世界規模でブームとなっている、ランニング。健康維持のための運動にとどまらず、ウェルビーイングなライフスタイルの一部として選ばれるようになっている。そこから今注目を集めているのが、山や舗装されていない道を走る「トレイルランニング」だ。街中を走るのとは、装備もルールも異なるからこそ、超初心者が楽しく一歩を踏み出すためのスタートガイドをご案内。
今回アドバイスを伺ったのは、東京・馬喰横山にあるトレイルランニング・ランニング専門店「Run boys! Run girls!」のスタッフで、トレラン歴8年の上原万里さん。昨今のトレラン人気の理由から初心者の始め方、最低限必要な装備や山でのマナーまで話を聞いた。
世界規模でブームとなっている、ランニング。健康維持のための運動にとどまらず、ウェルビーイングなライフスタイルの一部として選ばれるようになっている。そこから今注目を集めているのが、山や舗装されていない道を走る「トレイルランニング」だ。街中を走るのとは、装備もルールも異なるからこそ、超初心者が楽しく一歩を踏み出すためのスタートガイドをご案内。
今回アドバイスを伺ったのは、東京・馬喰横山にあるトレイルランニング・ランニング専門店「Run boys! Run girls!」のスタッフで、トレラン歴8年の上原万里さん。昨今のトレラン人気の理由から初心者の始め方、最低限必要な装備や山でのマナーまで話を聞いた。
ハイキングから始めた登山をきっかけにトレイルランニングを始め、現在は日帰りの山行を中心に楽しむ。Run boys! Run girls! の店頭スタッフとして接客を担当するほか、グループランや初心者向けイベントのサポートにも携わる。週1回ほど高尾エリアを走り、年に数回レースにも出場。山を味わいながら、長い距離をゆったりと走るのが好み。
未経験者にも広がるトレラン人気は、ファッションとも繋がっている
1. トレランを始めるために。まず必要なのは、安全に山へ入る装備
では初心者は何を準備すればいいのだろうか。上原さんが真っ先に挙げたのは、トレラン用シューズだ。
「まずは滑らないこと、転ばないことが大事。そのためにトレラン用シューズはかなり重要です」
さらにベスト型ザックも基本装備として欠かせない。山では水分や補給食、スマホ、羽織など持ち歩くものが増える。ロードランニングより携行品が多くなるため、身体にフィットするベスト型ザックが便利だという。ただし、最初から高価な装備を一式揃える必要はない。
トレラン用シューズの選び方|「厚すぎないソール」が正解
ザックの選び方|5〜6Lを目安に、フィット感のあるサイズがおすすめ
アウターの選び方|最初の一枚はウィンドシェルでも十分
防水機能を持つレインウェアは安心感がある一方、価格は2〜3万円台が中心。一方でウィンドシェルは軽量でコンパクト。晴れた日の低山トレランなら十分活躍し、価格も比較的手頃だ。高機能ウェアが揃うアウトドアブランドがおすすめ。一方、途中ですぐに麓の街に降りられなかったりロープウェイなどでの下山が難しいなど、標高のある山に行く場合は、レインウェアを持っておく方が良い。
2. 身体の準備。近場の未舗装路を走ったり、ライトな大会に参加したり
初心者が気になるのが「どれくらい走れたら、始めていいのか」という点だが、上原さんは「明確な基準はない」と話す。とはいえ、もし山やランの経験がゼロなら、少し準備をしておきたい。
「ハイキングや登山の経験、あるいは日頃から軽くランニングする習慣があると安心です。トレランはペースの自由度が高いので、最初のハードルを高く設けなくても大丈夫。1キロあたり何分で走れないといけないという目安はありません」
疲れたら休んでもいい、というのがトレランの基本。実際、上りを歩くのは当たり前のこと。ロードランのように一定のペースで走り続ける必要はない。
「“ランニング”という名前に縛られない方がいいと思います。走れるところだけ走ればいいんです!」
案①:まずは“トレイルっぽい道”から始めるのもいい
それでもいきなり山へ行くのは不安という人も少なくないはず。そんな人におすすめなのが、未舗装路やアップダウンする道のある公園を走ること。
案②:短距離の大会に参加して、ノウハウを知るのもアリ
実際のところトレランへの入り方は、段階的に経験を積むのではなく「友人に誘われた」「早速大会に申し込んでしまった」というケースも多いという。上原さんいわく、初心者なら簡単な大会に参加してみるのも有効だそう。
「5〜10キロくらいの短い距離のレースに、講習会に参加するような感覚で出るのもいいと思います。コース誘導もありますし、道に迷うリスクも少ない。『Trailrunner.jp』という、僕らも使う有名なサイトがありまして、大会スケジュールも載っているので興味がある方はぜひチェックしてみてください」
トレラン大会というと競技色が強いイメージがあるが、短い距離のレースは完走を目指しやすい設計になっていることも多い。中には、子どもや犬と一緒に参加できるものもあるそう。
「マラソンほどタイムを競っていませんし、短い距離のレースほど制限時間もかなり緩めに取っていることが多い。トレランがどんなものかを知ることができるうえ、達成感も得られますよ」
案③:5〜10キロのコースからスタートしよう
初心者に無理がないのは、5〜10kmのコース。実際には、2時間前後ぐらいかけて走ることになる。登る区間の標高差を足し合わせた、累積標高の確認もポイントだ。
「10kmのコースの場合、累積標高は500mくらいがちょうどいい。例えば10kmで1000mの累積標高だったら、すごく登るなというイメージがありますね。自治体が出しているハイキングマップなどが、ちょうどそのくらいのコースになっているケースが多いです」
3. 超初心者のトレランモデルコースは、早朝出発→昼過ぎにゴール
山に行く前夜は、しっかり睡眠を取ってコンディションを整えて。リスク回避のためにも、当日は早朝から行動を開始するのがおすすめだ。
「午前6〜7時に自宅を出発し、1〜2時間後ぐらいに登山口に着いて、8〜9時頃から登り出すのがベスト。5〜10kmのコースだったら、ところどころ歩いたりベンチで休憩したりしても3〜4時間で走り終えられます。ちょうどお昼過ぎに終わるので、周辺でお風呂に入ったりリフレッシュして帰るのが王道パターンです」
4. 歩いている人を見かけたら、自分も歩く人になる。“速さ”よりも“安全&マナー”
トレランを楽しむ一方で、意識したいのが山でのマナーだ。上原さんが伝えているのは、「歩いている人を見かけたら、自分も歩く人になること」。
5. トレラン最大の魅力は、雑念がなくなること
上原さんが語るトレランの魅力は、単なる運動効果だけではない。
「山の景色や空気ももちろんですが、足もとを見ながら進まないと転んでしまうので、自然と目の前のことに集中するんです」
山では木の根や岩、段差などに注意しながら進まなければならない。その結果、雑念が消え、走り終わった時には頭の中まですっきりする。
「マインドフルネスみたいな要素もあると思います。疲労感とともに得られる爽快感は、個人的にはロードランより高いかなと感じています」
6. 疲れたら休む。無理せず頑張らないことが長く楽しむコツ
走ることだけが、トレランではない。アップダウンのある山を相手にしているのだから、ペースに波があるのは当然のこと。上りを歩き、美しい景色を眺め、ベンチがあったら休憩する。無理して頑張らないのが、続けるコツだ。
「疲れたら、歩いたり止まったり。怪我をしないためにも、そういう選択肢を持っていてほしい。山の匂いや景色、非日常な環境に身を置けることがトレランの大きな魅力だと思います」






