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裁判に敗訴した数時間後に、米カリフォルニア州モンテシートにある自宅付近の邸宅で、『BBC』のインタビューに応じたというヘンリー王子。そこでチャールズ国王や王室などを再び非難したほか、裁判所の判決を「体制側の策略」と表現。「衝撃インタビュー」と報じられ、英国内を揺るがす事態となった。
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英紙『The Times』によると、2020年に現役王族を退き、米国へ移住したヘンリー王子は、英国訪問時に税金で賄われる警察の警備を受ける権利を求めて内務省と3年にわたり争ってきたが、裁判所は王子の訴えを却下。
王子の状況が変わり、もはや現役の王族ではなく、英国にも住んでいないため、警備態勢を変更したという内務省の決定を支持するという理由だそう。
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『BBC』はこの判決について、バッキンガム宮殿から「疲れた親のような返答があった」と報道。「これらの問題はすべて裁判所によって何度も綿密に検討され、そのたびに同じ結論が出されてきました」というコメントで、裁判所や政府によって検討されている問題に国王が介入するのは正しいことではないというスタンスを示唆したという。
『BBC』によれば、今回のヘンリー王子のインタビューは王子の溜まりに溜まったフラストレーションと悲痛な疎外感が一気に放出された「感情的な雪崩」のようなものだったそうだ。
王子は「英国が恋しい」が警備を失った今、家族と英国に戻ることは「不可能」だと発言し、こう続けた。「子どもたちに祖国を見せられないのは本当に悲しいことです」。
このインタビューで問題視されている点は複数あるようだが、そのひとつは王子が今、家族との関係修復のネックになっているのは安全保障をめぐる問題のみだと断言したことだという。
『Daily Mail』は、オプラ・ウィンフリー(71)との“爆弾インタビュー”やNetflixのドキュメンタリー番組、回顧録『Spare』などで繰り返し私的な会話を暴露し、家族を攻撃してきたことを棚上げするように、家族との対立点は「100%」自身の安全保障問題だと言い切ったことが、多くの人を激怒させたと伝えている。
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また今回新たに、王子が政府を攻撃の標的にしたことも話題に。インタビュー中、足を踏み鳴らしながら、上級王族の安全を守る責任を負う王族・公人保護委員会(Ravec)に対して怒りを露わにしていたとのこと。
王子が2020年に公務から退く際、英国滞在中に警備を受けられないと決定を下したのは、このRavec。王子は、委員会に王室関係者2人が名を連ねていることを知り、「あごがはずれて床につくくらい驚いた」と発言。「古き良き時代の体制が仕組んだ策略」だと激しく非難し、「この件はすべて、父を通して解決できるはずです」と述べたという。
英紙『The Times』によると、つまり王子は国王と旧保守党政権が共謀して、自身の警察による保護を剥奪したと主張したいようだが、王室は委員長に情報を伝えるために関係者が同席しただけだと説明しているそう。
『Daily Mail』によれば、このインタビューでもっとも反感を買ったのは、ガン治療中の国王について語った“憶測”とのこと。王子は家族と「これ以上、争いを続けても意味がない。人生は尊い」と話し、こう発言した。「父の余命がどれくらい残されているのかわかりません。警備の問題のため、私と話をしようとしませんが、和解できたらいいですね」。
王室関係者は英『ITV News』に対し、インタビュー全体が「和解の可能性を遠ざけた」が、この発言は「特に趣味が悪い」ものだったとし、故エリザベス女王(享年96)が聞いたら「心底ぞっとしただろう」とコメント。
また『The Times』によれば、チャールズ国王の親しい友人が、「国王は話さないのではなく、話せないのです。(ヘンリー王子と話した)数時間以内にはニュースの特番で取り上げられるとわかっているのに、プライベートでデリケートな会話ができるはずがないでしょう?」と語ったとか。
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『Daily Mail』日曜版『Mail on Sunday』の世論調査「Find Out Now」によると、この父子の騒動について、有権者の64%がチャールズ国王を支持。また、実に67%の人がサセックス公爵夫妻の称号は正式に剥奪されるべきだと回答したという。
というのも、夫妻は「ロイヤル」という言葉や「His/Her Royal Highness」の称号を使用しないとエリザベス女王と非公式に合意していたにもかかわらず、メーガン妃(43)がプライベートで妃殿下の称号を使用していたと報じられたばかり。
メーガン妃側は、商業目的ではないため取り決めに反した行為ではないと主張したというが、世間はその件からすでに、夫妻に対する敵意を募らせていたようだ。
そんなメーガン妃は今回のインタビューの数時間後、夫をサポートするかのようにモノクロの家族写真を自身のインスタグラムに投稿。
それはモンテシートの自宅の広大な庭で、アーチー王子(6)の手を握り、リリベット王女(3)を肩に乗せたヘンリー王子の姿が写っている牧歌的な写真で、『Daily Mail』の王室エディターは、「このタイミングは偶然とは言い難い」と綴っている。