ケイト・ベッキンセイルとクロエ・セヴィニー。2人を見比べて、ファッションが語るものを実感

冬のアメリカ・ユタ州で毎年、開催されるサンダンス映画祭の画像を見ていたら、おもしろい2ショットを見つけた。美人女優のケイト・ベッキンセイルと個性派女優のクロエ・セヴィニーが並んで映っている写真だ。

2人のファッションと雰囲気があまりにも違うので、彼女たちの年齢をチェックしてみたら、ケイトが42歳でクロエが41歳。そうか、女優としてビミョーな年ごろになったんだなぁ、と2人を見比べてみると、みんながカジュアルなかっこうでやってくる映画祭で、白ジャケットでモノトーン・コーディネートのケイトが、なーんか、美人だけれどつまらない女優に見えてきた。顔面も若いときとおんなじでシワもないし、胸の張りも昔のまんま。フケてないのに、古臭いってどういうことさ!?

片や、クロエのほうは、目の下にクマができてるは、顔の肉が削げてますますアゴ長になってきてるはで、それなりにフケが入ってきてるし、やっぱり腰回りなんかも昔に比べたら重くなってるわけよね。が、それにしたって、彼女、フリルブラウスに70年代っぽいデニムでおしゃれを楽しんでる! 独自のコーディネイトで甘くなり過ぎずに、自分のスタイルにしている!

クロエを見ていると、ファッションに冒険心のある人はたとえシワがあっても若々しいし、それは決して見た目だけのことではなく、頭の中身も若いのだと思う。おしゃれが好きな人は、いつだって、なりたい自分にチャレンジしている人だからね。そして、若くてきれいだった頃の自分から変化せずに、留まっているケイトが古臭い女優に見えるのは、そのためなのだと思った。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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