無敵のタイムレスカラー、ベージュ。捨て色知らずのベージュ系パレット市場をひととおりパトロールしてみたわたくしが、「この値段でこのパフォーマンス?」と思わず呟いた、下半期のプチプラベージュベスコスを発表させてください。いまどき「クワイエット・ラグジュアリー」にだって寄り添える、透明感と余韻を残す実力派。いずれもお値段の数倍以上のお仕事、してますよ!
スキンケアも、メイクアップも。人気ブランドの「いいとこ取り」!
どちらから声を掛けたのでしょう。幸せなマリアージュに感動を覚えます。フジコとバイユアが、お互いの強みを持ち寄って、ひとつのパレットにドッキングさせました。
フジコの「足しパレ」といえば、まさに「料理の最後の隠し味」。あるようでなかった中間色に着目した、スキマ産業のスターです。このたびツヤ出し&スキンケアスティックとして定番人気のバイユア「セラムフィット ボリューミング グロースティック」が、パレットにジャンプイン! 右端のバーム状のスクエアが、まさにそれ。目もとなどがかさついたら、保湿にオン。ツヤめくまぶたの土台作りにも使えるほか、頬骨やキューピッドライン、鼻筋のハイライトにも。
左端のマットなピーチピンクはチークやアイカラーに、その隣のベージュ×ブラウンのコンビカラーはアイブロウやアイラインに。右から二番目のキラキラは、ハイライトカラーとして下まぶたやキワに指せば、光をギュンと集めます。
ツヤ足しに、影足しに、血色足しに。困ったときのアベンジャーズと断言したい! ツヤっぽい仕上がりを簡単にかなえてくれます。凄腕のシェフの必殺スパイス棚があったなら、きっとこんな感じ。旬のクワイエット・ラグジュアリーを完成させる表情づくりのマストハブに認定したいと思ってます。
この透け感が心地よい、美ヘーゼル
10月に発売したケイトの新色。ヘーゼルブラウンという色名です。ケイトの同シリーズ、既存色も「できる子」ばかりなのですが、なぜ11番に注目したかというと。ずばり、理由は透け感です。
素肌を透過させるようなヘーゼルの色調が控えめで、これくらいの「影への踏み込み具合」がこの秋の気分にドンピシャ。右から二番目のカラーニュアンスシェードのコッパーベージュも、寸止めギリギリの赤み計算。気配を感じるけれど強すぎない、やさしい美ヴェールを、まぶたに運びます。
¥800以下でいいんでしょうか?
2023年を振り返ると、セザンヌが元気だったなぁと実感するんです。スマッシュヒットを放ち続けているプチプラ界の星、それがセザンヌ。時代の空気を読みながら、消費者の目線に合わせたモノをサッと届けてくれる。ビタートーンアイシャドウがその好例です。
このパレット、甘さと辛さの均衡が秀逸。そして4つのうちの3色をマットにしたという英断が、じつにモードでじつにイイ。ふんわり羽根のようなやさしいベースカラーとラインカラー、陰影カラーを配置しておいて、左下にドンと高輝度のラメをもってきた、その緩急も気が利いているし、このラメにジェルを配合してあるので飛び散らない。表情にやさしさを運ぶオレンジトーンのベージュが、年末の焦りを和らげてくれること、間違いなし!
セザンヌからもうひとつ。自前のようなフサ眉が簡単に手に入るワックス&パウダーのコンビパレットです。特に気に入っているのが、ワックス。伸びの良さに特化したローリングパウダーを採用しているので、ベタ付きがないのに狙った「眉毛穴」を外さずに色をオン。しかもロングラスティングで、長かった晩夏も眉尻ラインを守り、ほとばしる汗に打ち勝ってくれました。
W2はより自然なナチュラルブラウン。平筆でワックスを取り、きりっと輪郭をデファインしてから、反対側のブラシでパウダーを重ねる。それだけでお出かけ眉の完成です。ちなみに使えすぎてしまうこのワックス、ノーズシャドーにも活用しています。
ドラッグストアでプライスを二度見してしまうプチプラの精鋭たち。まさにクワイエットで口数は多くはないけれど、しっかり仕事をして、自信まで運んでくれる子ばかりです。