阪急うめだ本店「グリーンエイジ」の画期的なポイントは、売り場面積の約10%が体験やサービスを提供するスペースになっていること。従来の小売りだけではなく、イベントやワークショップの開催を通じて変化性を持たせることが狙いだ。
1日単位、1時間単位で変わるコンテンツ
例えば「コミュニティ パーク」と呼ばれるイベントスペースでは、1日単位、1時間単位でコンテンツを変え、自然とのふれあいやウェルビーイングにまつわる体験や学びを提供する。取材当日は、魚の養殖と水耕栽培を掛け合わせた循環型農業のアクアポニックスを行う「アグリコファーム」による、ハーブの植え付けのワークショップが開かれていた(すでに終了)。5月中は、フェアトレード商品のポップアップイベントやストレッチヨガイベント、子どもと一緒に楽しめるリサイクル陶器の絵付けワークショップなどを開催予定。各イベントの詳細は、阪急うめだ本店のインスタグラムに掲載されているので、ぜひチェックしてみてほしい。
要望に応じて、モノを大切に使うためのサービスを提案
電動自転車やカヌー、ログハウスなど、自然を楽しむ暮らしをサポートするブランドに出合える自主編集売り場が「グリーンエイジ エディット」。そこに併設されるかたちで、リペアやアップサイクル、レンタルサービスを提案する「リ コンシェルジュ」コーナーが常設されている。ここでは来店客の要望に応じて、モノの循環につながるさまざまなサービスを常駐コンシェルジュが紹介。アパレル製品のリペアやカスタマイズを受注する「リプロパーク」や、アウトドア用品のレンタルショップ「アウトドア ライフ」のほか、大正時代から黒紋付を染め続けてきた老舗、京都紋付による衣類の黒染めリウェアプロジェクト「K」もそのひとつ。シミや汚れで着られなくなった服を美しい黒に染め直し、新品のように蘇らせるサービスで、申込みは専用サイトから受け付けている(シャツやブラウスの場合は¥4,730から)。
西日本初出店の体験型ストア「ベータ(b8ta)」
販売を主目的としない体験型ストアとして出店しているのが、「ベータ オオサカ」。まだ一般販売されていない試作品をはじめ、最新のガジェットや家電など、世界中のイノベーティブな製品を体験することができる、いわばショールームのような店舗だ。出品企業に月額料金で展示スペースを提供し、製品に対する来店客の生の声や行動データを企業側にフィードバックするというビジネススタイル。来店客は売り込みをかけられることがなく、さまざまな製品に気兼ねなく触れることができる。
店頭には、日本初進出の空気から水を作り出すウォーターサーバー「カラピュア(Kara Pure)」をはじめ、国内外の26の出品ブランドの商品が集結。うち半数以上は大阪初展開となる。ここでしか得られない発見に、高揚すること間違いなし。
顧客の生の声を反映し、満を持して誕生した「グリーンエイジ」。営業統括部ゼネラルマネージャーの石田良太さんはこう意気込む。「おしゃれを楽しみながらサステイナブルな暮らしをしたいというお客さまのニーズは、コロナ禍を経てより強くなっています。『グリーンエイジ』のような、カテゴリーの枠を超えた売り場を設けている百貨店は、私たちの知る限りではほかにはありません。ミレニアルファミリー層をコアターゲットに、楽しく豊かなライフスタイルを提案していきたい」。時代の流れを柔軟に受け止め、新たな提案を積極的に行う姿勢は、阪急うめだ本店ならでは。従来の百貨店とは一線を画す体験を、ぜひ現地で味わってみてほしい。
グリーンエイジ
GREEN AGE
大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店8階
https://website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/greenage/
公式Instagram:@hankyu_greenage