HPVワクチンを無料で受けられる「キャッチアップ接種」の期限は、2025年3月末まで。合計3回の接種を完了するためにはおよそ6ヶ月かかるため、希望者は早めの情報収集を。
子宮頸がん予防対策の一つとされている、HPVワクチン。平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性が無料で接種できる期限が、2025年3月と迫ってきている。
そもそも子宮頸がんとは、子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるがんのこと。主な原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染だ。日本では毎年、約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人の女性が亡くなっている。年代別に見ると、子宮頸がんは若い世代で発症する割合が比較的高いがん。その罹患者は20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失い妊娠できなくなってしまう人も1年間に約1,000人いる。(参考文献:『HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します(2024年2月改訂版)』厚生労働省)
そんな子宮頸がんから身を守るためにできることは、HPV感染を予防する「HPVワクチンの接種」と、がんを早期発見し治療につなげる「定期的な子宮頸がん検診」。ワクチン接種で原因ウイルスの8〜9割の感染を防ぐことが期待でき※ 標準的なスケジュールでは約半年間をかけて3回の接種が必要。そのため無料で全3回の接種を終えるには、2024年9月中に1回目の接種を完了しておく必要がある。接種方法などの詳細については、住民票のある市町村からのお知らせの確認を。
※キャッチアップ接種で受けられるワクチンは「2価」「4価」「9価」の3種類。このうち9価は9種類のHPVの感染を防ぐワクチンで、子宮頸がんの原因の80〜90%を占める、7種のHPV(HPV16/18/31/33/45/52/58型)の感染を予防できるとされる。全額自費で接種すると、全3回の接種で約10万円の費用がかかる。(参考文献:『9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について』厚生労働省)
実現に至るまでには署名活動なども行われ、当事者である女性たちが声を上げて得た権利でもある「HPVワクチンのキャッチアップ接種」。自分や友人、家族などにその権利があるかもしれない。無料で接種できる期限が近づいている今、接種するかどうか、改めて考えてみては。
『ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html