脱炭素への貢献が期待できる! 東レが世界で初めて開発した100%植物由来ポリエステルがイッセイ ミヤケのコレクションでデビュー【イッセイ ミヤケ×東レ】

しわになりにくく、しなやかで耐久性があるポリエステルは、その使い勝手のよさから世界中のアパレル製品で多用されてきた。しかし、その原料は石油由来であり、地球温暖化や資源の枯渇などの問題から、環境に配慮した植物由来のポリエステルの需要が高まっている。そんななか、ついに実用化されたのが世界初となる100%植物由来のポリエステル※「エコディア®PET」だ。

世界初の100%植物由来ポリエステル「エコディア®PET」がついに実用化

100%植物由来のポリエステルのチップ
100%植物由来のポリエステル糸を生産する前の状態。このチップを熱で溶かしてに糸にする。

長年、植物由来のポリエステルの量産化に取り組んできた東レ。バイオ燃料の米スタートアップ企業との共同開発による新素材「エコディア®PET」は、サトウキビ廃糖蜜から製造したエチレングリコールと、そしてコーンスターチ(とうもろこし由来のでんぷん)などから製造したテレフタル酸ジメチルを原料としたもの。紡績、製織、染色などの生産プロセスは日本国内で行われている。

イッセイ ミヤケのコレクションでも登場

イッセイ ミヤケの2023年春夏コレクションのルック1
イッセイ ミヤケの2023年春夏コレクションのルック。100%植物由来のポリエステルを使用したウェアが一般販売されるのは世界初。

イッセイ ミヤケは、2022年9月にパリで発表された最新の2023年春夏コレクションにおいて、「エコディア®PET」を採用したルックを制作。これまでにも、東レとの取り組みのもと、さまざまな低環境負荷素材の実用を進めてきた同ブランド。2021年には「132 5. ISSEY MIYAKE」において植物由来の原料を一部使用したポリエステルを採用した。

従来のポリエステルと同様に使える、品質の高さがポイント

イッセイ ミヤケの2023年春夏コレクションのルック2
100%植物由来のポリエステル「エコディア®PET」を使用したウェア。鮮やかなグリーンが美しい。

鮮やかな発色や風合いの良さ、メンテナンスのしやすさなど、従来のポリエステルと遜色ない品質を誇る「エコディア®PET」。今回イッセイ ミヤケのコレクションでは、新素材の可能性を探るため、通常に比べスムースな手触りの織り方で仕上げられた。コレクションでは、生地を折った状態で、部分的に円形のハンドプリーツ加工を施したパンツなどで登場。この円形のモチーフは、循環や再生をイメージしたもので、動きに合わせて、リズミカルに躍動する様子が印象的だ。

(※):ISO16620-1 3.1.5 biobased synthetic polymer content(植物由来比率)が100%

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