強く美しい動物と暮らす喜びと責任

NATALIA KOROTOVA

友人フィリップ・プレインの服は「自分の内面のよう」とナタリア。スポーティなジャンプスーツもドレッシーで挑戦的。プロテクターとグローブは散歩の必需品。自分の身を守ることも飼い主の大切な役目。

 大自然あふれるロシアの森の中で暮らす、ナタリア・コロトヴァとピューマのロンドン。ビューティスタジオを経営し、自らもアーティストとして活動している彼女はどんな日常を送っているのだろうか?

「ロンドンを迎えてから、ライフスタイルは一変しましたね」と言うが、それもそのはず。時に人の生命、身体に危害を加える恐れがあるとして、日本では“特定動物”に指定されているピューマ。生活をともにすることは容易ではない。たとえば、飼い主のナタリアであっても、服装が違うと認識されないことがあるため、一定期間匂いに慣れさせた服を2〜3枚着回すのが当たり前という。ロンドンが散歩時に突然走り出し、転倒することに備えて、ラインナップはスポーツウェアのみ。身を守るためのプロテクターとグローブも欠かせない。それでもファッションを楽しむ心を忘れず、お気に入りのブランドは、デザイナーが友人のフィリップ プレイン。「明るく、反抗的で挑発的」と自身の性格と共鳴する部分があるというエネルギッシュな服を着て、毎日欠かさず散歩へ出向く。ナタリア以外の人は世話ができないため、以前のように旅行へ出かけるなど家を離れて自由に過ごす機会はなくなった。しかし、彼女はすべての時間をロンドンに捧げることに、後悔はまったくないという。

(左)手前はロンドンの大親友の愛犬ブロ。広大な森や車の上で、かけっこや木登りをして遊んでいる。
(右)ボールで遊ぶのが大好きなロンドン。誕生日プレゼントの巨大運動ボールを遊びすぎて穴だらけにしてしまうほどの球体フリーク。

「優雅で強いピューマと暮らすのがずっと夢でした。都会のアパートでの飼育は難しいので、田舎へ引っ越したことをきっかけに夫がプレゼントしてくれたんです。危険を感じるときもあるけれど、野性的で美しいピューマが家族の一員として生きている喜びが何よりも上回ります」と、彼と過ごす生活への想いの強さを語った。

 ロックダウン中も、街から離れて暮らし、変わらず家族との時間を大切にしていた。大きな家でロンドンと一緒に昼寝をし、夜は自分の部屋で眠る彼を見守る。そして、鳥のさえずりに癒やされながら、夫と愛犬のブロ、ロンドンと豊かな森を散策する。変わらぬ充実した生活の中でみんなの健康が一番だと再認識した。「ロンドンがいつも元気で、ごはんを食べられること。そして私も健康で愛すべきペットの世話ができること。当たり前ではないと噛み締め、今後も大切にしていきたいです」

Profile 

ナタリア・コロトヴァ/ビューティスタジオオーナー、アーティスト
ロシアのペルミ地方で、まつ毛エクステンションやメイクアップを行うビューティスタジオのアーティスト兼オーナー。森と川に囲まれた広々とした自宅に家族で暮らしている。

 

「僕の名前はロンドン。『マウンテンライオン』とも呼ばれるピューマの1歳の男の子。お肉とボールが大好き」
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