言葉が通じなくても、こんなにも心が通じ合う不思議な相棒たち

EMI SUZUKI

(左)「リラックスできる着心地でオールシーズン楽しめる一枚」というLautashiのリネンワンピースがお似合い。(右)5枚持っているというLautashiの万能ニットトップスは柄と色合いがお気に入りの刺しゅうボディスーツと。ロエベのスエードパンツも長年愛用中。

「母がすごく動物が好きで、生まれたときから身近に生き物がいることが自然なことでした」と話す鈴木えみさん。その影響で、一人暮らしを始めてから現在に至るまで、常に猫や犬とともに生活を続けている。現在は夫と娘、マンチカンのダニョ、ダックスフンドのきらり、ベンガルのベビの、3人&3匹暮らし。モデルのみならず、デザイナーとしてもファッション業界で活躍する彼女だが、ペットがいることが服選びに、影響するのだろうか?「猫は爪が長いので、引っかけたりすることもありますが、実はあんまり気にしてないですね(笑)。私のブランド、ラウタシーは日常にフィットするので、よく着ています」

 ライフスタイルについて聞くと、家族としての絆の強さが見えてきた。「わが家は基本的に朝晩みんなでごはんを食べるのですが、そこにペットたちも必然的にいる感じ。夫が在宅で仕事をしているので、常に家には誰かがいて、私もあまり離れることなくみんなと一緒にいます。3匹は、ペットというより『同居人』ですね」。その言葉には飼う飼われる関係を超えた、愛情や尊敬があふれている。一方、動物たちから見た家族は「私は、守ってくれる保護者、夫は病院に連れて行ってくれたりする生き物係、娘は友達ですね」と、それぞれ違った関係性を築いているのだそう。外出自粛期間でも、ともに過ごす時間は変わらなかったというが、過ごし方や心境に変化が。「バルコニーで過ごすことが多くなって、そこでごはんを食べたり、猫たちが虫とじゃれている姿を眺める時間が増えましたね。ふと、老犬のきらりと、あとどれくらい一緒に過ごせるかなと考えることも。みんなで毎日ゆっくり過ごす時間を噛み締めています」
家に届いたダンボールを娘が汽車に改造。ダニョとビーを乗せ「出発進行!」と遊んでいる姿に鈴木さんは癒やされるという。
(左)最近購入した「ビーちゃんが今までにない食いつき」の猫じゃらし。羽根部分が7種類あり、好きな羽根につけ替えて遊ぶことができる。
(右)鈴木さんの娘が初めて好きになったキャラクターというスポンジ・ボブのぬいぐるみ。今はきらりのお気に入りの相棒に。

 必ず訪れる最期の別れについても心境を明かす。「昨年の11月にシュナウザー犬が亡くなったんですが、初めて娘もその場に立ち会いました。あえて肯定的に捉えると、映画などではわからない命の大切さや自分の感情の動きを身をもって知る機会になっていると思います。私自身も、命ってなんだろうと改めて考えさせられて、どの経験も忘れられません」

 また、ペットに助けられる瞬間についても、「言葉が通じないのに、こんなにも心が通じ合う、毛むくじゃらな生き物と生活していることを不思議に思うこともありますが、いい関係でいてくれてありがとうって常に感謝の気持ちでいっぱいですね。たとえ、仕事で落ち込んでも、彼らがいるだけで、気持ちが、ぐいっと持ち上げられる。責任があることで、かえって自分が助けられることもあるんですよ」。モデルやデザイナー、妻、母と、日々多忙な鈴木さんにとって、3匹の存在が原動力になっているのだという。

 最後にペットとの宝物について聞いた。「自分のことはわかるけど、彼らの気持ちは誰にもわからない。だから、振り返ったときに自分の中に何が残っているか。そして、いっぱい愛して一緒にいた事実が、かけがえのないものですね」

Profile 

鈴木えみ/モデル、デザイナー
モデル、自身が手がけるブランドLautashiのデザイナー、雑誌『s’eee』編集長とファッション業界でマルチに活躍している。今年5月1日から会員制有料オンラインコミュニティ「I to Lautashi(いとらうたし)」をローンチ。

 

「私はきらり。15歳できーちゃんって呼ばれてるダックスフンドよ。食べるのが大好きでちょっぴり臆病」
「僕はマンチカンのダニョ。今年8歳のオス猫。生まれて数カ月のときにえみちゃんと雑誌の撮影で出会ったんだ」
「私はベンガルの女の子ベビ。ビーちゃんって呼ばれているよ。えみちゃんがメス猫を飼うのは私が初めてなの」
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