2020.01.10

杏奈と和子のビューティ・チャット

本誌でおなじみの、コスメティックへの愛が強すぎる長田杏奈さんと森山和子さんに2019年の下半期を総括してもらった。2人が注目するトピックとは?

▸▸ 長田杏奈 さんビューティライター。独自の視点で美容を掘り下げて発信。自身の著書『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)は美容のプロをはじめ、多方面から絶賛の嵐が絶えない。

▸▸ 森山和子 さんビューティエディター。本誌をはじめ多岐にわたる媒体で活躍する敏腕エディター。国内外問わず、コスメティックの情報を常にリサーチ。プロダクトへの愛は底知れず。

プロの2人から見た、 2019年のコスメティックスの傾向は?

森山 2019年下半期、それはもう、たくさんのプロダクトがリリースされましたよね。
長田 本当にそうだね〜。森山ちゃん的に印象に残っているプロダクトって?
森山 オレンジ系のアイシャドウが多かった気がしますね。しかも“キラキラ”の。
長田 確かに。繊細に光るランコム(1)とゴージャスに輝くイヴ・サンローラン(2)はいろいろなメイクアップの企画で紹介されてたよね。
森山 目もとにパールとかラメが戻ってきた感じはありましたね。しかも、そのきらめきが安っぽくなくて大人でも使いやすかった。
長田 そうかもそうかも! ラメがたっぷり入っていると、時としてパサパサに見えるけど、そんなラメはもう過去の話。大人にも似合う洗練されたきらめきのものが多かった。おかげでこれまでのメイクアップからガラッと変わって見えた印象がありました。
森山 しかも、オレンジとはいえ、日本人の肌のトーンにマッチする、ちょうどいい“黄み”がハマってた感じがありますよね。黄みに合う黄みだった。
長田 おお〜黄みに合う黄み! 
森山 黄み肌に黄みカラーのせるっておしゃれじゃないですか? 肌の色も整って見えるし。
長田 納得。(黄みに黄み、メモメモ……)

杏奈と和子のビューティ・チャットの画像_1

1 ブレンドしてもワンカラーで使っても美しい5色。パレット内のマットとパールの質感をミックスするのも楽しい。イプノ パレット 11 ¥6,800/ランコム

2 ドラマティックな輝きが。目もとの動きにもヨレずにフィットする。アクセサリー感覚でまとえるグリッター。シークインクラッシュ 6 ¥4,200/イヴ・サンローラン・ボーテ


森山 長田さん的に’19年の下半期は、何が印象的でした?
長田 マットの可能性がぐっと広がった印象!
森山 マットテクスチャーのプロダクトも変わらず出てたし、マットも多様化してますよね。リップだけ見ても、イヴ・サンローラン(3)とクレ・ド・ポーボーテ(4)が謳うマットが、全然違いますもんね。
長田 イヴ・サンローランのリップ(3)はマットだけど全然老けて見えないの。どちらかというと透け感のあるマットかな。
森山 マットなのに透けてるって絶妙だし、新しい。しかもすごい似合ってますね! 
長田 特にこの111番は、3歳児くらいの、何も塗ってない素唇みたいな仕上がりになるの。
森山 クレ・ド・ポーボーテのリップ(4)は潔く、ちゃんとマットだけど、シームレスでなめらか。マットなリップでも、モードなだけじゃなく、色っぽさみたいなのも感じられるようになりましたね。
長田 ねえねえ森山ちゃん、マットなアイシャドウも今までとはちょっと違ってたよね。
森山 トム フォード ビューティ(5)とか、RMK(6)がそうでしたね!
長田 トム フォード ビューティのクリームアイシャドウ(5)はマットなんだけど光を感じるところが気に入ってる。
森山 RMKのアイシャドウ(6)もそうです。テクスチャーがクリームだから、そもそもペタッとせず、立体感が出て使いやすかった!

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3 透けるように発色するシースルーマットが新しい。ルージュ ピュールクチュール ザ スリムシアーマット 111¥4,300/イヴ・サンローラン・ボーテ

4 潤いが長時間持続。ふっくらと立体感あるマットリップに。鮮やかな発色で情熱的な唇が完成。ルージュリキッドルミヌマット 107¥5,000/クレ・ド・ポー ボーテ

5 なめらかにのび広がり、ほかの色とのレイヤードも楽しめる。ロングラスティングがうれしい。エモーション プルーフ アイカラー 09¥5,000/トム フォード ビューティ

6 しっとりとしたテクスチャーが、肌にのせるとパウダリーにシフト。時間がたっても美しい仕上がりが持続する。ストーン ホイップ アイズ  05¥3,500/RMK Division

変わりゆくビューティトレンドにこれからも期待大!

森山 ベージュのプロダクトも使いやすくなったもの、多くなかったですか? アナ スイの新ラインのチーク(7)とか、まさにそう。
長田 肌になじみすぎちゃうベージュじゃなくて、ほのかに赤みを感じるベージュが多かったのかも。
森山 レ・メルヴェイユーズ ラデュレのリップ(8)も、シュウ ウエムラのリップ(9)も、イプサのリップ(10)も、深みのある色で、溶け込むというより、存在感が出る感じですね。

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7 ワンストロークで見たままの色が発色。血色感のある大人なベージュチーク。スイ ブラック パウダー ブラッシュ 700 ¥3,500/アナ スイ コスメティックス

8 光沢感のある美発色が◎。口紅のような色づきとグロスのような艶めきを併せ持つリッチなテクスチャー。ピュアさと気品を兼ね揃えたリッチなベージュ。リキッドルージュ 02 ¥3,200/レ・メルヴェイユーズ ラデュレ

9 するする塗れて心地よい。濃いカラーでメイクアップの主役に。ルージュ アンリミテッド アンプリファイド マット AM BG 961¥3,300/シュウ ウエムラ

10 みずみずしさを感じるマットで、パサつくことなく唇を彩る。
リップカラー 07 ¥3,200/イプサ 

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11 マット、メタリック、光沢の3テクスチャーがひとつのパレットにイン。タルティスト プロ トゥーゴー アマゾニアンクレイ パレット ¥2,200/タルト

12 自然なマットのブロンザー。ドルチェ&ガッバーナ ソーラーグロウ ウルトラライト ブロンジングパウダー 00(アジア限定色)¥7,800/ドルチェ&ガッバーナ ビューティ 

13 リッププランパーが配合され唇にはボリュームが。メルテッド リキッド マット ロングウェア リップスティック セル アウト ¥2,700/トゥー フェイスド


長田 あとはさ、日本上陸した海外プロダクトはこれからも注目していきたいよね。
森山 そうそうそうなんです! 米国発のタルトのアイシャドウパレット(11)とトゥー フェイスドのリップ(13)、伊発のドルチェ&ガッバーナのフェイスパウダー(12)など、見た目もテクスチャーも楽しめるプロダクトが豊富で、メイクアップの幅も広がりそうです。
長田 今までになかったカラバリとか、テクスチャーも多いし、コレクションしたくなるようなデザインも最高。
森山 ’19年の下半期だけ振り返っても、メイクアップのトレンドが著しく変化した感じ。
長田 変わっていく様も、また楽しいよね〜。もうさ、’20年の春新作もちらほらリリースされてるじゃない?
森山 あ〜! そういえば……

――2人のビューティ・チャットはまだまだ続く。

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