担当編集が教える、海外文学レーベルの個性|No.4 白水社エクス・リブリス

よりディープな世界への誘い。未知の作家と出会おう
担当:金子ちひろさん(白水社)

かつては岸』も一見地味ながら、驚くほど深い余韻を残す秀作として、読み巧者な人々に称賛された。

『かつては岸』
ポール・ユーン著 藤井光訳(白水社/2,300円)

韓国系アメリカ人作家が描く、架空の韓国の島を舞台にした連作短編集。経済発展の進む島には戦争の記憶があった。日常的な光景からエモーショナルな瞬間までを捉える筆致が魅力。

SPUR2016年1月号掲載

バスクの作家ウリベが、ドキュメンタリー的手法を用いて書いた『ムシェ』は、10月に刊行されたばかりの一冊。 「戦後70年近い時を経て、作家がムシェの人生に肉薄し、小説として再構成していく過程を、楽しんでください」

『ムシェ 小さな英雄の物語』
キルメン・ウリベ著 金子奈美訳(白水社/2,300円)

疎開児童の少女を引きとったひとりの作家が、反ナチ抵抗運動に身を投じる。戦争の悲惨さと無名の人々の営みを、現代に語りつぐ長編小説。世界で話者が70万人のバスク語で書かれた。

SPUR2016年1月号掲載

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