漫画やドラマのテーマになるなど、「セックスレス」の悩みが注目されるようになってきた。一方で、パートナーとの(自分が望む頻度・時間を超える)セックスがあることによって感じる辛さや苦しさによる悩みもある。2024年4月に実施した「セックスレス」に関するアンケートにも、こういった「気乗りしないセックス」の悩みを抱える声が多数寄せられた。
一部では、自分の希望よりも性交渉を求める場合を“セックスフル”なパートナーとも言われていて、つまり「気乗りしないセックス」につながっている。これにまつわる辛さや悩みについて、読者3名に心境や現在の状況、解決への方法などを聞いた。また、第2弾の記事ではさらに、性医学と心理療法をもとにセックスカウンセリングを行うカウンセリングルーム Esolveの医師・木村将貴先生とカウンセラー・谷口陽子先生に、この実態やパートナーとのコミュニケーションの取り方などを伺った。
漫画やドラマのテーマになるなど、「セックスレス」の悩みが注目されるようになってきた。一方で、パートナーとの(自分が望む頻度・時間を超える)セックスがあることによって感じる辛さや苦しさによる悩みもある。2024年4月に実施した「セックスレス」に関するアンケートにも、こういった「気乗りしないセックス」の悩みを抱える声が多数寄せられた。
一部では、自分の希望よりも性交渉を求める場合を“セックスフル”なパートナーとも言われていて、つまり「気乗りしないセックス」につながっている。これにまつわる辛さや悩みについて、読者3名に心境や現在の状況、解決への方法などを聞いた。また、第2弾の記事ではさらに、性医学と心理療法をもとにセックスカウンセリングを行うカウンセリングルーム Esolveの医師・木村将貴先生とカウンセラー・谷口陽子先生に、この実態やパートナーとのコミュニケーションの取り方などを伺った。
▼【気乗りしないセックスのリアル】第2弾記事はこちら
SPUR.JPにて実施した「セックスレス」に関するアンケートにて、気乗りしないセックスへの悩みを寄せてくださった読者3名にインタビュー。セックスレスにまつわる読者体験談と同じように、気乗りしないセックスの悩みも三者三様。それぞれが置かれている状況や気持ちについて、胸の内を聞いた。
CASE1 【断った後の不機嫌さや、無言の誘いを感じ取ることが一番のストレス】/ハチさん(30代前半)
──セックスに対してストレスを感じるようになったきっかけは?
もともと、セックスがあまり好きではありませんでした。さらに後ろ向きになったのは、産後。夫に触られるのが嫌になってしまい、誘いを断ると、あからさまに不機嫌な態度を取られるようになりました。ときには冷たくされることもあり、相手の機嫌に振り回されてストレスを抱えるように。セックスに対してもイヤな気持ちが強くなっていきました。
──どのようなときに、ストレスを感じますか?
直接的だけでなく遠回しに誘ってくることもあり、相手の機嫌を感じることが一番のストレスです。たとえば、いつも以上に家事をやってくれると「セックスをしたいアピールなのかな?」と勘ぐってしまう。「今日は帰りが早いよ」と連絡が来ると、誘われているように感じられて「また応えなきゃ……」と負担に思ってしまいます。勤務の合間に、「今日いい?」とメッセージが来るとプレッシャーに感じて、仕事中に気分が落ち込む日もありました。
CASE2 【自分の気持ちを守りながら、相手も傷つけない折衷案を探り中】/まりさん(40代後半)
──セックスに対してどのようなストレスを抱えていますか?
根本的に、パートナーとセックスに対する考え方が違います。私は行為自体に意味を感じられず、「スキンシップなど別の方法で愛情表現ができる」と思っています。一方で彼は、セックスを愛情表現の一つとして捉え、頻度も重要だと考えている人。口にはしませんが、毎日したいと思っているはずです。
繊細な人なので誘いを断ると傷ついてしまい、「寂しい思いをさせてしまっている」と罪悪感を感じるように。ですが、眠たいのに行為を受け入れると、翌日の仕事に支障をきたしてしまう。22時頃に帰宅するような生活なので、それ以降に求められると「早く寝たいのに……」とストレスが溜まりました。
罪悪感から、転職するタイミングで時間に余裕をつくってみようと思いました。相手の要望を受け入れられるように生活スタイルを変えてみたのですが、前向きな気持ちにはなれなかったです。結局、忙しさが原因ではなく、私はセックスそのものが億劫なんだと気がつきました。
──どういった経緯でセックスが億劫に感じるようになりましたか?
行為自体に気持ちいいと感じることはなく、「この時間はなんだろう」と正直思っていました。私自身、毎日パートナーに会いたいというより自分の生活が大事。デートで月に数回セックスをするくらいなら大丈夫だったのですが、結婚して一緒に暮らすようになると、毎晩同じベッドで寝るので求められることが増え、かなり苦しかったです。
CASE3 【閉経後、減退する性欲と性交痛に悩むも、相手に相談しづらい】/なみさん(50代後半)
──セックスに対してストレスを感じるようになったきっかけは?
もともとセックスは嫌いではなかったのですが、50歳を過ぎて閉経し、性欲がガクンと落ちました。パートナーは性欲が強く、かつ1回の行為時間が長いので、彼が満足するまで終わらない。応じてあげたいけれど、彼の気持ちに応えられなくなってきました。
また、膣がパサパサして濡れにくくなり、痛みも生じるように。行為をした後に、膣周囲に腫れ物ができることもあり、座れなくなるほど痛いんです。サプリを飲んだりローションを使ったりしましたが、あまり効果がありませんでした。更年期障害について知識はありましたが、閉経後の性欲の変化についてインプットできていなかったので、変わっていく身体に自分自身戸惑っています。
──閉経後の変化について、パートナーの方はどのような反応ですか?
パートナーに「閉経して変わった?」と聞いてみたら、「性に対してアクティブではなくなったね」と言われました。濡れにくくなっていることも、気がついているみたいで。それでも、週末婚なのでデートのたびに毎回求められます。本心では、寝ているときに及んでくるのはやめてほしい、体力が削られるので次の日が休みのときだけにしてほしいと思っています。しかし、なかなか言いにくい。歳を重ねて、彼の性欲が減退するまで我慢しなくてはいけないのかな、と思い悩んでいます。
<インタビューを終えて>
「気乗りしないセックス」という悩みを抱えるきっかけは一人ひとり異なる。しかし、今回共通していたのが、「相手との関係性を壊したくないから受け入れる」という考えにたどり着き、自身が妥協せざるを得ないという状況。そして、そこにストレスを抱えているということ。
まだあまり語られていない、「気乗りしないセックス」について、第2弾では、「実際、どのくらいこの悩みを抱えている人がいるのか?」「どんなコミュニケーションをとって妥協点を見つけていけばいいのか?」にフォーカス。性医学と心理療法をもとにセックスカウンセリングを行うカウンセリングルーム Esolveの医師・木村将貴先生とカウンセラー・谷口陽子先生に話を伺う。