女性の身体特有の煩わしさは生理に注目されがちだけど、おりものだって十分“生活の快適度”に影響していますよね。けれども生理に比べて話題に上がることや学ぶ機会が少ないから、私自身もなんとなく「まあこういうもんかな」とやり過ごしていました。が、先日訪れた展示で一変。「不安に感じたり、なぜだろうと思ってたのは、私だけじゃなかったんだ」と連帯を感じ、会場を出る頃には沸々と湧き上がるパワーを心に宿していました。
訪れたのは、おりものシートを販売する小林製薬の「サラサーティ」35周年を記念して開催された『My Body, My Self. -カラダの疑問展-』。身体や性にまつわる「しかたない」を可視化し、より快適に過ごせる社会に向けてアクションを展開するソーシャルプロジェクト「#しかたなくない」とのコラボレーションで実現しました。
本展示は、現在は終了しているのですが、ぜひレポートさせてください。
※2023年9月2日(土)〜9月5日(火)開催
中に踏み入れたときの第一印象は「おしゃれな空間!」。パステルグリーンやブルーのデザイン、さまざまな女性の写真を用いたパネルが目を引き、その空気感がおりものについて会話することへのハードルを下げてくれているよう。ワクワクした気持ちでパネルを見ていくと、「そもそもおりものとは?」「おりものの役割と周期」「セックスとおりものの関係」など目から鱗な情報の数々が。
いざ「なんだか今日のおりもの、様子がおかしいかも」と思ってネットで検索しても、どんな状態なら大丈夫で、どんなニオイだと病院に行くべきなのか、文字だけではピンと来ないのが正直なところ。そんなモヤモヤを晴らしてくれるコーナーも発見。おりものの状態・ニオイをそれぞれ、健康なときから医師に相談すべきときまで、上の写真の通り本物を模した見本で体感することができるのです。
何が正常なのか判断基準が分からずなんとなくやり過ごしてきたので、こういうことこそ学校で教えてほしかった……と思いつつ、こうして今学ぶ機会を得られたことに感謝です。
またライフスタイルに合ったおりものシートに出合えるように、とサラサーティの各シートの見本や特徴とともに、気になった製品のサンプルを持ち帰れるコーナーも。2枚重ねになっていて、替えを持たずとも1枚目を取ればフレッシュな2枚目を使えるアイテムや、Tバックショーツ用のスリムデザインのものなど、豊富なラインナップ。お気に入りのショーツこそおりもので汚さずに長く愛用したいから、デザインに合わせて選べるのは嬉しいポイントです。
来場者に数量限定で配布されていたガイドブックに載っているのはおりものにまつわる知識だけはありません。公式X(旧Twitter)で集めたおりものに関する疑問や体験談、今回の展示パネルに登場されたモデルさんたちへのインタビュー、そして作家・佐久間祐美子さんからのコメントも。
「身体について向き合い、話すことはなんでこんなに難しいんだろう? でも自分の身体とじっくり付き合うのは自分しかいないから、身体のサインを受け止めるアンテナを磨き、ヘルプが必要なときに迷わない自分を作ることが必要」という佐久間さんからのメッセージに、つい目の前のことにかまけて身体のサインを蔑ろにしがちな自らを振り返り、ひとり反省。そして同じ時代に生きる女性たちの生の声を目にして「そうだよね、そうだよね」と共感すると同時にこんなにも仲間がいるんだと、友人との会話でももっと気軽に話してみようと勇気をもらいました。
私自身、生理中にショーツが汚れてしまうことは「そういうこともある」と受け入れられるけれど、乾燥して白くなったおりものがショーツについているのは「恥ずかしい」と思ってしまいます。なぜだろうね、と展示会場スタッフの皆さんと話してたどり着いたのが「理解が少ないからではないか」ということ。男性はもちろん、女性自身ですらあまり知識をインプットできてこなかったおりものは、“汚いもの”と認識してしまうのではないかと。本当はそんなことないのに。
昨今、生理についてはオープンになりつつあり、性別問わず話題に上げやすい状況になってきたという実感があります。これからは次のステップとして、「生理以外の期間にも“おりもの”というものが日常的に分泌されていて、身体の状態をチェックすることもできる大切な存在なんだ」ということも広く正しく認知してもらいたい、と思います。そうすれば、おりものがついてしまうことを恥ずかしいと思うことなく、自信を持って可愛いショーツを楽しめるから。
【クラウドちゃんより】
そもそもおりものとは、その名の通り女性の身体の中から“おりてくる”、子宮や膣、汗腺からの分泌物が混じり合った粘性の液体。その主な役割は、膣内への細菌侵入を防いで綺麗に保ったり、受精を手助けすることなんだ。