[vol.32] ミシェル・オバマのバカンスファッションを見て、洋服はまず自分が楽しむべきということを再認識

大統領夫人の重圧から解放されたミシェル・オバマが、バカンス先のイタリアはトスカーナ地方でカメラに納まっているショット。このときの彼女のファッションが鮮やかで若々しくて目を奪われた。

今年のトレンドのストライプ、それもピンクで、大胆にもスリーブは片方だけのデザインのトップス。パンツは斬り裂きが入ったリップドジーンズでカットオフされた裾も今年風。
これだけ流行ものを取り入れても、トップス以外を白でまとめて、無理なくオシャレに着こなす53歳の元ファーストレディ。カッコいいじゃありませんか!

ミシェル・オバマは、そりゃあジョージ・クルーニー夫人のアマルみたいなモデル並みの体型じゃあないけれど、健康の面から食事や運動への意識も高く、この年頃でこの体型キープは立派なもの。そして何よりも感心するのは、お洋服を着ることを楽しんでいるのが感じられることだ。立場上の年相応という無難路線に向かわず、ファッションの新しい風をまとう若干のチャレンジ精神。そこが彼女の若々しさのゆえんだし、その若さは見た目だけじゃなくて、頭の中味までもそうなのだと思う。まあ、比べようもないのだが、日本のファーストレディ安倍昭恵さんの外遊ファッションなどを見ると、逆の意味で考えさせられます。あ、彼女、ミシェルとたったひとつ違いの54歳なのね。ここにきてフランスのマクロン新大統領夫人64歳のファッションも気になるところ。プライベートなカジュアル服の着こなしがやっぱりうまい。いかにもな若作り感なしにカジュアル服を自分のものにしている。ファーストレディのセンスは、公式の場のドレスでは分からない。着ることを楽しんでいるかどうか一目で分かる、プライベートなカジュアル服を見ないことにはね。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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