大好きな写真を飾ること、より良い社会を願うこと

いろいろなインテリア取材をしていると、海外の人たちは“壁を飾る”のが上手!と感心することがよくあります。家族の写真をコラージュしたり、好きなアートをまとめて飾ったり、一枚のアートを壁の色と合わせたり。好きなものがぎゅっと集合した壁の上級者な飾り方にも憧れますが、心に響く一枚をさりげなく白い壁に飾ってみる、というのは初心者でも踏み出しやすい一歩なのではないかと思います。特にお家で過ごす時間が長い近頃、日常の中にふと目に入る大好きな写真が一枚あると、暮らしのテンションはかなりアップする気がします(個人的な感想ですが)。そんな、美しい暮らしに目を向けることにフォーカスしつつ、そのお家の中での幸せな時間が、誰かの幸せにもつながるように、という企画がSPUR10月号からスタートします。

「写真を飾る生活」と題したこの短期集中連載は、写真家の作品にフォーカスして、紹介する写真をチャリティ販売。売り上げのすべてと、SPURから写真一枚につき一万円を作品のテーマとも関連する慈善団体に寄付する、というもの。第一回はSPURでもおなじみのフォトグラファー横浪修さんによる『ASSEMBLY SNOW』の販売をします。

『ASSEMBLY SNOW』の撮影風景。カメラのその先展開されている美しい世界をぜひ誌面で堪能してほしい。
『ASSEMBLY SNOW』の撮影風景。カメラのその先展開されている美しい世界をぜひ誌面で堪能してほしい。

アノニマスな集団を雪や青空を背景に切り取った不思議な静謐さがある作品群の中から、見る人が元気をもらえるような色彩が心に残る一枚を横浪さんが選んでくれました。「遠くから集団を見ることでグループや連帯することの美しさ、個人では出せないパワーを感じる」と語っていた横浪さん。さらに写真がチャリティ販売されることで、この連帯するパワーが作品から離れた“誰か”とも繋がっていくことになりますね、とも。横浪さんは子どもを被写体とした作品も多数発表していることもあり、「事情があって親がいない子どもたちが、やりたいことを諦めることなく夢に向かって進めるように」という視点で、子どもを支援するNPO法人ブリッジフォースマイルを寄付先として選びました。一枚の写真から広がる暮らしと社会の可能性。ぜひ読んで、飾って、考える機会としていただけたらうれしいです!

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