【海外ホラーマニアが厳選!】タロット占いや、プールで巻き起こる恐怖体験!? 今観ておきたいホラー作品3選

大のホラー好きである人間食べ食べカエル氏が、あらゆるホラー作品を厳選してお届けする本企画。今回は、呪われた“タロット占い”を使用したことで待ち受ける恐怖体験を描いた『タロット 死を告げるカード』や、定番ながら身の毛がよだつ引っ越し系ホラーに“プール”要素を取り入れた『ナイトスイム』など、ホラー好きの登竜門的(!?)3作品をご紹介。

『ナイトスイム』/安定・鉄板のブラムハウス×ジェームズ・ワン製作ホラー!

ホラー映画『ナイトスイム』
『ナイトスイム』U-NEXT、Prime Video、Apple TVなどで視聴・レンタル視聴可能。

家族が引っ越した先が呪われていた! ホラー映画で何万回と使われてきたプロットに、そこの呪いの根源が屋外に設置されたプールだったというひとひねりを加えて独自色を出した作品だ。肝心の内容はというと、「ブラムハウス×ジェームズ・ワン製作」というキーワードを聞いて思い浮かべた通りの面白さ! 70点くらいの楽しさを目的に観たら、ピッタリ70点を出してきた感じだ。冒頭から雰囲気抜群。夜のプールで少女が何かに襲われるところから始まるのだがここが良い。プールから顔を出した直後の視界の不明瞭さとカメラのピントを同期させて、画面全体に水がかかったようにボヤける中、画面奥に少し動く影を挿入するというセンス抜群の心霊描写がいきなり現れるのだ。この時点で勝ちを確信した。

家族の関係性を主軸にしたうえで怪現象を盛り込む構成も既視感強めだが、ここも抜かりなくちゃんと面白く仕上げている。とはいえいちばんの見どころはやはりホラーシーンだ。とにかくプールの使い方が上手く、排水溝や側面にある四角い穴、飛び込み台などすべてのアイテムを巧みに使い分けて、舞台が限定されているとは思えないほどバリエーションの多い心霊現象を生み出している。どんな題材でも、一見ありきたりと思ってしまうような設定でも、ほぼ必ずと言っていいほど一定水準の面白さを超えてくるブラムハウス一派の底力を見た。

『タロット 死を告げるカード』/タロットクリーチャー総出演で楽しませるエンタメホラー!!

ホラー映画『タロット 死を告げるカード』
『タロット 死を告げるカード』U-NEXT、Prime Videoで視聴可能。

若者たちが呪われたタロットカードを使って占っちゃったことで、ひとり、またひとりとその予言通りに死んでいく! あまりにもありきたりだけど、そこそこお金がかかっていて何のひねりもないホラーを観たい時ってあるじゃないですか? この映画は、そんな時にピッタリの作品です。とにかくテンポがよく、アバンタイトルのあたりで皆が占っちゃう。そしたら後はもう死んでいくだけ! ここからは本作ならではの魅力が炸裂する。それはタロットに描かれた怪人が実在化して襲ってくるという点だ。しかも、占った人ごとに異なるデザインが描かれていて、それが全部本当に目の前に現れるのだ。

つまりどういうことかというと、色んな怪人が出てきて若者ごとにバリエーションの異なる死にざまが見られるということ! これによって途中で飽きることもなく、ホラーシーンで毎回味変ができるので最後まで一気に楽しめる。お得感も強くて嬉しい。それぞれの怪人のデザインも秀逸だ。どれも不気味でどことなく格調高くもあり、とても印象に残る。それを手掛けたのが、YouTubeで大人気となったクリーチャー、サイレンヘッドの生みの親であるトレバー・ヘンダーソンと聞いて納得。いい異形成分を摂取することができました。ちなみにMCU版『スパイダーマン』のネッド役でおなじみジェイコブ・パタロンも出演。ひとりギャグ要員として微笑ましい活躍をしていました。

『ペット・セメタリー:ブラッドライン』/陰惨好きにおすすめ。キング御大原作の血塗られたホラー新作!

ホラー映画『ペット・セメタリー:ブラッドライン』
『ペット・セメタリー:ブラッドライン』U-NEXT、Hulu、Prime Videoで視聴可能。

スティーヴン・キング御大が手掛けた小説『ペット・セマタリー』(※誤字ではない)。これを1989年に映像化した『ペット・セメタリー』はキング原作の中でも成功作の部類だろう。続編やいくつかの新作も作られたが、他は中々パッとしないものだった(リメイク版は結構よかった)。そんな中で、再びシリーズの新作が登場。今回は1作目よりも前の時代を舞台にした、いわゆるエピソード0というやつだ。

戦争真っただ中のド田舎という閉塞感に満ちた舞台で、先行きの見えない若者たちが呪われた土地の恐怖に襲われる。後ろ向きな呪いと陰惨な展開、そして痛みを伴うグロ描写が合わさり、相変わらずの気分が暗くなる素晴らしい仕上がりになっている。87分という尺の短さも相まって、非常に引き締まっている。テンションの満ち引きがうまく、激しいホラーシーンと静寂を巧みに行き交いながら、最後まで恐怖を持続させている。ブードゥーゾンビっぽい要素も良いアクセントだ。監督のリンジー・ビアーは脚本畑の人で、長編作品は本作が初めてのようだが、それでこの仕上がりはかなり今後に期待が持てるのではないだろうか。昼でも常に仄暗い映像と地獄のような展開がマッチした良作である。

【ホラードラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになる「X」アカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

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