私にとっての「ドルチェ&ガッバーナの香水」#深夜のこっそり話 #1310

すれ違った人や通りすぎた場所から懐かしい香りがした時、一瞬だけ昔にタイムスリップしたような気持ちになりませんか? 私はなんでもメモしておかないと不安になるくらい記憶力が乏しいのですが(笑)、香りと結びつく記憶だけはよく覚えています。

最近どこに行っても耳にする、シンガーソングライター瑛人さんの曲『香水』(作詞・作曲  8s)でまさにそんな状況が歌われていて、初めて聞いた時に胸がキュッとなりました。2019年に発表されたこの曲は、今年に入ってからTikTokをはじめとするSNSでバズり大ヒット。優しい歌声と柔らかなアコースティックギターの音色はもちろん、なんといっても耳に残るのはサビ部分のメロディーと特徴のある歌詞です。「別に君を求めてないけど横にいられると思い出す君のドルチェ & ガッバーナのその香水のせいだよ」これを聞いたときに私の頭に浮かんできたのは、愛用していた香水の香りと、それにまつわるストーリーでした。極私的な話ですが、ほんの少しお付き合いください。

もう使い切ってしまって手元にないのですが、「ドルチェ&ガッバーナの香水」 と同じように、香るたびに「かつての想い人」を思い出してしまうのは「イッセイ ミヤケ ロードゥ イッセイ プールオム」。10年前のウブな私は、大学の先輩である彼がつけていた香水の名前すら、尋ねることができませんでした。聞く勇気が一向に持てないので、仕方なくメンズの香水売り場で片っ端から嗅いで、「これだ!」と思ったこの香りをこっそり身に付けていたのです。彼は私がこの仕事に就くきっかけになった憧れの人。追いつきたい一心で真似しようとして空回りばかりしていた姿は、今思えば青臭くて笑ってしまいますが、それでも大切な記憶として、この香りとともに残っています。結局、その彼は全く違う香水をつけていたのですが……(笑)。

もうひとつは、フランス留学の思い出が蘇る「メゾン マルジェラ レプリカ フラワー マーケット オードトワレ」。フランス語がほとんど話せないまま無鉄砲に飛び出した留学中、心の支えとなったのは週末のウィンドウショッピングでした。特に当時から憧れていたマルジェラのお店はいつ行ってもドキドキ! そこである日スタッフから手渡されたのが、当時発売されたばかりの香水シリーズ「レプリカ」の香りをシュッと吹きかけた、試香紙代わりのリボンでした。必ずここに戻ってくるという決意と、留学のお守りとして、旅行バッグに結んでくたくたになるまで付けていました。今年に入ってミニサイズが登場したのですぐに購入。当時の野心を取り戻したい時に付けるようにしています。

他にも、キャリアチェンジの背中を押してくれた「ザ ダラス エモ パフューム」、亡き母と幼少期の実家を思い出す「アナ スイ オードトワレ」など、記憶と直結する香りがいくつかあります。ちなみに『香水』に出てくるドルチェ&ガッバーナの香水はどのアイテムなのかわかりませんが、私は今年3月に発売された「ドルチェ&ガッバーナ ドルチェ シャイン オードパルファム」を愛用中。ファッションやメイクに合わせてまとう香りも替えたいので、どっぷり甘めのファッションが気分の最近の私にぴったりな、明るく甘〜い香りです。この香りにどんな記憶が結びつくかは、何年後かの私が知っているはず。

心に残る香りと記憶、皆さんはありますか?



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エディターSATO

ネイルを塗っている時間が好きです。ポーチ、名刺入れ、スマホケースなど、ついピンクの小物を選びがち。臆病&やんちゃな黒猫2匹が相棒です。

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