のアルザスは、ピノ・ノワールの単一ワイン。土っぽい風味や、マッシュルームなどきのこ系の香りも少し入ってくるような感じ。ラズベリーや紅茶っぽいフレーバーがあるでしょう?

Z 開放感あふれ、潮風由来のうま味を感じる海ロゼに比べて、山ロゼはスンと端正、ベリー系の甘みがほのかに。サーファーと登山家くらいキャラが違います!

A わかるけど、言い方(笑)。海ロゼはシーフードが合いますが、山ロゼはいかがでしょう?

T きのこやバターを使った料理が合いますよ。ハムやサラミ、大人気の「生ハム切り落とし」など、保存が利くタイプのお肉の食材と好相性。同じロゼでも、テロワールでペアリングがだいぶ変わりますね!

アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ エスティヴァル〈 750㎖〉をチェック!

高級ワインの味わいを体験「トンマージ グラティッチョ・アパッショナート・ロッソ」

トンマージ グラティッチョ・アパッショナート・ロッソ〈750㎖〉¥2,162/カルディコーヒーファーム
トンマージ グラティッチョ・アパッショナート・ロッソ〈750㎖〉¥2,162/カルディコーヒーファーム

T この赤はエチケットでは産地が広域になっているのですが、おそらく実質はヴェネト州じゃないかな。使われているコルヴィーナやロンディネッラという葡萄は、ヴェネト州のヴェローナあたりの土着品種。しかも一部採用しているという陰干し(アパッシメント)製法は、ヴェローナ近郊で造られる有名な赤ワイン・アマローネのスタイルなんです。

Z アマローネと陰干し製法とは!?

T アマローネは、陰干しの葡萄を使った辛口の赤ワインです。収穫した葡萄を陰干しし、糖分を高めてから醸造することで、風味と甘みが凝縮されたワインに。 イタリアで特に成功しているのが、ヴェローナ近郊エリアで造られるアマローネなんですよ。

A コク旨〜! 凝縮感があってリッチな味わいだけど、滑らかさも際立っているから重くないです。

T 甘いアタックの後、余韻は結構引き締まっていて、タンニンの緻密な印象がありますね。決して甘口に仕上げているわけではなく、飲み疲れない味で夏向き。アマローネは10,000円オーバーもザラにあり、安くても5,000円以上はする高級ワインなんです。この赤はノウハウを活かすことで、うまくアマローネの雰囲気を出せていると思います! 

Z 2,000円台前半で楽しめるというのは、かなりお得なわけですね! これくらい骨格がしっかりしているワインの場合、ペアリングは何がいいでしょうか?

T メイン料理は赤身肉がベスト! 鶏肉や魚だとワインの方が勝ってしまい、ジビエの野生味も違うなと思います。軽いスナックだったら、「ビーフジャーキー オリジナル」を風味が似ている「ビーツクラッカー」とどうぞ

トンマージ グラティッチョ・アパッショナート・ロッソ〈750㎖〉をチェック!

次に流行る!? 超人気葡萄で造る泡「サンドロ・デ・ブルーノ テッレ・ディ・テロッサ ソアヴェ・スプマンテ・ブリュット」

サンドロ・デ・ブルーノ テッレ・ディ・テロッサ ソアヴェ・スプマンテ・ブリュット〈750㎖〉¥1,540/カルディコーヒーファーム
サンドロ・デ・ブルーノ テッレ・ディ・テロッサ ソアヴェ・スプマンテ・ブリュット〈750㎖〉¥1,540/カルディコーヒーファーム

T イタリアのヴェネト州ソアヴェ地区、ガルガーネガという地元の土着品種から造られたスパークリング。前出のベローナと近いエリアです。こちらも、まさに夏な1本ですよ!

A 青リンゴ系のイキイキとした味わいが主体で、すっきりとした飲み心地。湿度も吹き飛ぶ爽やかさが、暑さでドロドロになった心身を生き返らせる〜!

T ソアヴェでスパークリングというのは珍しいんですよ。ソアヴェといえば白ワイン、泡はほぼ見かけない。カルディの新商品としてラインナップされていたので、すごいなと思いました。

Z ワインに限らず、カルディは情報のキャッチアップが光速。流行る前に、陳列されていますから。予言者がいるとしか思えません!(笑)

A リサーチ力の賜物だから! 泡は目新しいということですが、ソアヴェの白との違いはどうですか?

T 泡だとより爽快感を感じられますね。いい意味での甘みがあって、ドライすぎない飲み口で、きっちり冷やして飲むのがおすすめです。ソアヴェの泡の対抗馬になるのがプロセッコ。エリアは近いですが、プロセッコはグレーラという葡萄を使っています。プロセッコの方がもう少しアロマティックで甘い、ソアヴェの泡の方がより食中酒向きかな。棲み分けはできているので、気分やシーンに合わせて選ぶといいですね。

A 確かにソアヴェの泡は、食事と合わせやすい味わいですね! 

T ペアリングはオイル系パスタ、バーニャカウダやカプレーゼも。ソアヴェには「グラナパダーノ」というハード系のチーズがあるので、それをつまめたら理想的なんですけど

Z カルディに「グラナパダーノ」がありますよ、包囲網が凄すぎる!!

サンドロ・デ・ブルーノ テッレ・ディ・テロッサ ソアヴェ・スプマンテ・ブリュット〈750㎖〉をチェック!

BBQのお供! 「ローゼンブラム ヴィントナーズ・キュヴェ・ジンファンデル・ロット42」

ローゼンブラム ヴィントナーズ・キュヴェ・ジンファンデル・ロット42〈750㎖〉¥3,300/カルディコーヒーファーム
ローゼンブラム ヴィントナーズ・キュヴェ・ジンファンデル・ロット42〈750㎖〉¥3,300/カルディコーヒーファーム

Z こちらはオーバー¥3,000の赤ワイン。カルディの中では比較的高価格帯なだけに期待が高まります!

T とはいえ¥3,000台は一般的には中価格。しかも、この赤はジンファンデルという葡萄を使っていて、カリフォルニアでおいしいジンファンデルを造ると話題のワイナリーの一つのワインですから! タンニンがあまり強くなく、渋くないので飲みやすいですよ。

A フルボディなんですね?

T ボディは重くなります。なぜかというと、干し葡萄状態になるまで完熟させたブドウの粒を加えることで糖分が上がり、アルコール度数が高くなるから。だからといって飲み口はどっしりと重いというわけではなく、きれいな酸があり洗練された味わい。いいグラスで飲むに値すると思います

Z 葡萄が甘くなるといっても、甘口のワインというわけではありませんね。

T ジンファンデルにはもっと甘く仕上げているものもありますが、これはほどよくてバランスがすごくいい! 甘みがまろやかに感じられて、クローブの香りも。樽のニュアンスも感じませんか? スモーキーで、コーヒーみたいなニュアンスも。

A 重すぎなくていいですね。肉を食べるぞ!って時は、やはり暑くても赤が飲みたい。この樽香は、間違いなく肉と合いそうです。

T ジンファンデルはアルコール度数が高いけれど、飲み口として重くはないので夏向き。BBQでTボーンステーキとペアリングしたり、ワインと風味が似ているダークチョコレートもおすすめです

ローゼンブラム ヴィントナーズ・キュヴェ・ジンファンデル・ロット42〈750㎖〉をチェック!

〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表!〜

A コスパ抜群で優れたワインが出揃いましたが、改めていかがでしょう?

T 今回は、皆さんに新たな体験をしてほしいという思いを込め、ちょっと珍しい2本を選びました! 山ロゼこと「アンリ・エーラール ロゼ レゼルヴ エスティヴァル」は、フォーマルなペアリングコースに出てくるような優雅な雰囲気があります。もう一つは「サンドロ・デ・ブルーノ テッレ・ディ・テロッサ ソアヴェ・スプマンテ・ブリュット」ソアヴェの白ワインは世界的な人気があって、赤ワインのキャンティと同じような存在。そういうポピュラーなワインに、スパークリングが登場したというのは新しいし、何より満足度が高いので!

Z 夏のうち飲みを盛り上げる至極の5本。みなさんも是非堪能してください!

※商品の取り扱いは各店舗により異なります。

【うち飲み向上委員会メンバー】 
田邉公一
ソムリエ・ワインディレクター。レストランやワインショップ数社の飲料の監修を手掛ける。飲食店のワインはもちろん、コンビニやスーパーのワインにも一切の妥協なく日夜真剣に向き合っている。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の講師。https://twitter.com/tanabe_duvin近著に『ワインを楽しむ 人気ソムリエが教えるワインセレクト法』がある。

ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。

エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ4年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。