愛猫との出会いで、精神的につらい時期を克服した

JONNINE STADISH

「アルバムジャケットの世界観にもマッチするから」とお気に入りのトップス。足もとはドリス ヴァン ノッテンのヒールブーツ。

 エレクトロニックデュオHTRKのフロントウーマン、ジョンニン・スタンディッシュ。アルバム『Venus In Leo』のツアー用に買ったというお気に入りのPLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEのトップスを羽織り、片手に愛猫ミューを抱える。「7年ほど前、音楽活動がままならないくらい、精神的に不安な状態に陥っていて。その後ブリーダーから、ミューを迎え入れることになったのですが、話を進めていた矢先、ブリーダーがミューを含め、飼育していた猫たちをビニール袋に入れて駅に置き去りにし、急に姿を消してしまったの。ミューは私が病院に連れて行き、一晩点滴をして命拾いしたのですが、そのときの教訓は今でも忘れないわ。ブリーダーとしての資格を確認し、その地域の獣医に信頼されているかどうかを、事前に調べるべきだったと思う」

 精神的につらい時期を経験するも、ミューに、パワーをもらったと語る。「新しい家族が増えて、たくさん笑うようになり、日常を取り戻しました。もう一匹チャイナタウンという猫がいるんだけど、彼らは、今の瞬間を楽しむ魔法をかけてくれるの。人生を満喫するためのひとつの鍵となるようなね」

 大切な相棒は「家族であり、私をつくる血のような存在。パンデミックの影響で今は在宅だけれど、夫が外出しているときでも、少しも孤独を感じない」と語る。

 日中の仕事が休みになり、音楽に専念できるのもハッピーだという。ペットとの過ごし方を尋ねると意外なものがおもちゃに。

「ミューは古い歯ブラシが大好きで、それで頭をなでると喜ぶのよ。あとは、ドライヤーなどのコードをまとめるクリップも好き(笑)」
古い歯ブラシで踊り場の床を叩くと寄ってくるミュー。それで、頭や首をなでられるのが大好きなのだという。冬はお気に入りのクラシカルなニットを着て、配線コードを束ねるクリップをひたすらかじることが好き。写真右のバーミーズ種が、ミューの親友のチャイナタウン。仲よく寄り添って、ジョンニンのベッドで眠る姿が愛らしい。

 夫と2匹の猫と幸せに暮らすジョンニンの宝物は、愛猫が仲よく描かれたアートだという。「私たち夫婦が応援するサンフランシスコの画家、ジョー・ロバーツ(@lsdworldpeace)の作品です。夫のバースデーに、友人たちがプレゼントしてくれた特別なものなの。同じ作品は、彼のZINEにも収録されているのよ」

パートナーが誕生日にもらったというジョー・ロバーツによる、ミューとチャイナタウンをモデルにしたペイント 。ジョーのZINE『61)A3HT3TA3W』には2匹の作品が収録されていて、お気に入りの一冊 。

Profile 

ジョンニン・スタンディッシュ●シンガー・ソングライター
ダークなエレクトロニックサウンドを特徴とする、メルボルンのバンドHTRKのメンバー。JONNINE名義でリリースした『Super Natural』で昨年ソロデビューも果たした。

 

「ミュー・フォーブス・スタンディッシュが僕のフルネーム。チョコレートバーミーズの6歳半さ」
FEATURE
HELLO...!