#1 和田典子さん ライター・編集者

#1 和田典子さん ライター・編集者の画像_1

1989年生まれ。北海道遠軽町出身。大学卒業後に渡英。帰国後はファッション媒体の編集部を経て、札幌に拠点を移しフリーランスに。

(右)東京は限られた時間との戦い。移動が多いため動きやすさを重視している。シュガーヒルのパーカとジャケット、パンツはアダンス。共感するブランドは必ず取り入れるのが信条だ
(左)極寒の北海道で、暖かいニットは手放せないという。コレクションを東京で発表するニットブランド、マラミュートのトップスにファイブノットのデニムを

 

距離や時間を超えるフラットな感覚が服選びに

 3年前に、帰道した和田典子さん。これまで縁がなかった札幌で生活を始め、東京との二拠点生活を開始した。生活の主軸は札幌に置いて、東京には仕事の必要に応じて通っている。
「北海道は行き交う人が面白いんです。世界的に知られるクラブ、プレシャスホールやバー、プロボにさまざまな場所から人が集い、カルチャーを介して人とのつながりが広がっていくんです。北海道出身のアーティストやミュージシャンとの交流も盛んです。若いラッパーやダンサーたちとの交流にも恵まれ、Tomorrow Farmという農業応援団体で、農業もしています」
 今年1月には、札幌で一軒家を改装した多目的スペース「ie」を立ち上げ、プレオープンと同時に、連動したジン『ie zine #000』をローンチした。
「靴を脱いで家に上がるようなリラックスした状態で、カルチャーやファッションに触れられる場を作りたいと思いました。北海道を前面に打ち出すというよりは、場所や距離に関係なくフラットにつながったユニークな人たちとプロジェクトをしたいです」
「ie」は、ギャラリースペースがあり、3月には図書室と、ファッションを扱う部屋が2階に完成する予定。北海道をベースにしながらも、東京との間にタイムラグや人間関係の距離をあまり感じないという和田さん。服装にも、滞在する都市に左右されない、どこか地続きな感覚が表れる。
「北海道で、室内で過ごす場合、発熱機能のある薄いインナーを何枚か重ね着し、ニットなどを着ることが多いですね。屋外に出るときはかなり厚着をしています。特に、マフラーは必需品。一方、東京に滞在するときは、とにかく人に会って情報収集に時間を費やしたい。フットワーク軽く、動き回れる服をよく着ています」
 東京コレクション開催期間は必ず訪れ、若いクリエイターのチェックにも余念がない。自分がリスペクトする若手デザイナーやブランドの服は積極的に取り入れていると語った。

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1 「ie」のギャラリースペースでは、ビデオインスタレーションを開催。スピーカーを配し音響設備にもこだわる
2 シルバーの表紙は新たに発刊した『ie zine』。留学をしていたイギリスや、編集部時代に出会った友人の写真集やアートブックを取り扱っている
3 東京で重宝するノブユキマツイのベルト。ホールレスタイプで服によって微調整できる。北海道で必需品のマフラー。2017年に休止したロンドンのブランド、シブリングのもの。ラムウール100%で柔らかく、端がリブで気に入っている

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